FOU’s blog

日本の大学 今 未来

さっこんの大学等でのもめごとについてどうしたものかと考えてみる2 ー日本の文化とSDGs編ー

なんだか最近教育機関関係でのもめごとがたくさんメディアを賑わせています。その中でも筆者が感じるのは寮のあり方。大学以外の施設の問題を含めなんでこうなっちゃっているのか総合的に考えてみたいと思います。話が長くなりそうなのでこちらで①ー若者も寮生活編ー、もう一つで②ー日本文化とSDGs編ーとしてまとめます。最近次から次へと立て続けのトラブル多発で書くのが大変です。書き残したことは③で書く予定です。

日本の寮生活問題のいろいろ ー学生よりも管理者側に問題ー

若者が直面する教育機関内での寮問題は、一つの大学のアメフト部の寮に鎖かけて施錠すれば済む話とは到底思えません。また、そこにいる学生のみならずそのような温床を作る教育機関側に大きな問題を感じます。そのため、最近の状況を踏まえ、高校やその他学校・施設も含めて考えてみます。

なんでもありの高校部活動 ー完全に設置者側に責任ー

高校レベルの話になりますが、男女共学全生徒1000人規模の高校で、野球部員やサッカー部員が100人、場合によっては200人、両方足して300人をはるかに超える部員を抱えるところって結構あります(東北地方とか)。九州でも公立高校でも男子学生の半分が同一クラブに入っていることも。こんなやり方で(バカな)無敗のチームを作り誇りとするのは、私立高校だけかと思っていると公立高校でも200人超のサッカー部員がいるところも(九州地方)。この人数になると(単純計算して学校に1000人生徒がいたとしてその半分が女性として)各教室にいる男子生徒の半数は野球かサッカーいづれかのクラブに所属している高校が日本には存在していることに。設置者(特に私立高校)側に言わせると、ちゃんと教育やってコンプラは守っていますと言うのですが、はたしてこんなんで良いものか?。

これだけ多くの部員が集まる理由の一つは、高校によるスカウトとここでプレーしたいという生徒本人の希望、その家族の支援があるのが理由と言えます。その多くの部員は同じ寮での合宿生活。寮に同じ部員が集まる理由の一つにそ通常の通学圏外から生徒が集まってくることもありそうです。で、その寮の中では、部活の監督が寮監になり、その奥様が寮母となって栄養を考え、心のこもったお食事まで出してくれたりすると、生徒によっては happy に感じるかもしれませんが、別の言葉で表現すれば一種の抜け出すことのできない収容所であり監獄。私生活も含めて何もかも『上の人』からコントロールされた日々を送ることについて日本では問題視されません。世界標準ではないことを気づいてもらいたいところ。

このような状況の寮生活では、特に伝統的な日本文化の中では、そこで生活する生徒のマインドがこれは自分で選んだ道、家族やみんなが期待しているので頑張らなきゃ!となってストレスをため込むことに。宝塚など他の事例でもそうですが、家族等の期待と、自ら選んだ道であるとの逃げ場のなさとの重圧によって身動きできず行き詰まってしまうケースが多いと感じます。そのような中にいる生徒自身も洗脳されているとまでは言いません、が、スマホ取り上げられても外出を制限されても特に問題意識すら感じないメンタリティーに。そんな風通しの悪い中では、メンタルにも負担がかかるでしょうし、様々なハラスメントは生じやすく、表にもでにくくなることが容易に想像できます。

宝塚にある音楽学校&歌劇団もねえ… ー今のスタイルを未来永劫続けるのか?ー

もめごとが大きくなってきましたので、こちらでも実名で宝塚音楽学校宝塚歌劇団でのいろいろに変えます。命を絶たれた方の件は重く考える必要がありますが、それ以前にこの学校はどのような位置づけでこれまで存在してきたのか?。別項でお話したようにラマール先生がビデオでこの学校の特色ある授業を取り扱ったのが1999年のこと。今ある学校も、その当時のスタイルのままにして現在に至っています。昭和の時代まで、校内での何かと厳しいスタイルが見え隠れしていても芸の肥やし的な理解での納得感を得られたのもかもしれません。そんなことを、在版のテレビ・新聞社は良く知っていたくせに、急に突然、えっ!こんなことがあったんだ!と(ほんのついさっきまで良き伝統文化とたたえていたくせに)とぼけられ大騒ぎされてもこちらの方が気恥ずかしくなります。

さすがに今現在の日本では、ダイバーシティーであったりSDGsであったりの言葉や基本理念が日常化している中、本科生と予科生との意味不明で絶対的な上下服従関係、それが卒業してからも歌劇団の中で美徳として生き続けることは全くふさわしくありません。結局今のシステムは、一人の女性を加害者も被害者もしかねない状況を生んでいます。名残惜しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが弊害が多すぎです。もう終わりにしましょう。

↓ ラマール先生のお話

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学校運営の検証が必要

筆者がこの学校が今後行わないといけないと感じるのは、組織全体、学校で携わる人たちの管理運営がどうだったか?について。音楽学校では入学時から始まる学校教育における全ての場面で、そして、劇団入団後を含め、他者への敬意、尊重について、学校、教える教員、事務組織全体で行われていたか?。この組織における奇妙な上下関係が生じるのはそれぞれの学生の個性というより、それまでの悪しき伝統と慣習に縛られ(多少の疑念はもちつつも)下級生へ自分たちの考える厳しい指導?を行っている部分が大きいものと思われます。

