FOU’s blog

日本の大学 今 未来

お知らせ これからGoogle AdSense を使います

本ブログをお読みの(奇特な)皆様

HatenaさんのキャンペーンもありGoogle AdSenseへの応募をしたところ、一発で承認をいただきました。筆者的には、Google AdSense という外部からの目でチェックいただき、偏った政治的、宗教的、社会的・アダルト系の指向がないこと、特定商品などへの誘因を行なっていないこと、等々の要素のないブログとしてお認めいただいたものと理解しています。ですが、お読みの方には、画面上でクリックする回数が増えたり読みにくくなるかもしれませんがそのあたりご容赦ください。

で、おまえ儲けてんだろっ!と、お考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のPV状態では年間収入で4ケタへたどり着くのがせいぜいの状態ですのでご安心?ください。また、内容のとおり、これからも(PVにこだわらない)多く方がお読みにならない大学関係の事項も書き続ける予定ですのでご関心のある方は時々の訪問していただければうれしいです。

オープンキャンパスの楽しみ方を大学職員なりに考えてみる(行ったとき役立つ?質問例つき)

高校生や受験生のうちにオープンキャンパスに行ってリアルな大学を知ることはとても大切です。新コロの影響でzoomによる遠隔参加であったり、絞り込んだ予約制で人数が限られていたりとまだまだ通常の状態ではありませんが、出来ることなら是非ご参加を。

日本型オープンキャンパスの始まり

まず1990年代初めのころの話をすると、第二次ベビーブームのおかげで、大学は殿様商売の時代。何もしなくても受験生は来てくれるし、特に私大は、一時的に学生の収用定員なんかも増やすことが出来てウハウハの状態でした。なので、入試広報なんかも低調。特に夏休み期間なんて教職員みんなほぼ出勤なしでお休みの大学(阪神間にあった女子大)なんかも普通にあったりしました。それがミレニアムを迎えるころになるとその様相が大きく変わってきます。特に18歳人口の急激な減少の影響が目に見える形であらわれてきたため、特にキリギリスさん(イソップ童話)をしていた私大さんは、女子大の共学化など切羽詰まった様々な大学改革を行ない、限られたパイ(受験生)を奪い合うようになりました。その取組みの一つとして、まず私大から先にオープンキャンパスの実施が始まります。やってることの基本はみんな同じ、これから大学で学びたい受験生に大学に来てもらい(自慢の)施設を見てもらったり大学の先生とお話できたり等々のPRを行なって入学者の増加を狙うもの。

オープンキャンパスってどんな感じ?

多くの国公立大は、だいたい高校生の夏休み時期の平日にやります。なんで土日にやらないかというと(深い理由は全くなく)土曜・日曜日にすると出勤した職員の休日振替え等々邪魔くさいことをしないといけないから。また、先生たちも何度もやるのを嫌がります。筆者のイメージでは、一番最初のころは、あんまりやるきはなかったんだけど、私大がやっているし、文科省も大学の情報公開の一環だ云々でやれ等々、と言われて(仕方なく)開始したように感じます。ですので、あんまり盛り上がりませんし、やる回数も一年に一回程度が基本。

私大の場合、毎週のようにオープンキャンパスをやって(なんだかよくわからないけど)参加者には受験料のお値引きのようなインセンティブまでついてきたりして、その必死さが逆に大学の経営状況を心配してしまいます。

筆者の経験では、コロナ前の状況では、オープンキャンパスにくる層は、多くが高校3年生かと思いきや2年生1年生も結構な数。また、ご家族・保護者同伴もかなりの割合。いつも大学にいる者からすると、ぜんぜんドキドキする場所ではないですが、やはり高校生や家族・保護者にとっては高等教育機関という凄いところと感じるのかもしれません。

で、当日の流れですが、もちろん大学によってもそれぞれ、まずは受付へ→当日のスケジュール等を受け取る(夏ならペット水なんかももらえます)。このようなお仕事は、おそろいのTシャツを着(せられ)たバイト学生が中心。体育会・文化会なんかの学生も動員させられて応援団・チアリーディングの出し物もあるかもしれません。

渡されたスケジュール表には、大学案内の全体説明だとか、入試に関する説明会だとか、ココで〇〇研の公開実験をやってますとか、(私大なら)大手予備校の講師を呼んでの試験問題攻略説明会やりますとか、何でも聞ける個別相談会もやりますよ、などなどの出し物が書かれているのが普通。その案内を見ながら行くところを決めて歩き出します。

そんな催しの中でも、キャンパスツアーというものが目玉の一つ。大きな大学図書館、キレイな大講堂、私大なら体育館や競技用グラウンドあたりも見せてくれるかもしれません。また、工学部があればロボットが動く姿や風洞とかの大きな実験施設を見せてくれるかも。また、学内の(いくつかある中で一番キレイで値段の高い方の)食堂でおいしいものが食べれる状況や、コンビニがあってたくさんいろいろなものが買える光景は、大学にあこがれを(意味不明に)抱かせてくれます。

せっかくの機会だからいろいろ聞いてみる

こんな感じで大学の雰囲気を感じてそのまま帰るのも良いのですが、多くの大学ではなんでも相談コーナー的なものをやってくれていますので、入試関係以外にも大学のことをいろいろを質問できる良い機会だと思います。以下は、筆者なりに聞いてみると良いと感じる事項。ただし、当時入試課で働いていた知人から、そんな質問する受験生見たことありませんっ!と言われましたが(筆者的には)全然聞いて悪いことではありません。というか積極的に聞いてみるべき。もちろん受験生自身が思う入試傾向やキャンパスライフのことを聞くのも大切ですが、以下のような内容はこれから4年間学ぶ大学情報の基本となりますので遠慮せずどんどん聞いてみましょう。

オープンキャンパスへ行く前に予習をする

まず、行く前にあらかじめのお勉強。それぞれの大学にはHPがありますので、基本情報の確認。各学部にどんな専攻・学科・コース等々があって何を学べるか等を事前に知っておくことは重要。ともかく大学というところは、大半の情報をHPにあげていますので気になる大学は常日頃からのチェックしていればだいたいのことがわかってきます。

