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日本の大学 今 未来

【短編】訪日外国人と伏見稲荷大社へ行ってみた2 まとめと最近の気づき

【短編】訪日外国人と伏見稲荷大社へ行ってみた1のつづきです。

本編のまとめと最近の気づき

大学ネタでやっているブログですので、少しは何かの関連づけをしないといけません。

筆者は、大学でやっているSDGS、LGBTq、SOGIなどを理解する講習はどうも非現実的に感じます。話は異なりますが、初等・中等教育での英語授業なんかも同じことが言えます。実際に会って話す対象者(英語話者)がいない中、授業のみが行われても、英語がうまくならないのと似た状況。LGBTq的に言えば、実際に性別適合手術を受けた学生と対話したこともなく遠く漠然とそんな人たちなんだとイメージしているだけ。

そんな中、日本語を話さず英語でコミュニケーションをとる必要のあるニューハーフさんたちとお話できたというのは、貴重な機会だったのかもしれません。今の欧米を中心とした世界の大学環境なら、来日する学生・研究者の中には様々な性自認有する人が普通にやってくることを念頭に置く方がよい時代になりました。

例えば、多文化主義を標榜するカナダでは、普通にトルドーさんのような首相がゲイパレードに参加して腕組んで行進するのが普通。このことに与野党の誰かが批判することもありません。

カナダのような多文化主義の国の中では、多様性を認め合うということは、非常に大切なこと。実際にそんな出来事に出くわす経験値が少ない生真面目な日本人の目線からすると、みんなで仲良くがんばって理解しあわなければならないっ!的堅苦しい肩に力の入った強迫観念の方向に行きがちですが、筆者は異なる側面があるとも感じます。一般のカナダ人はもっとリラックスしていて、そんなことへのアプローチの仕方は、良くも悪くも、相手のやることには無関心でとおし他の価値観には介入しないこと、それが習慣づけられています。実際それを貫けば誰からも非難を受けることはありません。

これだけ書いておいて反対のことも意識する必要もあります。SDGSやLGBTqのあり方を、全てもしくはその一部に関し否定的な国々も多くあります。例えば、北京や上海、モスクワ、バグダッドの街頭でレインボーフラッグ振って大勢がパレードする姿はイメージし難いところ。ですので、今現在欧米・日本で行なわれている価値観が正しいことを前提としてジャッジを行うのはすべての国には通用しません。だから、そのためにも、知らんぷりが有効。

ですので、日本の大学であてはめると、海外からくる人たちを受け入れるときの気の使い方で、何かで判断に迷う時は、一般的な対応で済ます方法がまずは妥当。妙に肩に力を入れて身構える方がトラブルの原因になると思います。

いくつか最近の事例

一つ目 広島G7サミットで印象的だったのは、会場のホテルのスタッフさん。テレビでガラス越しに瀬戸内海を望むラウンドテーブルにお皿を運ぶ練習の光景でしたが、髪型キッチリの男性の精鋭スタッフ10名以上が整然と並んでサーブする姿はそれなりに壮観、なのですが、なんでみんなオトコなの?筆者程度で気づくくらいですから、多分、欧米メディアの人たちも同様に違和感を感じていたと思います。違和感を感じさせてしまうポイントは、お皿を運び差し出すお仕事が男が必ず行うべきものではないこと。ソムリエさんあたりもそう。(今回のG7サミットは、喫緊の課題が多くあったので、テレビもお食事に何を出したか等々の話題に触れることが少なかったが良かったのかもしれません。)

筆者のような人物が主催者側の責任者であれば、必ず性別に偏らない相応のスタッフ構成にします。広島でG7サミットを行いこのホテルを使うということは数年前からわかっていたことなので人材不足という言い訳は通じません。このようなことがおこっていまうのはホテルが国内資本だからなのか、海外資本だったらちゃんとしていたのかも定かではありませんが、とりあえず組織の中に『それは国際的にヘンですよ』と言える人が中にいればよかったなと思います。

二つ目 最近は、夜の飲食の機会もコロナ前の状態に戻ってきました。何かのテレビで若くて進歩的に見える経営者のインタヴューで『スタッフのみんなと夜飲みに行くのが楽しみ』なんてお話されている方の姿をみかけたことがあります。夜にお酒を飲んでワイワイして(よく言えば)情報交換するのは一部の人にとっては楽しいことなのかもしれません。ただ、水を差しますが、令和の時代になっても、時間外に半強制的な全員集合的飲み会を実施し、食べたくない人、酒を飲まない人への配慮もできないのが、現在の日本。

欧米諸国にある会社組織なら、何かで集団行動をとろうとする際、職員の多様化を尊重すべきであること必須事項となります。食事なら宗教上の様々な食事制限、ビーガン、ベジタリアンの個人的なポリシーなどをもった人たちの集まりであることをまず想定すべき。そのためか、少なくともカナダの McGill Univ. の人たちで仕事終わってから同僚と飲みに行く姿なんてみかけたことはありません。そう、食べに行かなければトラブルは発生しないんです。少子高齢化社会が進み、本人もしくは家族の中で、子育て、家族の介護や持病の人がたくさんいる中、へべれけで深夜に帰宅する時代は終わったんだと思います

 

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