新年早々すいません。昔から、そしていまもこんなんなんです…
8/18(数物系)・15/31(工学系)!って(ほぼ)半分やんっ!
JSPS外特採択者の発表が行われました(JSPS HP・12月18日付け)。特に今回は顕著なので一言。
おさらいですが、この事業は、海外の若手研究者(PDレベル)を国内研究機関(大学だけでなく科研費を申請できる機関ならOK)で招いて共同研究するもの。採用された外国人には、往復航空券・月額約35万円の滞在費(給与名目じゃないので課税されないこともメリット)と科研費(上限年額150万円)もつくので研究上の旅費やパソコン購入etcに使えます。ですので、採用者にとっては比較的恵まれた環境で共同研究ができます。また、この事業で来日する外国人研究者は数百人規模で日本最大。採用はJSPSの定番コースの電子申請で受付け、ピアレヴューでランク付けし、それぞれの分野の合議審査(会議)で、成績上位者から予算の許す範囲で採用するという比較的シンプルでわかりやすい方法。類似の事業でいえば、基盤研究(C)の雰囲気。
なのですが、、(前から)気になるところが二つ。
なんで同じ国ばかりなの?
なんでこんなに隔たってしまうのか?については、いろんな切り口がありますが、その理由は大まかに、①この国の若手研究者がとても優秀だから? ②いろいろあってこの国から日本への研究上のルートができてしまったから? ③この国の若手研究者を欧米諸国は受け入れたがらない余波から? ④反対に考えて欧米諸国の若手研究者にとって日本での研究に魅力を感じないから? 等々思い浮かびますが、それでも国が公費やっている事業として、特定の国の研究者の採用が半数になるような選び方現状は如何なものか?、なのですが、その一方、ピアレヴューの結果がこんな感じ(この国の応募者が優れている)という現実もあります。ですので、JSPSさんも、サマープログラム、外国人特別研究員(欧米短期)等採用国を限定した事業も行っているのですが、オープンの事業になると来る国は限定されてしまいます。筆者としては、ヘンでなんとかすべきとは思いますが、解決の方法がみあたりません。特に大学で働いている人はそんな現実を知っておきましょう。
なんでおなじ大学(旧帝大)ばかりなの?
冒頭に書いたとおり、この事業の申請は、大学その他の研究機関(科研費の取り扱いができるところ)が可能。ですので、(例えば)JRA競走馬総合研究所さんが、アメリカの若手研究者と『もっと速く走れる馬づくり』とかで申請して、それが研究上のテーマとして評価されれば採択される可能性はあります。実際、受け入れ機関を眺めていると(稀に)ちょっと意外な研究機関の名前を見かけることがあります。筆者的には、そんな機関はなんとなくがんばってるなぁと感じます。
ところが、現実は特定大学(東大)への異常なまでの隔たり。で、このことも考え方いろいろで、MEXT&JSPSは、いつも東大ばかりえこひいきする、さすが東大は優秀だ等普通に思い浮かびます。このことについての筆者の考え方は、確かに東大は優秀でそつのない申請はするとは思いますが、他の大学は何をやっているのか?京大、阪大等の旧帝大と理研は多少がんばっていて、私大でも少数ですが慶応、早稲田あたりの名前があります。それ以外の大学は、申請自体行っていないのが今の日本。
特にJSPSのやっている国際交流事業って、海外にカウンターパートナーがいないことには話は進みません。多くの私大の海外大学とのつながりは、留学生を行ったり来たりする程度のもの、研究レベルでの交流は行っていないことの証左。
↓NISTEPさんもねえ…。顕著な貢献している人を東大(関連)ばかり選んでいると他のがんばっている先生たちのやる気をそぎます
ついでにトリビア -パレスチナ(PLO)出身の外特がいたっ!-
もう西洋史の話になりつつありますが、第二次大戦終了直後、パレスチナはイギリスの二枚舌で国家承認されたものの、その後の国際情勢で未だ独立国家といえない状況ですが、日本政府(MEXT&JSPS)は、国家とみなして人的交流を行っているのですが、研究者・留学生は、なかなか実際の来日者をみることがありませんでした。この外特事業の要項には、パレスチナのことは注釈部分に受入可のことは書いてありますが、実際の採択者を見るのは初めて。東北大学での受け入れのようですが、良い研究成果を出してもらいたいものです。
むすび
排他主義は良くありませんが、同様にダイバーシティというか多様性もとても大事。同じ国の学生ばかりきてもらっても、受け入れる側の日本の大学にとって(留学生が来たことによる)日本人学生への学びの面でも効果が大きく下がります。2025年を迎えようとしていても未だ大学の国際化なんて言葉ばかり、年始の駅伝大会に命を懸ければOKで、そんな大学たちを気にしない社会のあり方の方がもっと気になります。
科研費全般についても東大の採択件数が多いことについては良い研究しているからと言えば終わりですが、ルーティーンとして必ずしっかりした申請を出すことが習慣づけられています。(聞いた話ですが)紙で科研費の申請をしていた頃、締切日が近づくと普通の大学は、普通に郵便で郵送してくるのですが、東大の場合、(近所だからもあって)タクシーで乗り付け、段ボール数箱を持ち込んできていたとのこと。多分、次に多いのは京大、阪大等々と予想はつきますが、やってるところはやっています。問題に感じるのは、名前の知れた大きな私大でも科研の申請が極めて少ないところもたくさん。(箱根駅伝出走大学の科研費申請件数調べをしたら興味深い数値が出ると思います。)普通の人を含め日本の大学のありようとして多くの人が知っておくべきことだと思います。