筆者的には、その中の認証評価のチェックも重要だと思っています。私大さんの大半は、大学基準協会さんというところで実施・評価をしています。今の日本の大学では、何年かに一度、このような認証評価機関に大学の状況を審査をしてもらい、大学としてちゃんと機能しているかを評価してもらいます。審査結果がOKだったら適合マークをもらえる感じ。その審査結果は、大学のHPなどで公開しないといけないのですが、その結果について、筆者のような大学職員的というか業界筋的な目線でみるとボコボコにダメ出しされている大学もよく見かけます。これの見方については、他のところでも書いていますが、一大学だけみても様子がよくわからないので、複数大学を眺めて審査結果がどうなっているか見比べるのが良いと思います。

www.juaa.or.jp

①学生定員の充足率の確認『〇〇学部の定員充足率はどんな感じですか?』

大学の各学部は、それぞれ収容できる学生数が定められています。例えば各学年の収容定員が200名という〇〇学部があったとして、なぜか実学生数が170名しかいない場合、定員割れがおこっているということ。基本的にこのような大学を受験することは避けることが望ましいと思います。今、人気のない私立大学さんは入学者が定員に届かず大変なことになっているところもあります。このことについては、すべての大学が学校基本調査(毎年5月1日現在の大学の統計資料)を文科省に提出しており(ちゃんとした大学なら)基本データでもありますので即座に回答してくれます。

②退学者(留年者)数の確認『〇〇学部では1年間に何人くらい退学者が出ますか?次の学年に進めない留年生は何人くらいいますか?』

例えば、学部に200人の入学者があったとして、来年の4月にはその学生が何人残っているかの質問。もちろん進路変更であったり経済的事情であったりで退学する学生は出てくるものですが、例えば、残っている学生が170/200名などになっていれば異常な数値。大学の何かに問題があるから退学の道を選んだのではないかと推察されます。同様に私大の薬学部などで良くあるケースですが、(薬剤師国試受験のための)学力が伴わない(と大学が考えた)学生を大量に留年措置にして次の学年に上げないようすることもあります。この意味は、薬学部の場合、1度留年したら在学年限が7年になるということ。こちらも留年者の数が異常に多い場合、その理由は何なのか検証してみる必要があると思います。ただし、外部関係者に数値として退学率を公開していない可能性はありますのが、そんな時、その担当者はどんな説明(どんな顔して言い訳)をするのかも注目です。

③教員の年齢構成等の確認『〇〇学部の常勤教員の性別と年齢構成はどんな感じですか?』

もともと私大は、国立大学より教員の定年年齢を高めに設定していますが、それでも、非常に多くの教員が50歳台後半以上、場合によったら60台後半から70歳越えの先生がうようよいる大学があれば問題。文科省もバランスのとれた年齢構成の教員組織を作ることを求めています。同様にあまりにも女性教員の比率が低いのも昭和の大学をイメージしてしまいます。特に表向き大学HPトップにはSDGsとかダイバーシティ&インクルージョンの取り組みをあげている割に、自分のところでは全然できていない大学があるので注意が必要。大学側は、このような事項を大学要覧的な名前の冊子に取りまとめているはずですのでそんなに時間をかけず説明できるはずです。

④外部資金獲得の確認『この大学の科研費を中心とした外部資金の獲得状況はどんな感じですか?』

特に理工系の大学では聞いてみる価値があります。外部資金とは科学研究費補助金科研費を中心とした競争的資金の獲得状況こと。大学側が交付機関(学振とか)に申請して価値のある研究だとお金がもらえる仕組み。比較的獲得しやすいポピュラーなものとして基盤研究(B)(C)などがあります。このことへの筆者のこだわりは、科研費の状況が分かれば、大学や教員が教育だけでなく外部資金への意欲があることを知ることができるということ。採択された研究については、大学以外の公平な目でみて良い研究だと評価がなされているので素直に大学・教員ががんばっている証(あかし)。極端に言えば大学や先生は出しても出さなくても良いもの、ですので、大学の教育以外の研究の面でのやるき・がんばりを知ることができます。ただし、文学部や経済学部のような人文・社会科学系の研究分野には外部資金の提供が少ないのも事実で、そのあたりは大目に優しくみてあげてください。

⑤ハラスメント対策『教員や学生同士でおこるハラスメント対策はしっかりやっていますか?』

これも大事なお話。対教員、学生同士等々、授業中、クラブ活動など様々な場で起こりうるハラスメント行為について、大学はどのように向き合っているのか、説明をしないといけません。どこの大学でもガイドラインは作っているはずですので、それがちゃんと機能していて、実際、不幸にも、なにかがおこった時、大学はしっかり対応します、のような確約くらい説明をして欲しいものです。高校生くらいの人には想像がつきにくいかもしれませんが、教員からの授業や成績を通じての差別的発言や暴言、学生を交えた集団での無視、飲み会への参加の強要、『こんなのオンナには無理』のような性に基づく差別等々様々の行為が想定されます。LGBTqへの対応を含め、大学の取り組みについて確認することは大切です。

⑥少人数制『語学の授業の一クラスの学生数は何人くらいですか?』

最近、私大のHPを眺めていても少人数制という言葉すら死語になって見かけない印象。ハコモノはキレイでも大部屋での一方通行の授業ばかり。仮に少人数制と謳(うた)っているなら、それは何人を指すのか教えてもらいたいものです、特に語学の授業くらいはマトモにしてもらいたい、ということで、英語やそれ以外の言語の授業を(ホントは20人と言いたいところですが)30人を超えてクラス編成をしているようなら(語学教育として)完全に失格で授業をうける価値はありません。この内容も大学で教務系といわれるのお仕事をしている職員ならすぐに答えられます。

