FOU’s blog

日本の大学 今 未来

神戸市さんが王子公園駅界隈に大学誘致を始めたことを考えてみる

神戸市が王子公園の再整備の目玉として100億円で3.5ヘクタールの土地を売りますから大学さん来てくださいの公募を始めました。一応筆者は神戸市民でもありますのでコメントしてみます。

王子公園の雰囲気

今ある王子公園は、(パンダのいた)動物園と陸上競技場(王子スタジアム)があったりする施設がある複合公園。場所的には、ざっくり神戸三宮の東方向へ3キロくらい。電車だと、阪急神戸線が一番近くてそのままの名前の王子公園駅なら降りて目の前、JR神戸線灘駅からでも徒歩でいけます。また、JR新幹線の新神戸駅からでも直線1キロくらいの距離。場所的には交通至便の場所といえます。で、今ある施設については、全体的に老朽化感があり何か新しいことを始めても良いかなとは感じます。

神戸市さんは、なんとなく関学を呼びたい?

関学の発祥の地は神戸のこのあたり。明治の終わりごろ王子公園の近所の原田の森という場所に関学さんのチャペルがあったりしていたようです。それでか、なんとなくTVやメディアの雰囲気は『関学さんはどうするの?』的な取り上げ方をしています。もちろん神戸市は、近隣の大学にお手紙出してどうですか?をやっているようですが、もろ手を挙げる熱心な大学はない模様。で、神戸市民でもある筆者としては、どこの大学がいいのかなあと考えてみました。

◎候補1 神戸大学医学部・附属病院

筆者個人的にはこれが妥当だと思います。医学部と医学部附属病院が、神大さんのメインキャンパスとなる六甲台地区に近くなることでいろいろ集約化が期待できます。今の医学部・附属病院は、中央区内(楠地区)ですが、多少交通アクセスが良くなかったので、駅を降りてすぐの立地に移転できることも大きな魅力。また、現在神戸市が取り組んでいる神戸医療産業都市構想にもフィットします。

〇候補2 甲南大学

候補3と僅差ですがこちらを二番手に。メインキャンパスは王子公園駅より東に3駅向こうの阪急神戸線岡本駅。現岡本キャンパスも岡本の地に溶け込んでいてそれほど移転の必要性はありません、が、駅前の一等地に大学が移転ができるのは、今後の大学生き残りを考えればチャレンジありだと思います。また岡本の現キャンパスの不動産価値は神大楠地区以上にあると思いますので移転経費の捻出はできるかもしれません。ただ、なんとなく漠然としてですが、筆者は神戸市さんが想定する大学ブランドのイメージではないようにも感じます。

▲候補3 兵庫県立大学(神戸商科キャンパス)

この大学は、明石、姫路等々にキャンパスがありますが、その中でも神戸市西区の神戸商科大学を前身とした神戸商科キャンパスの移転。最寄り駅が地下鉄学園都市駅で、その名のとおりたくさんの教育機関が集まっています、が、それも今は昔の状態。どこもちょっと老朽感を感じてしまいます。いつかはどこかが何かをしないといけないのですが、それが兵庫県立大学さんというのもちょっと…。また、神戸市の売り出しに兵庫県が乗っかるのも気が引ける要因に。特に社会人や地域にひらく大学になる良いチャンスだと思いますが可能性は高くなさげ…。

✕候補4 関西学院大学

関学さんの課題は、まず100億円の準備。神大さんや甲南大さんならどこかの現有不動産を売却する手立てはありますが、関学さんにその手立てはありません。仮に、それでも潤沢な予算があったとして、誘致に手を挙げたとしても、今あるとてもきれいだと評判の西宮上ヶ原キャンパスとのすみ分けについてどうするのかが課題に。筆者個人的にも王子公園に関学さんがあるイメージや必要性を感じません。

それ以外の候補はなし 

以上の大学の中で折り合いがつかないようなら、大学誘致はあきらめる方が良いと思います。heart of Kobe に魅力的な大学を誘致というアイデアは神戸市がこれまでにやってきたブランド戦略の一環だと感じますが、昨今の大学の財政基盤の中ではしんどい印象。それならば初心に帰ってセンスの良い動物園や公園づくりを目指す方が良いかもしれません。

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