筆者の目線で気になったのは、設置母体であるクリーンでお上品なイメージの阪急電車さんの記者会見の内容……ではなくて、出席者の顔ぶれ。女性のみが生徒・劇団員である組織の管理責任を説明するため出てきて謝罪・説明をした3名はみんなオトコしかいません。このあたりも企業ブランド意識したメディア戦略をしないと、そんなんだから女性軽視でこんなことがおこるんだと言われてしまいます。こんなお話、こんな状況、他のG7諸国の皆さんへ恥かしくてお見せできません。(筆者が記者会見場にいたら絶対突っ込み入れます。)

ジャニーズの件も寮での被害 ーセクハラは同性間でもおこるー

この件も、その多くは寮相当の場所での出来事。ジャニーズのお話も日本の縮図といえます。異常な性癖のある故ジャニー氏による被害は、わかっているだけで1960年台から2010年台まで続く異常さ。そしてジャニー氏が亡くならないと表に話がでてこないもの情けないお話。

普通に考えて、未成年者が寝ているところにまで、ジャニーズ氏一人で出入りできるはずもなく(その人物が共犯となるかは別として)、事務所スタッフの誰かのサポート(どこに誰が寝ているかを伝え、部屋の鍵を開錠し物色する際のサポートをする等)が強く疑われます。だって、高齢のジャニー氏が、自由気ままに一人で寝ている少年の部屋に入れるはずは絶対ありません。なのに、そのことについては、今の報道の中でも封印。この事件においても、未成年者が寝泊まりする寮への(第三者的、中立的な)ケアが行われていれば被害者の数は未然に防ぐことができ、ジャニー氏への刑事的な処分も可能であったかもしれません。やはり寮管理者側の対応が甘いから少年たちを守ってあげられなかったと言えます。

この件も絶対的権力を持つ人の悪行をみんな知ってて黙っているのは負の日本文化の側面を感じます。男性間の性的なハラスメントも昔からよくある男色の類だといって看過できる話ではまったくありません。セクハラを中心とする性的な被害について、アタマの中で思い浮かぶ被害の認識が加害者が男で被害者が女性であるという認識は捨て去る時代がきています。

まとめ ーどうすればちゃんとできるのか?ー

これだけ書いてる筆者ですが、それでも具体の良い案が思い浮かびません。今すぐの対策なら、それぞれの機関において、必ず中立で個人情報が必ず保護されるハラスメントなどの生活相談窓口を何重にも設けることで一定の防止効果は得られるのではないかと考えます。監視社会的なにおいもしますが被害防止のためには仕方ありません。後は日本にいる人の気持ちの変化。世界を見渡して今の日本はおかしいと言うことに気づかなきゃいいけません。

プロ野球でもレベルの低いハラスメント事案が起こりました。閉鎖されたロッカールームでパンツ脱がせて逆立ちさせるようなことがずっと行われていたという話、メージャーリーグ関係者が聞いたらひっくり返ります。このことを万事の反省材料とするのなら、プロでもこの調子なんだから、当然中高大学でも、男女を問わず必ずハラスメントは発生しうることを想定すること。でないと、安心安全な寮生活・部活動ができる環境を作らなきゃいけません。

 

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日大の出来事を感じながら私立大学の有り様を考えてみる ーやはり国際感覚ゼロー 3

日大アメフト部さんの薬物使用のお話はどこへやら。日本大学さんの統治機構は破綻へ。

日大さんはどこへ行くのやら

いつも言っていますが、筆者は理事長派でもアンチでもありません。ただ、超巨大な大学を統治し立て直すには(いろいろあっても)誰かが、理事長さんや学長さんになってがんばるしかありません。

今がんばっている理事長さんたちは、やることなすこと否定され責任追及の嵐。おまけに意味不明に報酬は半減され辞職勧告までされてしまう始末。さらに理事会構成員(副学長)からパワハラで提訴まで。

他の大学でも、ヒドイ事件がたくさん起こっている中、メディアは日大さんにだけ別格の取り上げ方をしています。また、そもそものアメフト部の違法薬物のお話はまだ進行中であるにも関わらず、その関心事は理事長の責任追及ばかり。他の大学にも不祥事はたくさんありますが、理事長の自宅や大学の本部前までカメラを持ち込みコメントを求めるのもこの大学だけ。

可哀そうにこれでは、理事会による通常の大学統治はしばらく出来そうにありません。今後もメディアのスタンスは変わりそうにありませんので混乱は長引きそうです。これでは今年の大学入試へも影響大。

筆者は、面白可笑しく大学を取り上げるタイプでもありませんので、これくらいにしておきますが、なんとか普通に戻ることを祈るばかりです。

 