⑦比較も重要『この大学と◆◆大学◇◇学部との違いや強みはなんですか?』

大学受験をする際、他の大学と比べて、どっちを選ぼうかと考えるのは当然の流れ。特段不自然な話ではありませんので率直に聞いてみて良いと思います。反対に言えばこんな時、大学はどのように説明できるかあらかじめ用意をする必要があります。例えば、本学は就職先として公務員試験や金融系のような分野は強くてどこにも負けない、とか、本学は大学院進学率が高い等々いくらでも引き出しを持った説明は出来るはず。それができないのは大学側のオープンキャンパスへの準備不足といえます。

⑧たくさんのオープンキャンパスに参加していろいろ感じる方がよい

今の自分の学力が低い人もいろんな大学のオープンキャンパスに行ってみることを勧めます。特に日本国内で良い教育を行っている大学の状況をみると受験勉強のモチベーションもあがると思います。筆者個人的な嗜好も含めてですが、推奨する大学は、

首都圏:理工系なら東工大、私大なら慶応大・人文系なら慶応大上智あたり

関西圏:理工系・人文系どちらも、京大阪大神大あたり

以上のような大学のオープンキャンパスは行ってみて損はありません。自分が本当に受験を考える大学との様々な相違を感じて、改めて自分の受けてみたい大学を考えることができるとても良い機会だと思います。

まとめ

いろいろ書いてきましたが、大学受験をするうえで、オープンキャンパスへ参加することはとても重要だと思います。受験勉強に明け暮れている人は、息抜きもかねてたくさんの大学を訪れてみてください。

6/27追記 海外の事例

毎度ですが、McGill Univ. @Quebec, Canada さんの事例を見つけたのでご参考になりましたら。※英語がわかりにくい人はEnglish→日本語に言語変換してみてください。またリンク切れになったらごめんなさい。

www.mcgill.ca

www.youvisit.com

 

 

 

 

 

留学生選抜試験でのカンニング(不正行為)についても多方面に考えてみる

共通テストの際もコメントしましたのでこちらでも引き続き考えていることを。

共通テストの時より悪質・巧妙化?

今回発覚したのは、一橋大学さん。大学HPにも第一報等状況が書かれています。共通テストの時、受験生は、多分、袖の隙間あたりからスマホでビデオ撮影し、外部協力者へ送信。外部協力者その1は、画像編集して鮮明化、外部協力者その2へ解答依頼し、それをSNS等で送り返してもらっていましたが、一橋大学さんの場合は、同様に撮影したデータを、外部協力者その1へ送信。外部協力者その2へ解答依頼し、その結果を(文字ではなく)音声にして耳元のイヤホンへ伝えるもの。すべての試験で不正行為は成功?したようです。この行為には、共通テストの時より、さらに悪質化していると感じます。そのため、大学院生を含め、多くの関係者が逮捕されています。

※筆者は、国籍云々やその国の文化も含めて書きたいところですが、特定国を名指ししレッテル貼りするのが良くない時代になってきましたので、不正行為を中心にして書きます。

試験監督側にも改善点

この私費留学生選抜試験の試験監督も、(筆者の認識では)大学教員が主体となっています。もちろん試験の前には(多分)一定の試験監督のやり方についての説明会があって段取り等々は教えてもらいます。ただ、この時の説明会の中で、不正行為者への対応について(これも筆者の認識では)時間を割いていないことが多いと思います。

これは、一橋大学さんが悪いということでなく、現在の(特に筆者の知っている国立大学の場合)大学入試を行う際の試験監督業務の方向性として、円滑な試験実施に重点がおかれ、不正行為者に対する対処は原則論のみ、実際何かおこった時の対応については、細かなマニュアル化はされずすぼんやりとしています。こんな状態で、年に一回しか割り当てられない普通のどこにでもいる大学の先生が、その試験会場で不正行為(もしくは類似行為)にでくわして、とっさに正確で毅然とした判断と対応が出来るかどうかは、とてもロシアンルーレット的で、運悪くそこにでくわした先生の資質に依存してしまうところがあります。その対応として、大学側としては、試験監督が委縮しないよう、もっと分厚めの対処方法マニュアルを作って事前レクでも時間を増やし説明し、何かあった際の後始末は、大学側が責任を取るのでビシビシやってくれ的なサポートも必要だと思います。

日本社会の縮図

今の日本を感じてしまう出来事。『試験監督の席が近くで緊張した』だの『試験監督の靴音がうるさくて試験に集中できなかった』だの『試験監督が居眠りしていた(真偽不明』等々受験者側からの訴えばかりが目につきます。どちらかと言えば今の日本では、受験生がちゃんと受験できるように大学は対応しろ、というのが社会の趨勢。筆者の知っている話では家族が『(受験生の)体調が良くないので別室でやってもらえないか?』のような過剰要求も。この意味は、ツメツメで圧迫感のある受験室より落ち着いて?試験に打ち込める?というのがホントの理由。そんな背景の中、不正行為防止の厳格化が社会で容認されるかもポイントになるかもしれません。

1999年、筆者が海外にいたころ、McGill Univ. で行なう定期試験の実施状況を直接見学(というかズケズケ気味)させてもらいました。この大学の場合、試験監督は、先生ではなく学生。でも、日本でいうバイトという感じではなくジョブトレーニングの一環のイメージで働いている雰囲気。同じ年代の学生に対して超毅然とした態度で対応、私語は許さず命令口調、絶えず巡回して、机上の筆箱を勝手に開けたりや時計のような小物をチェックしていました。幾つかの部屋を見ましたがみんなこんな感じ。日本人的なイメージではここまでしなくても、という感じでしたが、大学側も基本的に許容している様子。これは個別の国の個別の大学の事例ですが、日本でもやるきがあれば現行のやり方でも厳しい試験監督は可能とも言えます。

寒い時の試験なので

日本の四月入学のための入試の多くは、1月の共通テストから始まり大体二月中がメイン。どうしても寒い時期に行なわれます。そうすると寒いからという理由で(筆者の経験上)コートやジャケットを着たまま試験を受けている受験生も結構いますし、(健康管理の面から)大学も許容しています。この分厚くてモコモコした服装がその中に何かを隠す温床になることも。筆者個人的には、受験時には、部屋の温度を調整し、肘から先は薄てのシャツ以外の着用を認めないことも重要なポイント。

