FOU’s blog

日本の大学 今 未来

【短編】高野山に行った話をなんとか強引に大学の国際化と関連づけて考えてみる

ほんの少し前、知人と高野山に行ってきました。このブログは、一応大学関係のことを中心に書くことを生業の基本としていますので、その視点を国際ネタを中心に強引に加味しました。なおローカルネタが多いので関西圏外の方は雰囲気でお楽しみください。

高野山への道 ー南海電車に乗ってみるー

公共交通機関で行くのなら南海電車になります。筆者は神戸からですから、まず阪神電車に乗り尼崎駅、そこから阪神なんば線経由で近鉄難波駅へ。なお、難波でおりずにそのまま乗っていると近鉄奈良駅まで連れていってくれます。

阪神電車の路線の途中には、甲子園駅阪神タイガース)とドーム前駅(オリックスバファローズ)がありユニフォームを着た人たちでにぎわいます。

近鉄難波駅から南海電車難波駅までは歩いて5分くらい。この途中の道が大変。関西空港からやってくる旅行者たちがメトロ、近鉄阪神はあまり関係なし)に乗り換えるので大混乱。南海難波駅周辺の(いわゆる)ツーリストインフォメーションも長蛇の列になっています。

南海電車は、海沿いを走り関西空港に接続する南海本線高野山へ行く高野線の2路線があります。基本的には、大阪南部から和歌山を結ぶ電車。

そんな普通で目立たない南海電車さんですが国際化の波が。2016年頃、難波発関西空港行の急行電車(関空急行)の車掌さんが、車内アナウンスで(ついうっかり)普通の空港を使わない利用者さんに対して『車内では外国人の利用者が多くご不便をおかけしています…』的なことを言ってしまいさあ大変、人権や差別を気にする人たちから怒られたことがありました(関西では有名な話)。今でもそうですが関空の空港利用者の車内マナーの悪さはひどいもんで(注:こんなネタを書くときも筆者は絶対外国人がひどい・わるいとは書きません、これがコツ)、巨大なスーツケースを通路に邪魔におくわ、シートは無駄に広く独占して電話までするわで大変な状況です。車掌さんに良くないところがあるとすれば、外国人と主体を特定してこの連中が普通のお客さんに迷惑をかけていると詫びてしまったこと。言い方的には、外国人と特定せず、『大きなスーツケースのようなお荷物をお持ちのお客様は周囲のお客様へのお配慮をお願いいたします』的なものであればそれほどもめなくて良かったんだと思います。国際化について多く情報発信している大学ですから、外国や外国人に関しての表現で大学の意図に反した非難に受けないよう言葉遣いには細心の注意が必要です。

話をもどして、難波駅から座席予約をしていた特急高野号(8時42分発)で出発。普通に行く在来線と比べ30分くらい時間が節約できます。座席の予約はweb上で簡単にでき乗車する2日前に予約したときは画面上半分くらい空きがありましたが当日は満席。見てわかる外国人旅行者も結構いました。乗り方のコツ、座席の予約は必ず進行方向右側を押さえること。この電車は山間に入ると左側は山、右側は谷になっていてキレイな景色を眺めることができます。

南海高野線は、橋本駅くらいまでは普通の通勤通学客がいますが、その先は単線区間になりカーブと標高差のある山の中へ。ホイールベースの短い車両を使っていますが、それでも走るとキィキィと車輪の泣くのが聞こえてきます。この山間には真田幸村幽閉の地であった九度山駅や名前がそれらしいので受験生に人気のある学文路(かむろ)駅があったりして眺めているだけで楽しめます。そして電車の終着駅極楽橋駅に到着。ここから改めてケーブルカーに乗り換え最終目的地の高野山駅まで運んでくれます。このエリア、標高が800メートルありますのでかなりひんやり、秋口とかは着ていくものに注意が必要です。

高野山を歩いてみる

高野山極楽橋)駅の駅前には南海りんかんバスさんの乗り場があって観光客の行きたいところにはどこでも行けるようになっています。前回は一日券を買いましたがICカードが使えるのでそちらに変更。外国人旅行者も旅慣れたものでMobile Suicaの利用者がたくさんですが全然トラブルなし。この方が運転手さんも会話の手間が省けて助かると思います。外国人の人たちでも旅行本読んで自分の力でここまでやってこれるレベルの人たちなのでしっかりしています。最近京都などの観光地では、Overtourism の話題が出てきますが、高野山に関しては地域と旅行者との均衡と調和がとれているように感じます。

奥の院

高野山に来たら必ず訪れないといけないところ。筆者のおススメコースは、バスで奥の院口駅から参道に入り、いろいろみて奥の院前から違うところへ行くというパターン。その奥の院口バス停からはすぐに奥の院へ続く参道が見えます。後は歩くのみ。日本人も含めてですが、歴史を感じさせる墓石と巨大な杉の木は、誰もが厳かな気持ちになります。この参道をしばらく歩くと御廟の入口が見え、小さな橋を渡ると御廟エリア。こちらで今でも空海さんはお元気に生活されていて毎日お食事もいただいています(お坊さんたちが一定のお時間になるとカゴに入れてデリします)。ですので、この中での写真撮影や不謹慎な行為は禁止。日本語や英語で厳しくダメですよ!の看板がたくさんありますので、みんなルールを守って参拝していました。中の様子ですが、日本のたくさんお寺の中でも格別な祈りの場となっています。