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【短編】千葉科学大学ってこれからどうなるのか考えてみる

大阪(伊丹)から飛行機に乗って東京(羽田)に行くとき、低空で房総半島銚子付近からきれいな海と丘陵地帯、ゴルフ場を眺めつつ東京湾へと入っていきます。とてものどかそうなところ。そんなところにある大学の将来がどうなるか懸念されています。今後もふえていくであろう地方の私立大学の公立大学化の良い判断基準になると思います。このブログでのスタンスは、この公立大学化はお断りした方が良いのでは…です。また、この話を書いていて感じることは、今に至るまでの『そもそも~』の話が多すぎです。

千葉科学大学さんが、学生が来てくれないので公立大学に設置変更してくださいと銚子市さんへ言っているみたいです。最近の日本のアマアマの世の中の縮図に感じます。ことここに至って言っても詮無き事ですが、なんでこの地にこのような大学を作ったのか…。どのような結論になるかはわかりませんが、オトナの火遊びで学生さんや地域住民に迷惑がかからない方策を考えないといけません。

決めるのは銚子市さん ー問題は薬学部ー

千葉科学大学側の立場は、一生懸命頑張ったけど定員に満たない(70%未満)ので(今はやりの)公立大学化を求めています。ただ、この大学、設置・設立した2004年の時からミステリアスで、銚子市から不動産やハコモノの支援をうけるような密接な関係(下品な言葉を使えばズブズブ)を築き、さらにどうみても経営状態が良くない中、看護学部の新設(一応市側の要望)まで行っています。大学ができて20年ほど、設置母体の運営に疑問が残る中、今回はさらなる支援要請(というか経営放棄)。ですので、銚子市さんはいろいろ考えてどうするか考えないといけません。

銚子市にとっては存続させる方がリスク大

一番の心配は、薬学部。そもそも薬学部というものは、教育と研究、さらに病院等での実習も必要。その分、市の負担が大きくなります。そんな中で、公立大学法人化すれば、私大なら年額一人当たり200万円の授業料求めていたところを、50万円程度の授業料収入のみ。場合によっては更なる減免措置を行いますので、大学経営上は必ず赤字になります。地方交付税の増額はあるのでしょうが、それだけでは追いつきません。

そもそも、人口6万人足らずの小さな銚子市に、市としてなぜ薬学部の設置が必要か?もちろん、過疎の進む地方都市ですので、薬剤師の不足はあるのでしょうが『学校』まで作る必要は感じられません。そのような場所ですので教育環境にも課題がたくさん。コアカリができるレベルの実習・研修先も銚子市内には見当たりません。おとなりの旭市に大きな病院(国保旭中央病院)があるみたいですが、そこばかりに実習を依存することもできません。今現在もそうなのでしょうが、5年次、6年次の学生は大学から遠く離れた病院で実習を受けることに。公立大で成功している和歌山県医大薬学部の場合、大学内にはもちろん大学病院があり、医学部との交流が可能、実習先も県立病院、市立病院もたくさんあります。やはり、銚子に単独で設置された薬学部では、多くの面でロケーションの悪さが気になってしまいます。

銚子市だけじゃ無理

以上、いろいろ考えてみて、人口6万人足らずの過疎化の進む一つの市だけで薬学部のある大学を賄うこと自体が無理。その必要性も見出せません。仮にどうしても公立大学化での存続をやりたいのであれば、銚子市は千葉県や近隣市町村を巻き込んだ形での公立大学法人を設置する方がまだ良く思えます。相手方が承諾すればですが…。

蛇に睨まれた? ーどうも力関係が…ー

この大学の学長さんは、元文科省キャリアさんであったり元議員さんがやっています。(単にメンタリティーの問題にすぎませんが)さらにその上の理事長さんと学長さんが人口6万人足らずの銚子市役所へ談判しに乗り込んできて、市長や事務方に何とかしてくれと言われたら、受ける立場の人にとっては大きなプレッシャーなるのかしれません。(筆者が担当の係長だったら病気事由で1年間お休みを頂戴してしまいそうです。)ですので、そんなプレッシャーの中、銚子市さんは、今までの関係は、一応、winwin に見える形で進んできたのかもしれません、が、だからと言って銚子市さんは、今回法人の逃げ得を許して良いものかはよく考える必要があります。特にこの大学が設置母体の法人から銚子市に移管されたとしたら、今の経営責任者は、これまでのことを責任回避でき、今後の経営責任は市がすべてを負ってしまうことになります。

今回、(多分)大学と銚子市さんとの交渉がうまくいかなかった場合、(大学経営がうまくいっていないことが表面化して)今後の学生募集にも影響がでるかもしれません。だからと言って銚子市さんが、公立大学化して救済するのもヘンなお話。やはりどこかでケジメをつる必要があります。それが今だと筆者は感じます。

その他いろいろ

この法人のパワーは、獣医学部新設の際には、これまで岩盤であった旧勢力への突破力となったと思えますが、今回の場合は、あだとなっている印象。いつも筆者は書いていますが、私大で学びたい人は、その大学の偏差値のような受験情報だけでなく、どんな人が設置母体にいるのか知っておくほうが良いと思います。こういうタイプの教育系法人は結構あります。初等中等教育(高校とか)でもあるし、専門学校でも、そして大学でも。