まとまらないまとめ

東大での共通テストにおける不正行為をうけ、大学入試センターさんも、2023年度共通テストから、スマホ等の電子機器の使用禁止の厳格化を決めました。筆者個人的には、これでかなりの抑止にはなると思います。大学側はこのガイドラインに基づき前期・後期日程などの次の試験においても同様の取り組みをすれば良いと思います。ただ、悪意のある人たちは、複数台のスマホを隠してもっていたり、超小型のイヤホンやメガネの中に仕込んだカメラ等々スマホスタイルではない電子機器を用いる等々さらに悪質で巧妙化する可能性は大いにあります。似たような事例は(残念ながら)今後もおこる可能性が高いので事例研究しつつ改善していくしかない状況だと感じます。

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滋賀県にある大学 大学に『三方よし』はあるのか考えてみる

筆者の思いとしては、このシリーズは関西圏の大学の状況を知りたい様々な方に良いことだと思っていろいろ書いてきました。これで一応全部書き終えたのでこの滋賀県編で終わるようにします。ただ、気になる地域があれば今後も書いてみるようにします。なお、自分で書いてみて交通整理してみて感じたことは、それぞれの地域によって高等教育のあり方について考えるべきポイントがたくさん。特に少子高齢化社会の中、地方での高等教育のあり方についてはいろいろ考えさせられます。

滋賀県の地理を再確認してみる

滋賀県は真ん中に大きな湖がありますので、大きく湖東・湖西に分ける必要があります。基本的に湖東の方が賑やか。京都方面から東海道線琵琶湖線のという呼び名に変えて走っていて、北陸方面や名古屋方面へ向かいます。同じく東海道新幹線の通り道でもあり、滋賀県にある米原駅から岐阜県にある岐阜羽島駅の間の関ケ原あたりは冬になると雪で徐行運転をよくするところ。新幹線に乗っているときのイメージとしては滋賀県湖東の平野部あたりは、いろんな会社の大きな工場の姿が車窓からみられます。ここで取り上げる滋賀大学さん滋賀県立大学さんはどちらも湖東の彦根に主要なキャンパスがあります。また、国立の滋賀医科大学さんは京都に近い大津に学部・病院が設置されています。

湖の対岸・西側の湖西地域は、湖岸からすぐのところに山がある地形が続き、その山の中の代表格として京都に近いところには比叡山延暦寺)があります。また、冬になると湖西は雪がたくさん降るので琵琶湖バレイ等々のスキー場がある感じ、どちらかというと自然豊かな田園風景が中心な場所。また、湖東同様、京都からJR湖西線が湖沿いに走っていて、湖北の近江塩津駅で湖東方面からやってくる北陸線と合流します。

滋賀の大学を探してみる

和歌山と同様、web の mapでググってみると上記3校が中心となる大学。探してみると、京都にはたくさん大学があるのですが、滋賀はかなり少ない状況。また、特色として、京都に近い県庁所在地の大津市には、滋賀医大の施設と滋賀大学教育学部のキャンパスがあるくらいで大学の数的には、ちょっと寂しい印象。滋賀で大学がある場所はは、米原の近くの彦根市が中心。最近ではひこにゃんで有名になっていますが、そのあたりは、江戸時代からの彦根藩主井伊家のまちづくりが影響しているのかもしれません。

滋賀大さんの㏋には、わかりやすい交通案内がのせられていて、それによると、彦根まで神戸から100分、大阪から80分、京都からでも50分時間を要します。これはこのルートを一番速く走るJRの新快速でのもの。反対に北方面からなら福井県敦賀から60分、東方面では岐阜県の大垣あたりからなら50分で到着可能。ですので、神戸や大阪からの電車通学はかなり絶望的。どちらかと言うと、福井県岐阜県の一部エリアからなら、なんとか電車通学の希望が持てそうです。ただし、福井県方面については、さらに北に行けば日本海側国立大学の雄金沢大学のテリトリーになり、岐阜を越えて東へ行っても名古屋大学が控えていますので、質の高い学生を集めるには大きな努力が必要と感じます。また、滋賀在住の受験生にとっても、そう遠くない京都に行けばたくさんの大学があるわけで、この彦根の地にある大学を選ぶための魅力作りが必要になります。なお、湖西に住んでいる人たちは、一度(京都がすぐそこの)大津経由で乗り換えて改めて彦根に行く必要が生じます。なんとなく気持ち的には京都の方が近くてたくさん大学があるのになんで彦根という自問自答がおこるかもしれません。

この彦根の地は、戦国時代には多くの地域へとつながる交通の要害でしたが、現在は、いろんなところへ行くための単なる通過ポイントになってしまい、福井からくるにしても、岐阜からくるにしても、この滋賀の地にとどまるならばで得られるなんらかの学びのモチベーションが必要になると感じます。

この二つの国公立大学をご紹介をしますと、滋賀大学さんは、地方国立大によくある師範大学からの系譜・発展系ですが、途中で高等商業学校と合体したため、教育学部に加え経済学部ができました。さらに経済学(部)のフィールドを発展させ、数理統計学金融工学データマイニング的な学びを専門的にできるようにデータサイエンス学部ができたのが特色といえます。ちょっぴりプチ一橋大学のイメージもありますが、筆者や知人の国立大職員の(世間話的な)イメージでは、歴史ある経済学が強い大学だというのは感じるが、ご近所には京大経済学部もあるので、経済学部としての立ち位置、住み分けが難しい、なんてお話をしたことが記憶に残っています。

一方、滋賀県立大学さんも、公立大のよくあるパターンで、県立の農業や産業、看護の短期大学を束ねて一つにしたもで現在に至っています。この二つの大学の学生数を足すと6000人を越えますのでそれなりの規模を有する大学といえます。

この二つの大学のメインキャンパスは、どちらも彦根市内で数キロしか離れていない距離にありますが、それぞれの教育研究内容が被っているようで被っていないので、それぞれで今までやってこれたんだと思います。ただ、将来的には経営基盤の強化のため一大学化しても良いように感じます。