帰りは御廟から歩いて奥の院前のバス停へ。道路等は整備されていますが特に何かがあるわけでもなく、高野山全体にも京都や上野・浅草のような旅行客による大混雑はありせん。そんなで食べるところもはちようさんいれても数件のみ。これが秋の観光シーズンの状況ですので、早めの紅葉が終わり冬が訪れるともっと静けさに満ちた場になると思います。

【写真1】はちよう 奥の院へ続くバス停前にあるお店。お味はどこまでも普通です。

hachiyo.business.site

②壇上伽藍と金剛峯寺

奥の院からバスで金剛峯寺へ行くのもそれほど時間を要しません。金剛峯寺周辺のインフラも良く整備されていて、大型バスがとまれる駐車場があったりして高野山の中では一番賑やか。筆者あたりは、高野山には南海電車でくるもんだというイメージがありますが、高齢の人にはバスで運んでもらえるのがラクチンなのかもしれません。

ファミマ高野山 壇上伽藍の入口、バス停金堂前駅降りてすぐにあります。観光客が歩くエリアにあるコンビニは多分ここだけかもしれません。高野山では競合相手なし。そんなで、和食中心でしかも開いている食べ物屋さん自体少ない場所なので、特に欧米系の外国人にはありがたい存在。そのためか、for here する人たちのため、店先の駐車場をクローズして屋外にあるイートイン?コーナーを設置していて大賑わい。筆者もここでカフェラテで休憩。駐車場を開放してイス机をおいています。欧米系の外国人旅行者はサンドイッチや総菜をチンしてお箸を使って食べていました。筆者も欧米をほっつき歩いていた時は短パンでT-Shirt姿でうろうろしていましたが同じ感じ。ここもクレジットカード1枚があれば店員とのコミュニケーション不要で買い物できるので利用しやすいんだと思います。外にスペースを作らざるを得なかったのは、ファミマ側としても、これがないと食べる人が違うところに持って出ることが迷惑につながらないか考えられたからだと思います。そういいつつ、あわただしい時間帯はお昼のみ。高野山って夜になったら人影はまばら、地元の人は自宅に帰り、旅行者は宿坊で精進料理を食べてほっこりしているのが良くあるすがた。そんなでファミマさんはお昼以外はそれほど儲からないかもしれません。ここでは早めにメリハリつけて閉店した方がいいかも…。

そんな高野山の夜はどうなるかというと宿坊での滞在が今でも主流。場所的に新たにホテルや旅館はできそうにありません。宿坊は一度泊まりましたが、精進料理のよるごはん、朝はおつとめ(任意)してからあさごはんが主流。いわゆるお坊さんがお料理をだしてくれたりするのでちょっと違う雰囲気になります。最近では英語OKのお寺も増えましので外国人の方にも良い体験になると思います。

そんなで、昔からある喫茶店や食堂はあまり元気がなくてオープンしてるのかもわからないお店も結構あります。そんな中でも新しい息吹はあって天風テラスさんのような、欧米を中心とした旅行者をターゲットした新しいお店も少しはできてはいました。

天風てらす オープン前に行ったので利用できませんでしたが、良い雰囲気のお店でした。洋風のランチとかスイーツを食べたい時はおぼえておく方が良いお店です。

www.ichinohashi.co.jp

ここからが壇上伽藍と金剛峯寺。まず、ファミマを出ると中門がまず見え、その奥に金堂が見えてきます。山間という物理的な理由も含め、法隆寺とかのような対称な伽藍配置は行われていないようですが、西に西塔、東に東塔がたっていたりします。比較する話でもありませんが今現在の京都の寺社より旅行者が少ないのでゆっくり時間をかけてみて回れます。

【写真2】御社 空海さんがここにお寺を作る際、それまでこの地にあった世俗の信仰も大切にして共存するため建てた神社。日本史の教科書に出てきた神仏習合的なポリシーのようです。

【写真3】金堂 中門から入ってすぐ。大きな建物です。

【写真4】根本大塔 再建されて間もないので周囲とのコントラストが違ってきます。周りと馴染むまで100年くらいかかりそうです。

【写真5】東塔 阪神間では秋は始まったばかりでも高野山では木々の葉が少し色づいてきていました。

【写真6】金剛峰寺のお庭 蟠龍庭(ばんりゅうてい)誰かが歩いた跡が少し…

まとめ ー和歌山・奈良も魅力がたくさんー

神戸からだと、特急高野号を使っても3時間。少々時間を要しますが、欧米系の外国人の学生や研究者の方に日本の歴史・文化を知ってもらうことができる良い場所だと思います。山方面の和歌山は十津川も魅力的ですが車がないときついですがチャンスがあればどうぞ。奈良に関しては、奈良市東大寺奈良公園春日大社のあたりと法隆寺が定番となりますが、もう少し南へ行って明日香村やさらにその奥の吉野もとても楽しい場所です。吉野はどうしても桜のイメージになりますが一年をとうして楽しめます。