・薬学部6年制はとても長い

薬学部は、標準修了年限を6年に設定していますから、大学に何かあっても、少なくとも入学してから6年は学生の面倒をみないといけません。仮に途中で閉校するとしてもこの学生が卒業するまでの間、大学はカリキュラムを維持させる必要があります。そのスパンが4年制学部よりさらに2年要するのは時間軸として負担が増えます。公立法人化をしようがしまいが今後の経営は大変です。なので、定員充足の悪い、私大薬学部を受験する際は、経営基盤の安定したところを選ぶ必要があります。

・今後はどこでも起こりうること ー設置した法人の清算能力に期待ー

最近、関西圏でも神戸海星女学院大学さんが閉校を決定してその準備に入っています。ですので、大学の閉校はそれほど珍しい話でもなくなってきました。ただ、薬学部を設置する大学の存続が厳しいということが露呈したのは(多分)今回が初めて。

そもそも、出来て20年ほどの大学が学生が来てくれないとブツブツいうのは、大学側の自助努力の不足や目測誤りがあったと言わざるをえません。今後は(必要が生じた場合)学んでいる学生に迷惑をかけないようにしつつ、粛々と自分で募集停止、廃校までしっかりとやらせるべき。教職員の雇用継続も(岡山に薬学部はありませんが)求められれば理系学部が多いのでなんとか吸収できると感じます。これ以上、地方公共団体に依存しても良いものは生まれません。もちろん政治力を使うのもだめです。

www.city.choshi.chiba.jp

さっこんの大学等でのもめごとについてどうしたものかと考えてみる1 ー若者の寮生活編ー

なんだか最近大学を中心とした教育機関関係でのもめごとがたくさんメディアを賑わせています。その中でも筆者が感じるのは寮のあり方。大学以外の施設の問題を含めなんでこうなっちゃいるのか総合的に考えてみたいと思います。話が長くなりそうなのでこちらで①ー若者も寮生活編ー、もう一つで②ー日本文化編ーとしてまとめます。

大学の寮って大丈夫?ー体育会系だけでなくみんな心配ー

疑問? どうして学生は違法薬物しちゃうんだろう?

日大さんはアメフト部、東農大さんはボクシング部、朝日大学さんはラグビー部、そして一番新しい事例では早稲田さんの相撲部の学生さんまで違法薬物で逮捕。この4つの大学の類似性・共通点を説明するのは難しいところですが、筆者なりに感じるのは、みんな私立大学、所謂成果を求められる強化指定という言葉が使われる強豪クラブ、スポーツ系入試のような特待付き入学した学生が多そう、誰かが密売人から入手し、そこから拡散、あたり。

ここも台所のゴキブリ理論で考えれば、この半年ほどの短い期間に4件の事件が明るみにでるということは、潜在的にはもっと多くの大学の寮でこのようなことが行われていると考えるべき。

違法薬物が寮内で蔓延していく理由については、数人で寝る相部屋の環境、いまだに続く日本流の先輩後輩関係、そして大学の寮管理の甘さがあげられると思います。特に私大の体育会系の寮。筆者は長く大学で働いていますが、この類の寮は働いていた大学ではみたことありません。このことについては、大げさではなく大学のあり方についての深いミゾ?が。筆者から言わせれば、どこからこんな特定の部活のため予算がついて寮が存在するのか?存在していいのか?。反対に日大さんや東農大さんのような(特に首都圏の)私大に関わりを持つ人ならこんな寮はあって当たり前のお話。このあたりはそれぞれの大学の決め事で、筆者とかがとやかく言う話ではありません。が、少なくとも大学は、このような寮をつくるのであればしっかり管理する責任が生じます。

寮内での違法薬物利用は、最初の違法薬物入手者が、個人で使用するのみならず、同部屋の学生、部活で関係する先輩後輩のルートを介して伝播いくことも十分考えられます。その流れをどう断ち切るか。特に部活の先輩から強要されて断り切れず犯罪に手を染めてしまう可能性のある後輩学生も、ある意味被害者とも言えます。とはいえ、筆者も良案があるのかと言えばありません。基本的に考えられるのは20歳前後の(部活メンバーのような利害関係の生じやすい)若者を必要に以上に一緒に住まわせないこと。仮にその必要がある場合は、(月並みですが)一人部屋を中心として、寮の管理を厳格化すること、常日頃より、居住者には社会人としてのコンプライアンスを徹底するようにアナウンスすること、寮生活・学生生活について信頼できる人物により、第三者的な立場で相談ができ、秘密が守られる窓口を設けること、くらいは最低限度のお仕事だと思います。言い方は雑ですが、若い学生を必要以上に集団で住まわせるからこんなことで苦労しなきゃいけないんです。

この項の最後として言わないといけないことは、使ってしまう学生も、大麻取締法が規制強化される中、いい年なんだから、軽いノリでやってしまうと自分の人生で取り返しのつかないことになることくらいアタマにいれないとダメです。大学としても面倒みきれません。ついでにいうと、刑法改正で撮影罪が新設され従来の法設定よりも個別具体的になり厳罰化されました。アタマの悪いスケベな学校の先生たちが毎日のように捕まっているのを反省の糧とし、学生さんたちは日ごろの行いに気を引き締めることが必要です。