英語名称はOK

阪大と大阪公立大の間で、Osaka Univeristy/University of Osaka 論争がありました。特に地方では、県の名前をもちいた国立大学と公立大学が併存することが多く、その英語名称の取り扱いについて(昔はお互いテキトーなところがあって)どっちがどっちだか判別不能で今もやっている大学が結構あります。(例えば高知では高知大さんKochi University高知県大さんUniversity of Kochi の英語表記は今でもこのまま)このことについて、滋賀大の場合は、Shiaga Univerity滋賀県大は、The University of Shiga PrefecturePrefectureを入れてくれているので明確に区別が可能です。

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まとめ 三方よしはありませんでしたがまあなんとか…

滋賀県編では、なんとなくお話が湿っぽくなってきましたが、一応、奈良、和歌山、そして滋賀の大学について、国公立大学を中心に考えてみました。あまりまとまらないまとめとしては、改めて、地方にある大学の在り方が、首都圏や京阪神地区にある大学とは異なることを確認できました。

このような状況をよくするため、文科省でも(日陰気味だった)地方国立大にきらっと光る拠点化をおこない、存在意義を高めていこうとしていることは注目です。例えば、このブログで紹介した徳島大学理工学部さんや、新規に材料エネルギー学部を作る島根大学さんなどそれぞれの地域において研究拠点化を試みで大学の底上げを進めています。高校生・受験生の人も、大学卒業後もそれぞれの地域で生活をする予定なら、都会にある名前(だけ)の知れた私大より地方国公立大学を選んでみる価値は十分あると思います。

結びとして、滋賀県については、現実として、確かに大学は少ないですが、隣接する電車通学圏内の京都には多くの大学があります。滋賀県の大学関係者の人はたいへんかもしれませんが地元の高校生の人はそれほど困ることはないと思います。とりあえず、三方よしはなくても三方両損(そん)ではないのが今の姿だと思います。

島根大学(材料エネルギー学部) リンク切れがおこるかもしれませんのでトップからお探しください。

www.shimane-u.ac.jp

徳島大学さん理工学部理工学科のご紹介

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文科省さんもいろいろ考えて地方国立の活性化を考えています

www.mext.go.jp

 

 

 

大阪公立大学が開学したばかりなのに附属病院長が不在でもめていることについて考えてみる

春先からずっともめていましたが、そのため、4月以降病院長は不在。そして今回病院を中心とした先生たち60人以上が理事長やめてくださいの署名を提出したので一気に盛り上がってきました。

その前に

最近、テレビを見ていると、ロシアによるウクライナ侵略の影響で、ヨーロッパで行われるNATOや各国首脳の会議の場面を見ることが多くなりました。その姿を見ていてすぐ気づくのは、首脳たちの若さ、軍事に関する諸問題であってもそこで議論する女性首脳の多さ、そしてその出席者は(喋ろうと思えば)みんな英語を通じて普通に話せる、などなど。これが今回のマクラ、さて日本の大学では……

もめている理由

まだ、昨年度1月、令和4年4月からの附属病院長を誰にしようか、という選考を病院内の会議で行って、大阪市大学長(当時)の荒川さん(市大医卒・1950年生まれ)を病院長にしてください、と決定、法人本部へ上申しました。そこにいらっしゃる法人理事長の西澤さん(市大医卒・1945年生まれ)が、一度学長になった人が病院長になるのは天下り的な人事なのでダメですよ、別の人にしてください、と再選考を病院側に求めました、が、再選考しても結果はやっぱり荒川さんに、それでも、もう一度、西澤さんは、荒川さんは何度言っても認めませんよ、とご回答。病院側は激オコになって、西澤さんの理事長としての資質・対応が加わり、一方に偏っていないか等々で不信任を提出、混とんとしてきました。

もう一度論点整理すると、荒川さんを推す人たちは、病院のちゃんとした選考委員会で適正手続きをして推薦をしているのに、なぜダメなのか?西澤さんの立場は、荒川さんは(もうトップに昇りつめた人だから)それより下位(病院長)のポジションを与えるのは、(西澤さんの考える)天下り人事の定義に入るので何回推薦されようが認めるわけにはいかない、ということだと思います。なお、(多分)当然・もちろん、これに加えオモテには見えない様々なドロドロが加味されているものと想像できます。また、病院の教員たちが、理事長不信任署名を出したことについて、旧府大や旧市大の医学部以外の人たちがどのような目でみているかもポイントになるかもしれません。なんとなく、今回の動きは、医学部・附属病院の既得権が、大学が統合されることにより、これからは様々なチェックが入ることへの警戒心があるようにも感じます。

筆者が感じる組織の閉鎖的傾向

で、筆者へ、お前はこのことど~考えてんだ?と聞かれるなら、正直情報量が少なくてよくわかりません、というのが今の答え。ただ、眺めていて感じるのは、今の勢いは、理事長に不信任を出した病院の先生たちの方に理があるようにも見えます。でも、病院側が担ぎ出した荒川さんについて、ホントに余人をもって替えがたい人であるのかは未知数。(学部入学定員という制約付きで)国公立大学第三位の規模になったことをPRの材料にしている公立大学ですので、これまで以上に組織の公開性・健全性(会社でいうCSR)が期待される中、病院側が二度にわたって担ぎ出した荒川さんが、70歳越えと言うのも?ですし、もっと優れた業績をもった人はいないのか?と、ガッカリの気持ちにもなります。同様に、荒川さんを断る西澤理事長さんが、さらに75歳越えの方というのもなんだかなあ、と感じてしまいます。合わせて、大学病院の院長だからといって、自分の大学の人から選ぶ必要もありません。仮に病院の先生たちにそんなお気持ちがあるのなら大いなるマチガイです。

大学というものは基本的には若い人たち相手。新入生の多くは18歳が普通ですので、70歳超というのは、その学生の父ではなくお祖父さんの世代。そんな人たちが組織の上にいて、見えないところであ~だこ~だやりあっているというの姿は、若者たちに遠い世界で大学が動いていることを感じさせます。

