FOU’s blog

日本の大学 今 未来

神戸市さんが王子公園駅界隈に大学誘致したのが今後どうなるのか考えてみる5

王子公園再整備基本計画の進捗で、神戸市さんから新たに【王子公園再整備基本計画(素案)【全体編】令和5年9月】の発表がありました。大学以外の部分が中心ですが、それでも筆者は関学さんへの心配の度合いが増していきます。

基本計画(素案)での大学のかたち

そもそもですが、神戸市さんのプランは、今の王子公園をどうするかというと、公園機能の向上、動物園の近代化(SDGsを考え動物福祉に留意して動物収集をおこなう)を目指しているように感じます。そして大学の招致。

また、神戸市側からの目線による大学イメージも記されています。基本的には、とても総花的。書かれている言葉でいうと、地域、社会、世界について配慮したキャンパスをつくること。そして、神戸市民・近隣住民への貢献も重要項目。大学が何をやるかのコンセプトはイノベーションアントレプレナー(シップ)が中心のよう。そして建物の色はアースカラー(ミント色?)にすること。

この文書を作った人は、多分、大学・教育・研究関係のHPをググりまくり、それらしい言葉を見つけたんだなあ、と、ある意味感動する立派な書きぶり。

そんな出来上がる大学像は、大学でない神戸市側からはある程度踏み込んで書くことはできますが、今の段階で大学側が『○○学部を収容定員四千人で作ります!』なんてことは口が裂けても言えません。その理由は、MEXTの承認を全く得ていないから。(どこかの大学が次年度開講の新学部をつくるPRをする際は必ず『設置許可申請中』の言葉を必ず入るあるアレ)。その中で、神戸市からは、あ~しろこ~しろの要請がどんどん出てきて、関学さんとしては大変です。

前回も書いたとおり、アントレプレナー(シップ)に関する教育研究は、経営学部・研究科であったり、社会人大学院、特にMBAコースとあたりでは、必須科目として行われていますが、アントレプレナー(シップ)主体の教育というものはあまり見えてきません、イノベーションについても同様。こんな感じの漠然としたイメージの中、市と大学とがキャンパス作りを進めることになるので実務段階に入るともっと考え方の相違が露呈してきそうです。

で、今さらとそもそも ー筆者の雑感ー

どうもこのお話、勢いでいろいろが決まってしまったようで。漠然と景観優先で高さ制限等の条件がたくさんある公園内に、何を教えるかすらもわからい収容定員四千人想定の新キャンパスをここ数年で作れるのか?、世界にどう広がる・つながるとかのとりくみも見えてきません。

で、そもそもですが、それなら最初に筆者が書いたように新設する動物園と接点をもつ獣医学部を単体で設置する方が意図が分かりやすくて良かったかもしれません。もしくは、神戸大学医学部の附属病院や研究センターの新設であるなら反対する人も少なかっただろうにと未練がましく感じてしいまいます。今さらこのタイミングでは、覆水なんちゃらで仕方ありません。

今後は、関学さんの発表待ち。良いアイデアを期待して待つようにします。

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