学生寮の管理ってこのままで良いものか心配してみる ー特に体育会系専門の寮ー

大学の寮は、大学から遠方に住む学生への便宜として提供するのが一般的ですが、今回、薬物問題が起こった寮は、アメフトだのボクシングだのラグビーだのの所謂体育会系クラブのために設置されたものばかり。筆者の目からは、大学、(大学側の)部活の監督等の管理者、学生のアマアマな体質があるようにしか見えません。それとこの話、日大のアメフト部の寮だから生じたという事案でもありません。完全に台所のいたるところにゴキブリが見え隠れている状態ですので、同様のことをやっている大学とその寮は、総点検をすることが必要です。筆者個人的には、ドーピングの面も含め駅伝のような陸上競技を行う学生の健康管理がどうなっているのか気になります。アスリート管理がしやすいという理由だけで学生を寮に押し込み勉強もさせず運動?スポーツ?をさせるというのは国際標準からも外れています。(NCAA所属でアメフトやゴルフetcなどの競技をしている大学生は勉強時間も確保されています。)

※近々にその2部分を書きます

 

 

ヨーロッパの大学9 写真でみる東欧 ー若い人は海外へ行こうー

こちらは、西ベルリンシリーズからの続き部分。ざっくりいうと東ベルリン→チェコスロバキア(当時)→オーストリアハンガリー等々へ。整理が悪くてお見せしたかったネガが何本かがどこかに隠れていますが、改めて見つかったらブログに使いたいと思います。すいません。こちらでは大学ネタは皆無です。

(当時の)東ヨーロッパは面白い

東ベルリンではフンボルト大学の前をとおりすぎた記憶があります。そこからまずチェコスロバキアへ行きました。こちらでは、特に若い方にはそんなに古くもないけどかなり今と違うヨーロッパの様子を見るのも良い機会かもしれません。ちなみに現地で出会った早稲田大の学生によると2000人の早稲田学生がヨーロッパに来ている!と言ってました。かなり不正確で乱暴な数字だと思いますが、確かに2月から3月の西側ヨーロッパは日本の大学生の姿はたくさんでした。今の若い人たちもがんばって海外に行ってみましょう。

久しぶりにクイズQ:筆者が東ベルリンでタクシーに乗った時、ドライバーは『おまえは○○○国からきたんだろ』と言われました。さて、その国はどこでしょう?答えは一番最後で。

地球の歩き方(東欧編)は、通称『地球のだまし方』(当時)

時代は1980年代末、ソ連があって、東ドイツがあってベルリンの壁もまだありました。もちろん西ドイツ以西のヨーロッパには多くの日本人観光客がいて今とさほどかわりません。ところが東ヨーロッパは別世界。入国するにはビザを取得しないといけないし、ホテルも自由に選ぶことが出来なかった時代。だからこそ東欧を歩く際は地球の歩き方は必需品でした。当時の歩き方(東欧編)は、ソ連編が確かあったので、東ドイツ(当時)、チェコ・スロバキア(当時)、ハンガリーユーゴスラビア(当時)あたりについて全般の紹介。当時の現地情報は、実際その地を旅した人物のレポート・報告記事が多く入ってるのですが、お話したとおり、当時の社会情勢で、東側地域を旅した旅行者の数が少ないため、情報が不正確。例えば〇〇通りの3丁目の角においしいレストランがあるとか書かれていて、実際に行ってみたらそんな痕跡なしなんてよくある話。なので、東欧へ行く旅行者はしっかりしていないと生きていけません。

♪ リンゴの花ほころび ♪ Katyusha/Катюша

トリビアのお話。当時の東欧はソ連(ロシア)人がどこにでもいて幅を利かせていました。異なる国で2回体験したのですが、当時の向こうのレストランでは結構普通にバンドの人がいていろいろ演奏を行っています。そんなところで食事をしていて、お客さんの中にロシア人がいるのがわかると決まってこの曲を演奏し、拍手喝さいとなって(表向きは)盛り上がります。でも、当時でも東欧の人たちのロシア感情は良くないわけで、そんな中でのおもてなしの作法なんだなと体感。

もう一つ、ついでに詠み人知らずの小話

ソ連の政治家たちが東ドイツから列車でソ連に帰るときの会話。

政治家A 『今どのあたりを走ってるんだ?』

政治家B 『腕を窓から出したらわかります。腕にキスをしてくれたんでまだ東ドイツの中みたいです』

政治家A 『今どのあたりを走ってるんだ?』

政治家B 『腕に唾を吐きかけられたんでポーランドに入ったみたいです』

政治家A 『今どのあたりを走ってるんだ?』

政治家B 『腕の時計を盗まれたんでソ連に戻ったみたいですよ』ちゃんちゃん お粗末でした。

それでは、以下、写真ごとに解説していきます

【写真】チェコスロバキアプラハ・カレル橋とプラハ城界隈 ヴルタヴァ川はドイツのエルヴェ川方面に流れていくようです。

【写真】ハンガリー 多分ブダペストのどこか 当時のチェコスロバキアハンガリーを比べると断然ハンガリーの方が旅しやすかった記憶があります。チェコスロバキアは、街中にたくさん警官?らしい人が巡回していて暗い雰囲気。その点ハンガリーは、街の雰囲気は明るく、料理もおいしいしかった記憶が。今はどうなっているのでしょうか。