別の視点で見ると、この諍(いさか)いに女性(幹部職員)の姿なし。日本で三番目に大きくなった国公立大なのになぜ女性人材がいないかも深刻に考える必要があります。特に医学部・附属病院において、女性の学生・医師が少ない理由を労働資源的効率性から女性不要という文化を(口に出さなくても)根づかせていたことのツケが回ってきたとも感じてしまいます。

マクラ話から感じたもの

そう、なんだか似てるなあ、と感じるのは日大さんの出来事。この時も、元田中理事長さんは1946年生まれ、それ以外の幹部さんたちもご高齢で日大出身という活気の無いオトコばかり。なんだかネッコは同じように感じます。欧米にある大学でこれだけオトコの高齢者ばっかり集まってウダウダやっている姿ってみたことありません。欧米では30台の女性首相がいてリーダーシップを発揮しているのに、こちらの70台の男性たちは意地の張り合いしてなんの解決もできない状態。このあたり、世界の大学評価で日本の大学の評価が悪い理由の一つと感じます。筆者個人的には、高齢者対策?の目安として、自民党参議院比例代表選挙時の最高年齢が70歳としていますので、このあたりを基準にしてみるのが良いよいと思うのですが。

次の病院長さん選び&まとめ

批判ばかりのブログを書いても詮(せん)なきことことなので、今後の見とおし、落としどころを考えてみます。まず、いま(多分)学内には西澤さん派と荒川さん派がいてとても仲が悪い状態。そしてどちらも自分たちが悪いとは思っていません。ですので、次に病院長がどちら派が選ばれたにしてもしこりは残ります。なので、(良い機会でもありますので)外部から(どちらにも与しない)院長に来てもらってドロドロの立て直しを図りイメージの払拭をしていただける方はいないものか、と考え、候補をお二人、ただし、お二人がお受けすればですが……

山中伸弥さん(1962生まれ):2022年4月に京都大学iPS細胞研究所所長の職を退かれましたのでご依頼しやすいかも。また、この市大医学研究科で博士学位も取得されていますのでつながりはありそうです。ただ、市大医学研究科ではiPS細胞のような先端研究ができない環境なのにがっかりして、奈良先端科学技術大学院大学へ移った経緯もあります。それでも一肌脱いでいただいて母校のためお願いできれば。

澤芳樹さん(1955生まれ):元阪大大学院医学系研究科長、紫綬褒章受章、心臓血管外科学(心臓移植)の権威。市大の先生の中で、山中さん同様の澤さんのお名前・業績を知らない人は存在しません。先の阪大総長選挙では、意向投票において、一番人気だったのに、選考会議で逆転されてしまうというちょっと不可解で可哀想な出来事があったあと、阪大から系列病院長に身分を移しています。これまでの実績的に格が違いすぎますが、ウルトラCで院長として来てくれたなら大学と病院に大きなインパクトを与えてくれると思います。なお、現在お勤めの病院は、天王寺にある医学部附属病院からお互いにに歩いて往き来できるスープの冷めない一キロ余りの地というご縁も。この2022年4月に赴任されたばかりですが、うまく折り合いをつけていただき、こちらも一肌脱いでいただければ。

筆者の考えるお二人については、荒唐無稽のお笑いネタととられるかもしれませんが、この大学の抱えるアンシャン・レジームから抜け出すためには、それくらいの機構改革が必要です。特に日本の医学部はどこでも大学内においても、俺たちは人の命を救うためにやってんだ!と言えば、なんでも無理筋がとおる特権階級という認識が支配していると感じます。そのため、古いものが温存されやすい気風が残っているんだととも感じます。周りの人(大阪府・市・メディア・市民の目)からキツク言われる前に、身内でしっかり片付けないともっと状況がさらに悪くなるということに早く気づくことが必要がある、というのが筆者の提言。

このお話、まだ長引きそうですので、引き続きフォローしていきたいと思います。

 

和歌山県にある大学 紀の国で薬学を学んでみる

和歌山の大学事情も大変なんです。奈良同様、和歌山も若手大学職員が集まってどうやったら高等教育を活性化できるか等々議論したら盛り上がるかもしれません。今回紹介する新設薬学部は筆者個人的には2000年以降新設された薬学部の中では一番マトモで良くできていて、八方よし?的に期待が持てる学部だと思います。

和歌山の地理を再確認してみる

奈良同様、大阪平野部から和歌山(市)方面に行くには、和泉山脈を越える必要があります。和歌山市方面へは天王寺からのJR阪和線と難波からは南海(本線)の電車が走っていますが、JRは山中渓(やまなかだに)というところを抜けて和歌山市内へ、南海はもう少し南の岬町から和歌山市内に入ります。ちなみに和歌山大学は、(和歌山と言っておきながら)大阪府岬町スレスレのところにキャンパスがあります。このルートが主要なルートですが紀伊山地方面へ行くルートも。南海高野線では紀見峠を抜けて山の中へ入り和歌山県橋本市へ向かうルートも。こちらの終着駅は高野山。そんな自然現象に影響を受けやすいルートを走る電車が多いので、動物との接触・落石・倒木・大雨・強風などの理由で電車が止まることががよくあります。

和歌山県の人口は約90万人、一番人口が多い都市は和歌山市の35万人くらい。その隣接地域と紀の川沿いを入れると人口の半数以上は和歌山北部に住んでいることが分かります。それ以外の人たちが住んでいる地域は、海沿いに有田市御坊市田辺市、串本市、御坊市などがあります。沿岸部以外は紀州山地の山の中。奈良県三重県と微妙に県境が重なりあいながら、高野山(和歌山)、洞川(奈良)、吉野(奈良)、十津川(奈良)そして大台ケ原(三重)等々の村々が点在しています。この紀州山地は、今でもほんとに険しい山の中で黒潮の影響をうけた太平洋岸型気候でたくさん雨がふるところ。そんな地域ですので、あんまり人は住んでいません。なお、最近ではそんな山の中の古くからの道が霊験あらたかな熊野古道をとして見直され訪れる観光客たちは増加中。

