FOU’s blog

日本の大学 今 未来

【追記の2つめ・同窓会のあとの melancholy 】大学職員として働くなら結局どこが一番よいのか考えてみる3

毎回この集まりのあと、自分の人生への自問自答とその憂鬱が訪れます。その理由はあとの方で。大学の仕事って難しそうに感じるかもしれませんが大半はこんなんなんです。

ケーニヒスクローネくまポチ邸のご紹介

同窓会の場所は、神戸旧居留地のホテルケーニヒスクローネさんのくまポチ邸。近くには神戸大丸さんや生田神社さんがあったりするところ。このくまポチ邸は、ケーニヒスクローネのホテルの1階と2階に設けられたゆったりとした喫茶・お食事コーナー。ここのランチタイムの魅力はたくさんあって、ざっくり2000円ちょっとで、メイン+サラダ+いろいろなパン食べ放題、コーヒー・紅茶も飲み放題。また、当日早く行けば、早い者勝ちで席取りができるので、仲間内で遅れてくる人も安心、これで時間制限もなし。そのため、いわゆる女子会的な利用者が多くなっています。ですので、オトコばかりで食っている連中の姿はあまりみません。お食事のクオリティーケーニヒスクローネのお名前でやっていますので普通にOK。どちらかというとボリュームが多すぎて食べきれません。このあたりにおいでになる方にはおススメのお店です。

【写真】ホテルケーニヒスクローネ 奥の方の白いのが神戸大丸

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この同窓会というか大学の時に仲の良かった雑多な連中の集まりも、コロナがあったため3年ぶりくらいの開催、今回は全部で9名の参加でした。

だいたいこの手の集まりの冒頭は『みんな元気にしてたん?今なにしてんの?』から始まり、各自の身の上話とかが酒の肴に。そのため筆者も『私は今、何をしてるんか』を説明する必要性が生じてきます。他の人物は『Aな、○○銀行から出向してメーカーの△△へ行かされてるみたいやわ』とか『Bから連絡ないねん、病気やと聞いてるけど大丈夫なんかなあ』とか『新NISAどうするん?あれ絶対いけると思うわ』のような話で盛り上がる中、筆者の持ちネタ(仕事ぶり)は以下くらいしかありません。

大学の日常 ーいろんな出来事をオムニバス形式でー

大学にかかってくる電話:このようなお問合せに真摯に丁寧に対応します。

①大学の近所の住民たちから、大学へ苦情電話『家の前にオタクの学生さんが違法駐輪されて困っとんや、タバコの吸い殻も落ちとるし』への対応。

②近所の住民たちから、市民講座担当へ電話『市民講座聞きたいんやけど予約はホームページからと書いてあるんやけどやり方全然わかりしまへんねん、この電話で予約やってもらえまへんか?』への対応。

③学生のおかあちゃんから、学生担当への相談電話『これから息子が免許とりに自動車学校にへ行くんやけどその間の授業は公休?にできるんですか?』への対応。

④学生のおとうちゃんから、学生担当へ怒りの電話『息子に聞いたらゼミの先生が、これから実験でRI(放射性同位元素)使ういうとんや!びっくりしたわ!なんでそんな危険なもんつかうんや!』への対応。

オフィスでも同じようなもん

教員(学生)から『教室のシステムで授業しようとしたら自分のマックPCでつなごうとしたらプロジェクタ投影できへんのですわ、ちょっと見にきてください』『教壇のPCにUSBさしたままになってへんか確認してもらえますぅ?あのUSB大切なんですぅ!』『○○教室行ったら鍵閉まってるんで開けてください(単なる部屋間違い)』『教室の一番後ろの座席にカバン忘れてませんでしたか?』『教授会終わった後、司会席のマイク切って部屋のカギ閉めたかなぁ?確認してきて!』

⇧ 等々をやっているともう帰る時間になっているもの。実際の大学って難しい仕事は控えめで、こんな感じで毎日やっています。

大学外の人たちの大学への関心が低いことを学ぶ

このような集まりがあるたびに感じることは、大学についての認識度。前向きにいえばそれを反対に学ぶ良い機会になります。ずっと働いている者には、『大学』って日常ですが、普通の街中の人たちにとっては、どこか遠いどうでも良い存在。例えば、北大阪急行御堂筋線)が延伸して箕面船場阪大前駅ができる話や大阪市立大学・府立大学が統合して大阪公立大学になった話なんかも『へぇそうなん』で済んでしまいます(事例としては多少オタッキーかもしれません…)。

良くも悪くもこれくらいの知識を持った人が日本人の標準っぽくて、同様に大学受験をする家族の大学の認知度もさして変わらぬレベルでしょうから、国公私立大の相違や、学部の選び方のようなそもそもについても、この程度の認識で選んでいることがよくわかります。だから、大学職員として危惧するのは、大学を選ぶ物差しも、予備校の提供する(信頼性に欠ける)偏差値であったり、FランでBFのような誇張されたイメージ、大学評論家とやらの解説を鵜呑みにしてしまうんだろうなぁ、と感じます。そんな心配ごとも自分たちのお子様が大学に入ってしまえばそれで終わり。

ふり返ってみて、筆者の良かったポイントは、個人的にも関心の高かった国際関係の業務に10年くらいつくことができたこと。筆者の場合は、学部の教務であったり会計・経理関係ばかりが長く続いているようならとっくに辞めていたかもしれません。反対に言えば、大学の中でも、総務が好き人事が好き広報が好きと自分の好きな分野をもっている方が長く働こうとする気持ちの支えになるかもしれません。

他人に自分のキャリアの説明をする時なんか、適当に盛って話せばそれまでなのかもしれませんが、それでも大学の仕事を説明するのは難儀します。これから大学で働こうと思っている方そんな大学でもがんばって支えていただければと思います。

 

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