【写真】ハンガリー・ブタペストではホテルではなく、こんな感じで立ち並ぶアパートの部屋貸しで泊まりました。駅とかのTurist Informationで(バックパッカーを見たら)紹介してくれます。価格は忘れましたが非常に安価でした。確か朝ごはんも出してくれた記憶あり。もともとバックパッカーってそんなもんで、今となってはよくもまあ、こんな無計画で軽いノリの旅に出かけていたもんだと回顧する日々。

【写真】ハンガリー・ブタペスト レンタルルームのあったアパート

【写真】ブダ城 ブダ地区にあるお城。 ドナウ川が見るだけで寒そう。

 【写真】西ドイツの列車 どうやって西側に戻ってきたのかも憶えていませんが、写真をみるとダルムシュタットから西ドイツに入りハイデルベルグへ向かったようです。そういえばみんな大きめのトーマスクックの時刻表とにらめっこしてスケジュールを決めていた記憶がよみがえります。だいたい日本人は一等のユーレイルパスを買ってきて持っているのでバックパッカーの割に一等車を占拠して(多少)ひんしゅくを買ったかもしれません。

※現地で出会った手を振っている写真の彼女は、東京の(アタマの良い)女子大の人で就職内定先は(この当時で)外資系のコンピュータ関連企業。座っている女性(黒い髪だけの人)は、確か京大法で、就職内定先は、某超有名新聞社とお話していました。東ヨーロッパでは日本人旅行者がとても少ないので出会うとすぐに友だちになります

【写真】ハイデルベルグのバス停 ここでバスの乗ったときキセルチェックがあって何人か捕まっているのをみました。その時はコート姿の二人の男性が入ってきてチェック。特に旅行者は些細な金額なのでちゃんと料金は払いましょう。

答え合わせ A:答えは『あんたはベトナムから来たのかい?(原文独語と片言の英語)』でした。当時の東欧は、ワルシャワ条約機構に属し、ソ連ブロック経済圏に入っていました。東南アジアでもドミノ理論というのがあって、ベトナム社会主義国化し、その他の国も共産化しないかアメリカなんかは心配していた時代。実際ベトナムの隣国カンボジアではポルポト政権による虐殺が行われています。

そんなで、東側エリアにいるアジア系の人物をみたら多くの人は、ベトナム人とかを連想してしまうようです。なお、(多分)ドライバーさんが中国や北朝鮮ではなくベトナム人を連想したのは、筆者の顔つきの影響もあるかもしれません。※キャセイでヨーロッパに行った帰りに香港でトランジットした際、グラウンドスタッフに危うくバンコク行きに案内されたこともありました。

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日大の出来事を感じながら私立大学の有り様を考えてみる ーやはり国際感覚ゼロー2

日大アメフト部さんの薬物使用の件まだもめています。というか盛り上がっています。

みんな理事長が悪いらしい

基本的にそもそものお話は、アメフト部の寮内で麻薬片が見つかった。いろいろ事情聴取をしているとまだまだ使った学生がいるみたい、で、警察とかが捜索中。というところですが、今回の報道は、大学執行部での情報共有がうまくっていないとのことで、理事長が(アメフト問題を長引かせたとされる)理事の一人をやめさせようと動いていることについて。

で、筆者として気になる部分は、そんな理事会マターの内部情報がどんどん誰かがリークしていてそれが一部のメディアにあふれ出ていること。それを受けたメディアは、ウクライナ情勢よりもイスラエルガザ地区侵攻危機よりも、経済対策の国会審議よりも優先して流れてくること。

類似の大学に関するお話をすれば、最近、近畿大学では体育会系の剣道部の学生同士が、深夜に居酒屋で未成年学生を含めてお酒を飲んだあと東大阪市の路上で暴行を加えたことが原因で、その中の一名が亡くなる事件が発生しています(詳細は警察取り調べ中)。また、近大では、2017年にいわゆる一気飲みで学生一名が死亡しています。

筆者個人としては、体育会系ということはアスリートとして剣道やっている学生たちが、近鉄大阪線の最終電車も終わってしまったであろう深夜1時を回った時間にも関わらず大学の近所の居酒屋に集まって酒飲んでいたこと自体、どうなのかなぁ、もう昭和じゃないんだから大学生の特権みたいな意味不明な自由の謳歌は全くナンセンス。で、少なくともこの飲み会がなければ学生一名の命は救われていました。筆者としては、部活と密接に関連した飲酒事件ですから、大学としても偶然のはずみとかで片付けず、学生の飲酒についてはもっと厳しいルール化が必要。だって午前様の時間に大学生が酒飲んでいること自体異常です。

怒りの矛先は少し近大さんへ行ってしまいました。すいません。で、こんな大きな事案も起こっているのであれば、メディアの人は、近大の理事長さんである世耕さんに対しても記者会見の要求や辞職要求してもよさそうなもんですが、全然その雰囲気なし。やはり弱くて叩きやすい林理事長ばかりがターゲットになっています。特に林さんシンパではありませんが、このような報道や事件への向き合い方では良くなるものも良くなりません。