地政学的に和歌山を考えるうえで大切なことは、京阪神から和歌山県に普通に行くとすると最初に出会うのは和歌山市。でも、ホントの和歌山はここからが始まりで、新宮まで延々と海岸線がつづきます。観光的にいえば、パンダがたくさんいる白浜アドベンチャーワールドさんが有名。ちなみに南紀地域に一つしかない白浜空港という空港があります。飛行機で羽田から白浜へ行くなら大阪から行くよりも早く到着できるメリットも。特産品は、みかん、梅(干し)、柿などは関西では有名。水産業的にはマグロの水揚げが多く、最近では近大さんがやっている養殖マグロも有名になってきました。また、磯釣りやスキューバダイビングに行く人も結構います。

和歌山の大学を探してみる

そんな和歌山の大学探し。web上のmapで和歌山県+大学でググればすぐに結果が判明。大学のほとんどは和歌山市紀の川沿い、その周辺に集中。あとは高野山にある高野山大学。その他は海沿いに近大の水産系施設などがちらほら。筆者として興味深かったのは、看護師養成施設。和歌山市には、看護学部のある大学はありますが、南にいくと公的病院に併設された3年制看護専門学校が数校あるくらい。こんな感じで和歌山は南へ行くと(遊ぶところはありますが)学校のような学生がたくさん集まってくれそうな場所が少ないことがわかります。

その中で筆頭格の大学は和歌山大学。ただ、大規模総合大学ではなく、師範大学の流れをくむ、教育学部、経済学部、そして経済学部から派生してできた観光学部、理系では重厚長大タイプでない工学部で構成されています。規模的にも在学生の総数が4000人程度ですのでこじんまりとした感じといえます。そして医療系は和歌山県立医科大学がほぼその全てを担っています。一応、筆者は和大と県医大と再編ができないか考えてみましたが、どちら側にもそのメリットは無さげなので、同じ県内大学間という縛りで仲良くやればと感じます。※この大学の規模だとヘンに統合したら学長選挙でいつも数で勝る医学部出身者が学長になりつづけることになり雰囲気が悪くなるかもしれません。

あと、別枠で高野山大学。日本には仏教系の私立大学が結構ありますがこちらが一番個性が強うそう。筆者個人的には、特に大学院でどんな研究をして、どんな人が主査や副査をやって、どんな論文審査をして学位授与が行なわれているのか、かなり興味があります。弘法大師様が眠る地で学びを深めてみたい方は是非。

薬学部誕生

和歌山県では、長くこのような状態が続いていましたが、2021年4月に和歌山県立大学に県内初の薬学部が誕生。このあたりって、県知事さんが経産キャリア出身の人なので良い意味で県の状況、将来への気づきがあったのかもしれません。公立大所管の薬学部は、県立静岡大、岐阜薬科大、(名前の長い)公立大学法人山陽小野田市立山口東京理科大学に次いで4校目。関西圏でといえば京大、阪大に次いで3校目の国公立大学が経営する薬学部になります。ご承知のとおり?筆者は、薬学部・薬学教育に関しては辛口で、なおかつ公立大学にも(特に最近)あまり良い評価はしませんが、この薬学部はおススメできます。

【八方よし】筆者が考えるこの薬学部がうまくいく理由がたくさん

筆者は、この薬学部を開設するのにマイナスポイントを見つけることができません。筆者が書き出すと、話が長くなるのであまり書きませんが、そのかいつまんだポイントとして以下を感じます。(次の滋賀県では三方よしで表現にしてみます)

・設置する趣旨が明白⇒和歌山県には薬剤師が必要なのにこれまで薬学部がなかった

・近隣に競合する大学(薬学部)もない

地方公共団体・地域社会からの期待が大きく様々な支援を受ける地盤がある

・開設する大学には大学病院があり、また、公的病院での実習・研修も行いやすい

・授業料は薬学部で全国最安値⇒優れた学生を招き入れるインセンティブとなる

等々がすぐ思い浮かびます。その中でも、論点整理すると、

和歌山県初の薬学部

さきにいろいろご説明をしたとおり、和歌山県は人口の少なくて結構広い地域を抱え、高齢化も進んでいています。そのような状況なので、医師もそうですが県内各地に優秀な薬剤師がいてくれることは非常に重要といえます。場所柄、他のエリアから薬剤師のような医療人材を確保するのが厳しいので、自前で養成する必要性が生じてきます。新薬学部は、優れた学生が集まりそうなので、研究者養成も可能なレベルだと思いますが、当初は地域密着型の薬剤師の養成が中心になると感じます。

②コスト面で様々なアドバンテージ

現在の私大薬学部は(例外なく)高コスト化が進んでいる背景があり、特に関西圏では、金銭面に不安があって薬学の学びに躊躇する受験生にとって、この大学の出現は大きなインパクトになります。薬学部自体はたくさんあっても関西圏でこの金額で薬学で学べるのはところは、他には京大と阪大しかありません。授業料がすべてとはいいませんが、近隣の私大薬学部と比べ、4倍以上の価格差が生じることになると、和歌山県以外にもこの薬学部を目指す受験生は増えることが予想されます。このあたりは、人気が生じても仕方ないところですが、県立大ということもあって、県内枠の学校推薦型選抜のような和歌山県の人を対象としたインセンティブとなるような入試もあるようです。あとは、どこの国公立大でもやっている授業料減免措置などもとりあえず申請してみたら、家計状況にもよりますが、全額、半額の授業料の減免を得られるかもしれません。

もう一つ、和歌山ならではの魅力が京阪神地区と比べ物価の安い地域性。学生寮は整備されていないようですが、和歌山市内でもかなりの安価でワンルームを借りられます。食事も安価。これであとチャリか原付でもあれば楽しい6年が過ごせると思います。

このように、全てがうまくいくのは県立の薬学部だから。多分、普通に同じ場所に私立の薬学部を作っても残念ながらうまくいきそうにありません。何かのインセンティブがなければ優秀な学生も、そして教える側の教員の優秀な人材も集めるのは困難だと感じます。やはりこのような地方都市では、県や国がパトロンとなって大学を作るしかないと思えます。この和歌山の事例、今後の地方でどのように大学を活かすかについての良いモデルケースになりそうです。

