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日本の大学 今 未来

【大学英語名称】"University of Osaka" 論争が究極の到達地に達したのか考えてみる

信頼できるスジからのお話。阪大さんが英語名称の変更を行うようです。運用開始自体は関西万博に合わせて2025年4月から。筆者としてはお好きにどうぞですが、改めて日本の英語名称について考えてみます。筆者個人的には非常に興味のある話ですが、読む方の多くは関心ないでしょうね…。※なお、このことは、この4月より学外へ周知を開始するようです。詳細はちゃんとしたところから正確情報得るようにお願いいたします。

定冠詞"The”を使う!(らしい)

どう変えるかというと、今の国立大学によくあるパターン (地名)+UniversityUniversisty of (地名) にひっくり返し、アタマにThe をつけるというもの。 つまり、Osaka University ➡ The University of Osaka にする模様。(業界ネタになりますが)国立大学の中で同様の標記をしている主要な大学は The University of Tokyo と  University of the Ryukyus のみ。英語名称は始めたもん勝ちの傾向が強いですが、数少ない事例の中でも琉球大学さんのように the を大学名称(地名)の前に置くのアリだということが学べます。多分琉球大学さんの場合は、沖縄のアメリカ統治時代に命名していますのでそんな時代的背景とともにアメリカ人からみてもこの名称がOKだったということ。

阪大さんの変更理由として、大阪・Osaka をもちいた類似名称との競合を避けるというものもありますが、これも納得。(地名)+University の場合、さらにそのあとにつけ足しが容易に可能。Osaka university of Economics/Engineering/Science etc、この考え方にも筆者は納得。特に小規模単科大学のように、小さく限定されたフィールドで大学をやっているところには、便利な命名と感じます。反対にUniversity of (地名) の場合は、そのあとにつけ足しの部局名称(Engineering とか)の挿入が語呂の関係で?難しくなるので、たくさんの似たような大学名称の中で紛(まぎ)れにくくするためには、University of ~にする方が優位性がありそうです。さらにそこに The を入れたら動かし難い存在に。ここまで阪大さんが英語名称にこだわるのは3年前の University of Osaka 論争?で懲りたからかもしれません。

で、大学名を地名と人名との関わり合いで考えてみた

また、地名(大阪)を後にする理由としての標記の取り扱いも取り入れて国際標準にする?というのもあります。英語文化圏の大学では、人名なら前につける、地名なら後につけるというのが慣例(らしい)。それを大阪万国の開催に合わせ2025年4月から大々的に?実施して世界的なプレゼンス向上を目指すことが狙いのようです。

その1 英語文化圏ではだいたいルールが守られている

人物名由来の大学(名前が前)

Johns Hopkins University Stanford University McGill University

地名由来の大学(地名が後)

University of Maryland University of Southern California University of Toronto

University of Calgary University of London

 National University of Singapore(英国文化圏の影響?)

その2 そうはいっても、非英語文化圏では、(地名)+University も結構ある

Chiang Mai University Bangkok University Peking University Tianjin University

National Taiwan University

さて日本 今でもよくわからない英語大学名称はたくさん

University of Osaka 論争の際にも、ハム大側の主張の中に、昔から?国立大は (地名)+Univeristy 、公立大は University of (地名) と決まっている、というのがありました。その具体例として、Kochi University VS. University of Kochi であったり、Nagasaki University VS. University of Nagasaki のように共存しているというもの。で、確かに(今のところ)そのとおりなのですが、筆者の腑に落ちない分は、なんで(ほぼ)名前が同じなのに(そもそも)今までそれでよかったのか?なんで関係する大学たちはこれいじゃいかん!と変更を考えず(平和裏に)共存してきたか?です。これは、完全にドメスティックな国内向けルールで日本の大学に関心を寄せる海外の人たちにとっては迷惑行為です。

それなりの緩いルールを作るのが一番?

筆者としても無い知恵を絞って良い案がないかいろいろ考えてみましたが、例えばアメリカのCalifornia みたいに UCナンチャラ 的に大学名称を統一し、Natioal University of ~(国立)Public University of ~(公立)とかにしてみるか、国立大なら必ずどこかに National を入れ、公立大なら必ず どこかに Public, Prefecture, City を入れるetc を国大協や公大協あたりで議論してみるも一考と思えます。なお私大さんはそれぞれでがんばりましょう。

でも、じつはどこかのまねっこ?

以上のようなことでブログを書いている最中面白いものを発見。阪大さんの今回の名称変更の中で通称名・ロゴタイトルをこれまでの OU から UOsaka(ユーオオサカ)へ変えることにもふれています。これについて筆者も、へぇ~そうなんだ程度でしたが、某大学の広報誌を眺めている同じようなことが…、こちらは2024年4月からロゴタイトルを UTokyo に改めるようです。なんか見えないところで動きがあったのかもしれません。

追伸:東京科学大学さんの英語名称(通称名)もまだ決まっていないようです。やはり(無理筋に感じる)東京理科大学との区別がうまくいかないからでしょうか…

www.u-tokyo.ac.jp

まとめ

ぜんぜんまとままりませんが、筆者も英語標記時の人名・地名の取り扱いルール?は知りませんでした。知識不足ですいません。この標記変更の流れは続くのかなあと京大や北大のホームページをみてみましたが今のところ動きはなし。ざっくり大学で働いていて普通に感じることですが、残念ながら日本国内のルール?に基づいた英語名称の大学はたくさんあります。これまで誰も何も言ってこなかったというのが原因の大部分に感じますが、グローバルとか国際化とか言うのであればしっかりした英語名称にしてみるのも良いかもしれません。

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