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【短編】高野山に行った話をなんとか強引に大学の国際化と関連づけて考えてみる

ほんの少し前、知人と高野山に行ってきました。このブログは、一応大学関係のことを中心に書くことを生業の基本としていますので、その視点を国際ネタを中心に強引に加味しました。なおローカルネタが多いので関西圏外の方は雰囲気でお楽しみください。

高野山への道 ー南海電車に乗ってみるー

公共交通機関で行くのなら南海電車になります。筆者は神戸からですから、まず阪神電車に乗り尼崎駅、そこから阪神なんば線経由で近鉄難波駅へ。なお、難波でおりずにそのまま乗っていると近鉄奈良駅まで連れていってくれます。

阪神電車の路線の途中には、甲子園駅阪神タイガース)とドーム前駅(オリックスバファローズ)がありユニフォームを着た人たちでにぎわいます。

近鉄難波駅から南海電車難波駅までは歩いて5分くらい。この途中の道が大変。関西空港からやってくる旅行者たちがメトロ、近鉄阪神はあまり関係なし)に乗り換えるので大混乱。南海難波駅周辺の(いわゆる)ツーリストインフォメーションも長蛇の列になっています。

南海電車は、海沿いを走り関西空港に接続する南海本線高野山へ行く高野線の2路線があります。基本的には、大阪南部から和歌山を結ぶ電車。

そんな普通で目立たない南海電車さんですが国際化の波が。2016年頃、難波発関西空港行の急行電車(関空急行)の車掌さんが、車内アナウンスで(ついうっかり)普通の空港を使わない利用者さんに対して『車内では外国人の利用者が多くご不便をおかけしています…』的なことを言ってしまいさあ大変、人権や差別を気にする人たちから怒られたことがありました(関西では有名な話)。今でもそうですが関空の空港利用者の車内マナーの悪さはひどいもんで(注:こんなネタを書くときも筆者は絶対外国人がひどい・わるいとは書きません、これがコツ)、巨大なスーツケースを通路に邪魔におくわ、シートは無駄に広く独占して電話までするわで大変な状況です。車掌さんに良くないところがあるとすれば、外国人と主体を特定してこの連中が普通のお客さんに迷惑をかけていると詫びてしまったこと。言い方的には、外国人と特定せず、『大きなスーツケースのようなお荷物をお持ちのお客様は周囲のお客様へのお配慮をお願いいたします』的なものであればそれほどもめなくて良かったんだと思います。国際化について多く情報発信している大学ですから、外国や外国人に関しての表現で大学の意図に反した非難に受けないよう言葉遣いには細心の注意が必要です。

話をもどして、難波駅から座席予約をしていた特急高野号(8時42分発)で出発。普通に行く在来線と比べ30分くらい時間が節約できます。座席の予約はweb上で簡単にでき乗車する2日前に予約したときは画面上半分くらい空きがありましたが当日は満席。見てわかる外国人旅行者も結構いました。乗り方のコツ、座席の予約は必ず進行方向右側を押さえること。この電車は山間に入ると左側は山、右側は谷になっていてキレイな景色を眺めることができます。

南海高野線は、橋本駅くらいまでは普通の通勤通学客がいますが、その先は単線区間になりカーブと標高差のある山の中へ。ホイールベースの短い車両を使っていますが、それでも走るとキィキィと車輪の泣くのが聞こえてきます。この山間には真田幸村幽閉の地であった九度山駅や名前がそれらしいので受験生に人気のある学文路(かむろ)駅があったりして眺めているだけで楽しめます。そして電車の終着駅極楽橋駅に到着。ここから改めてケーブルカーに乗り換え最終目的地の高野山駅まで運んでくれます。このエリア、標高が800メートルありますのでかなりひんやり、秋口とかは着ていくものに注意が必要です。

高野山を歩いてみる

高野山極楽橋)駅の駅前には南海りんかんバスさんの乗り場があって観光客の行きたいところにはどこでも行けるようになっています。前回は一日券を買いましたがICカードが使えるのでそちらに変更。外国人旅行者も旅慣れたものでMobile Suicaの利用者がたくさんですが全然トラブルなし。この方が運転手さんも会話の手間が省けて助かると思います。外国人の人たちでも旅行本読んで自分の力でここまでやってこれるレベルの人たちなのでしっかりしています。最近京都などの観光地では、Overtourism の話題が出てきますが、高野山に関しては地域と旅行者との均衡と調和がとれているように感じます。

奥の院

高野山に来たら必ず訪れないといけないところ。筆者のおススメコースは、バスで奥の院口駅から参道に入り、いろいろみて奥の院前から違うところへ行くというパターン。その奥の院口バス停からはすぐに奥の院へ続く参道が見えます。後は歩くのみ。日本人も含めてですが、歴史を感じさせる墓石と巨大な杉の木は、誰もが厳かな気持ちになります。この参道をしばらく歩くと御廟の入口が見え、小さな橋を渡ると御廟エリア。こちらで今でも空海さんはお元気に生活されていて毎日お食事もいただいています(お坊さんたちが一定のお時間になるとカゴに入れてデリします)。ですので、この中での写真撮影や不謹慎な行為は禁止。日本語や英語で厳しくダメですよ!の看板がたくさんありますので、みんなルールを守って参拝していました。中の様子ですが、日本のたくさんお寺の中でも格別な祈りの場となっています。

