FOU’s blog

日本の大学 今 未来

がんばれ!北陸の大学たち

よりによって1月1日に発生してしまった能登半島地震。現地でこの災害に遭われた方にお気の毒とか言いようがありません。衷心よりお見舞い申し上げます。そのような場所で生活し、大学受験を目指す高校生・受験生の方も大変な中ですが、なんとか希望する大学へ入れることを祈念します。ここではこんな災害発生時の大学入試を中心に考えてみます。

はじめに ー今回は共通テストを中心にー

これまでの筆者の経験上、地震被害の続く中での大学共通入学試験の実施は経験ありません。例えば、阪神淡路大震災の場合はセンター試験直後、東日本大震災の場合は3月11日ですから入試に関しては大半が終了している状況。

今回は、発災後2週間ほどで共通テスト(1月13日(土)、14日(日))を迎えます。余震が続くことも予想されますのでまずは安全確保のうえ無事に共通テストの実施を。各大学個別の入試に関しては2月に入ってからになりますので、準備の時間はなんとかあります、が、引き続き被災地の受験生への十分なケアが必要となります。

石川県にある大学

まず、北陸地方ですが、福井県、石川県、富山県新潟県。今回の地震の影響を受けた県と重なります。その中でも被害の大きい能登・奥能登エリアの大部分を抱えるのが石川県ですので、ここでは、石川県の大学のとりくみを考えます。

その石川県では、共通テストに8大学12会場で実施を行います。その中でも受入数が多いのが金沢大学で2779名。大学入試センター令和6年度大学入学共通テスト試験場一覧による)

基本的に、大学入試共通テストというものは、それぞれの大学にとっては、大学入試センターさんからの頼まれ仕事ですから、勝手なアドリブなしで言われたとおりちゃんと間違いなく行うことが鉄則。ですので、指定された時刻に試験を開始し、指定された言葉で試験問題についての説明をし、それから試験を開始し、指定された時間に終了し、場合によっては問題訂正の Fax が流れてきて、指定された時間内に各教室の受験生に板書等の指定された方法で周知する等々を粛々と行います。

多分、金沢大学さんあたりならMEXTとのパイプもあり手慣れていると思いますが、それ以外の大学さんは少し心配。余震が続く中でイレギュラーな事象が発生するかもしませんので、大学入試センターさん、MEXTさん等の関係機関としっかりしたすり合わせをして試験日当日をむかえてもらいたいものです。

筆者が気になるのは、試験当日の地震の発生の対応。(多分)試験実施会場に震度4を超えるような地震が、試験時間中に発生した場合、まず受験生への安全確保が優先されますから試験を(一時)中止する方向に進むんだと思います、が、若干揺れを感じるような震度3以下の揺れが生じた場合はどうするのか?。緊急地震速報での数値情報を得るのも数分かかるでしょうから、試験の中止もしくは試験時間の延長等を行って試験を継続する等難しい判断を短い時間内に行う必要があります。(特に試験時間中に揺れが生じた場合の受験生の動揺は非常に大きなものなりますので万全の準備が必要だと思います。)

そのため、一番不安になっている受験生にも予め試験時間中に地震が発生した場合どのように試験が実施され安全確保が行なわれるのかを事前に周知し知ってもらうことがとても大切。それぞれの大学は受験生が安心して受験してもらえるようにしていただきたいものです。

おわりに

残念ながら、日本に住んでいると何かしらの災害に見舞われてしまいます。北陸地方はこれからが冬本番。何とか早く雪と寒さが本格化する前に復興支援の目鼻立ちがつけばと感じます。大学に関して言えば、大学自体の仕事に加え、文科省から被害状況の把握のため様々な調査・報告依頼が来ていると思います。それでなくても忙しい時期だと思いますが、がんばって乗り切っていきましょう。

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