③ゼロから作るとメリットもあり 教えてくれる先生たちもしっかりしてそう

ゼロから学部を作る時、その大学は文科省設置認可申請という分厚い書類を提出します。大学事務職員で経験者の方はよくご存じだと思いますがこれが大変。提出したら終わりじゃなくて何度も何度も文科省に呼ばれて怒られて加筆修正を求められます。指摘事項は多々ありますが、その中でも新設学部で教える教員の個人調書というものがあって、常勤となる教員を中心にすべての先生の経歴や研究業績がチェックされます。そのため、大学は一生懸命、全国から優れた先生を探さなければなりません。

この書類作成は、新しく学部を作るときが一番ハードで、それ以降も定期的に第三者機関による大学認証評価の中でチェックが行なわれるこになります。検査ですぐに指摘されるのが教員の年齢構成。(ずるい大学は)60歳越えの他の大学で定年を迎えた先生をたくさん雇用して(退職金等安く済むので)人件費を抑えることをよく行なっています。ですから、そんな大学で授業をうけると70歳越えの(盛りを過ぎたと思われる)先生たちががんばっている姿を多く見かけます。大きな声ではいえませんが、こんな調子で教員を集めてどうみても質の悪い(ように見える)授業をやっている私大薬学部なんかも存在します。人生百年・一億総活躍の時代に年齢でのみ括ってしまうのは良くありませんがバランスのとれた教員の年齢構成は文科省も求めているところ。

で、そんな文科省の指摘を乗り越えて開設した新設薬学部。筆者がHPを見るに、教授をトップとした各研究室の年齢構成を見ると(良い意味で)50歳代を頂点とてバランスの良い配置がなされています。また、出身大学も京大、阪大、そして西日本の国立大学薬学部を中心に集められています。このことについて、筆者の取得できる情報源はHPからとなりますが、眺めている限りよく頑張ってこれだけ揃えたもんだと感心します。

④学生の質の高さが6年間の苦難を和らげる

今行なわれている薬剤師国試というもは、薬学部入学時の学力・成績を基本として6年間の学びで積み上げられたもの。それにも関わらず薬剤師国試合格に(6年の学びでは)見合わない学生の入学を受入れている私立大学が多いことから現在の困難が生じています。反対に、京大や阪大の薬学部の学生が薬剤師国試で1年生から一生懸命させられたという話も聞きません。現に(古めの話ですが)筆者が大学生だった時の知り合いの金沢大学薬学部の学生は、(4年制薬学部の時代でしたが)4年生の12月まで卒論で忙しくて、薬剤師国試でどんな科目から問題が出題されるかも知らない状態、それからエンジンがかかって猛勉強して試験に合格したとのこと。現在は某公立病院の薬剤部長をしています。

これまでも別の項でも散々書きましたが、大学入学時点で、6年先の薬剤師国試の合格レベルに学力が達していない学生たちは、大学に入ってからもずっと苦労し続けます。この新薬学部の入学者の場合、そのポイントがクリアされているので、薬学の学び自体は普通に大変でしょうが、一部私大薬学部でのような末期的症状とは無縁だと思います。

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まとめ

結論からいってこの新薬学部はうまく行く要素が満ちています。そうだから、筆者からのお願いしたいと?が一つ。日本国内で開設された大学ですから、全国から誰でも出願し、入学することが可能。どこに就職するのも自由。特に国立大ならそれでOKですが、この大学は、和歌山県が設置、開設者の意図は和歌山で活躍する薬剤師が育ってもらいたい、ということに主眼をおいています。各学生にはそれぞれにFuture Plan はあるでしょうが、卒業後も和歌山との関わり合いを何か少なからず持ち続けてもらいたいな、と感じます。

おまけ情報 猫駅長とパルテノン神殿のお話(ほぼ関係性はなし)

いろいろ書いてきましたが、筆者はあまり和歌山へ行ったことがありません。行くとすれば高野山の方が中心で、和歌山市方面に行ったのははるか昔、和歌山電鉄貴志川線貴志駅の猫駅長のお話で盛り上がっていたころに遡ります。当時は初代猫駅長(三毛猫たま)が亡くなった頃で、駅舎には在りし日の写真が何枚も飾られていました。そんな写真を何枚か撮影した記憶があるのですがどうしても見つかりませんでした。そのため替わって、同じ三毛猫がいたパルテノン神殿の写真を。ギリシャに行ったときはギリシャ危機の影響が長引いていたころで、観光客の姿はまばら。そんなパルテノン神殿を一匹で見守っていたのはこの凛とした三毛猫。(そんなに動かないタイプの猫なのですが、なかなかお顔を見せてくれませんでした。)

【写真1】

【写真2】

 

日大の出来事を感じながら私立大学の有り様を考えてみる 8 新理事長・学長誕生へ

次期日大理事長に内定の林真理子さん?

昨晩くらいからメディアでは、新理事長に日大芸術学部同窓生・アルムナイの林真理子さんが内定しました、とのお話が出始め、ご本人も依頼があれば受け容れるとのご返事をされているようです。日大HPの記載では、学長と合わせて7月1日付けで就任されるご予定。まだまだ様々な評価はできませんが、少なくとも田中さんが理事長だった時代にこのような人選はあり得なかったと思いますので一歩前進したと感じます。

これまで卒業生という表現については、OB・OGがよく使われてきましたが、将来的には男女どちらでも用いることが可能なアルムナイの(Alumnus)の利用が増えそうなのでここでもこれで書いておきます。

ただ、トップだけ女性にしても象徴的な意味合いとしか思われないこともあり得ます。別に新常任監事・監事(4名)の紹介も載っていました。この中には、4月1日現在在職の理事の紹介(28名)も入っていました。これで人数的には32名になるのですが、この中に女性はゼロ。改革は始まったばかりですが、筆者的な思いとして、今後、短い期間に女性比率が三割を超えることを期待します。

7月に正式に理事長になられたらもう一度お話するようにいたします。

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