帰りは御廟から歩いて奥の院前のバス停へ。道路等は整備されていますが特に何かがあるわけでもなく、高野山全体にも京都や上野・浅草のような旅行客による大混雑はありせん。そんなで食べるところもはちようさんいれても数件のみ。これが秋の観光シーズンの状況ですので、早めの紅葉が終わり冬が訪れるともっと静けさに満ちた場になると思います。

【写真1】はちよう 奥の院へ続くバス停前にあるお店。お味はどこまでも普通です。

hachiyo.business.site

②壇上伽藍と金剛峯寺

奥の院からバスで金剛峯寺へ行くのもそれほど時間を要しません。金剛峯寺周辺のインフラも良く整備されていて、大型バスがとまれる駐車場があったりして高野山の中では一番賑やか。筆者あたりは、高野山には南海電車でくるもんだというイメージがありますが、高齢の人にはバスで運んでもらえるのがラクチンなのかもしれません。

ファミマ高野山 壇上伽藍の入口、バス停金堂前駅降りてすぐにあります。観光客が歩くエリアにあるコンビニは多分ここだけかもしれません。高野山では競合相手なし。そんなで、和食中心でしかも開いている食べ物屋さん自体少ない場所なので、特に欧米系の外国人にはありがたい存在。そのためか、for here する人たちのため、店先の駐車場をクローズして屋外にあるイートイン?コーナーを設置していて大賑わい。筆者もここでカフェラテで休憩。駐車場を開放してイス机をおいています。欧米系の外国人旅行者はサンドイッチや総菜をチンしてお箸を使って食べていました。筆者も欧米をほっつき歩いていた時は短パンでT-Shirt姿でうろうろしていましたが同じ感じ。ここもクレジットカード1枚があれば店員とのコミュニケーション不要で買い物できるので利用しやすいんだと思います。外にスペースを作らざるを得なかったのは、ファミマ側としても、これがないと食べる人が違うところに持って出ることが迷惑につながらないか考えられたからだと思います。そういいつつ、あわただしい時間帯はお昼のみ。高野山って夜になったら人影はまばら、地元の人は自宅に帰り、旅行者は宿坊で精進料理を食べてほっこりしているのが良くあるすがた。そんなでファミマさんはお昼以外はそれほど儲からないかもしれません。ここでは早めにメリハリつけて閉店した方がいいかも…。

そんな高野山の夜はどうなるかというと宿坊での滞在が今でも主流。場所的に新たにホテルや旅館はできそうにありません。宿坊は一度泊まりましたが、精進料理のよるごはん、朝はおつとめ(任意)してからあさごはんが主流。いわゆるお坊さんがお料理をだしてくれたりするのでちょっと違う雰囲気になります。最近では英語OKのお寺も増えましので外国人の方にも良い体験になると思います。

そんなで、昔からある喫茶店や食堂はあまり元気がなくてオープンしてるのかもわからないお店も結構あります。そんな中でも新しい息吹はあって天風テラスさんのような、欧米を中心とした旅行者をターゲットした新しいお店も少しはできてはいました。

天風てらす オープン前に行ったので利用できませんでしたが、良い雰囲気のお店でした。洋風のランチとかスイーツを食べたい時はおぼえておく方が良いお店です。

www.ichinohashi.co.jp

ここからが壇上伽藍と金剛峯寺。まず、ファミマを出ると中門がまず見え、その奥に金堂が見えてきます。山間という物理的な理由も含め、法隆寺とかのような対称な伽藍配置は行われていないようですが、西に西塔、東に東塔がたっていたりします。比較する話でもありませんが今現在の京都の寺社より旅行者が少ないのでゆっくり時間をかけてみて回れます。

【写真2】御社 空海さんがここにお寺を作る際、それまでこの地にあった世俗の信仰も大切にして共存するため建てた神社。日本史の教科書に出てきた神仏習合的なポリシーのようです。

【写真3】金堂 中門から入ってすぐ。大きな建物です。

【写真4】根本大塔 再建されて間もないので周囲とのコントラストが違ってきます。周りと馴染むまで100年くらいかかりそうです。

【写真5】東塔 阪神間では秋は始まったばかりでも高野山では木々の葉が少し色づいてきていました。

【写真6】金剛峰寺のお庭 蟠龍庭(ばんりゅうてい)誰かが歩いた跡が少し…

まとめ ー和歌山・奈良も魅力がたくさんー

神戸からだと、特急高野号を使っても3時間。少々時間を要しますが、欧米系の外国人の学生や研究者の方に日本の歴史・文化を知ってもらうことができる良い場所だと思います。山方面の和歌山は十津川も魅力的ですが車がないときついですがチャンスがあればどうぞ。奈良に関しては、奈良市東大寺奈良公園春日大社のあたりと法隆寺が定番となりますが、もう少し南へ行って明日香村やさらにその奥の吉野もとても楽しい場所です。吉野はどうしても桜のイメージになりますが一年をとうして楽しめます。