FOU’s blog

日本の大学 今 未来

コンドームを大学の売店で買えないことで大学の国際化の立ち後れを嘆いてみる

このお話は読む人によって不快な思いをする可能性?がありますのでR18指定にしたいと思います。というか誰も取り上げてくれないので寝た子を起こすしかなく不承不承とりあげました。

提言 ー大学の売店で気軽にコンドームを買えることから始めてみるー

最近の出来事1 Easy Toys さんが #equality for all になりました

2021年12月にオランダで行なわれたカーリングの国際選手権大会。北京冬季五輪の代表選考会を兼ねていましたのでNHKさんも放映、しようとしたら、放映不能の珍事。その理由が正規のスポンサー広告(会社)である Easy Toys さん。NHKさんの倫理規程に違反するということで(試合はやってるのに)放送を見合わせてしまいます。そしていろいろネゴして広告表示を #equality for all というものに改めてもらい放映再開となりました。で、Easy Toys さんとは何の会社かというとオランダの性玩具の会社。なお、この会社の広告は日本だけでなくアメリカでも問題視され放映しなかったようです。ちなみにNHKが問題視した部分はこの会社の名前自体、特に具体的なそれらしい形状の商品が映し出されているわけでもありません。でも、さすがは皆様のNHKさん、日本国民の気持ちを代弁し、そんな不潔・不浄のなものは(ちゃんと公式スポンサーなのに)映像として映し出さなかったようです。で、こんな感じのこと、日本開催で起こるかな、と考えてみました。開催ロゴとかが気に入らないとか毎回のように言ってくる国のクレームは無視するとしても、国際的・文化的な対立としてなら、例えばクジラ料理のお店がスポンサーになっていたりするとどこかが何か言ってくるかもしれません。ただ、この事例、NHKさんの場合は、オランダでは是認されている性玩具会社がオフィシャルスポンサーをやっていることくらい事前に知っておくべきで開催国の文化的な理解と危機管理が足りなさすぎ、一生懸命頑張ってお金を払ってスポンサーになった Easy Toys  さんへこの仕打ちは可哀想すぎです。このことは日本と海外の社会的・文化的価値観が違うという意味で書いてみています。

最近の出来事2 海外から留学生を日本へ呼ぶときの悩み

最近と言っても数年前、関西の大学コンソーシアム的な集まりでのお話。関西の有力私大の留学生部門で働いているいる人が昨今の留学生の受入れ状況についてプレゼン。彼女曰く、アメリカから(サマープログラムのような短期で)留学生に来てもらうとき、LGBTq的な配慮がますます増加。例えば、留学生の宿泊施設は男女別はダメ。棟毎の男女別がダメならフロア毎で許してもらえないか等々の交渉をカウンターパートナーとやる苦労話を聞かせていただきました。彼女ご自身もアメリカ東部(ボストン辺り)で学んだ経験をお持ちの方なので現地の文化をそれなりに良くご承知でのプレゼンだったと思います。確かにそれはそのとおりで、アメリカ東岸の小さい州がいろいろある辺りと、カリフォルニア州、特にサンフランシスコ周辺って人権、新しい価値観、社会正義に敏感な地域。反対に保守的な傾向の強い共和党の地盤の辺りって(大学はともかく)LGBTq的なものに同意しない人たちもたくさんいる温度差があるのがアメリカと言う国。さらに言えば北米やEU加盟国から外れるともっと異なる価値観を持つ国もたくさんあるわけで、筆者個人的には、いちいち(特にアメリカ人と交渉するときは)相手の言うことを全部鵜呑みにすると、ハラル認証やビーガンのお料理等々の(要らぬ)心配をし、お祈りのお部屋はどうしたものか等々無限ループに陥ってしまいます。(Gender Free(Gender Neutral)のポリシーの重要性はわかるが)アメリカの人には日本では出来ないことは出来ないと恥ずかしがらずにきちんと言わないといけません。コロナ渦も災いして最近海外へ出かける大学職員はホントに見なくなりました。海外の大学の動向もしらないまま国際交流やってる部門にだけ英語が多少話せるスタッフを配置する(押しつける)やり方は反対に大学の国際化の進展を阻んでいるものだと感じます。

日本の大学で未だに未開な部分があることを自覚する

で、最初の提言 ー大学の売店で気軽にコンドームを買えることから始めてみるー に行き着きます。それが初めの一歩。この項でいろいろ述べているように、特に性に関する事については、大学はもとより日本全体が内向きで、さらに海外の状況に疎い上、多くの人は、自分たちの価値観が誤っていない、もしくは干渉されたくないと言う思いが強いのではと感じます。その中で、初めの第一歩としてコンドームのような避妊具ぐらい大学で買えるようにすることからまず始め、普通の人たちの免疫力を徐々に高めていくしかありません。では、実際他の国はどうか?

例えばカナダの場合、多文化多言語主義 Multiculturalism & Multilingualism が国是でもあり、どの大学でも日本では考えられない数の留学生が学んでいます。そんな国ですから、それぞれの肌の色、文化的経済的価値観、政治信条、宗教等々が異なる学生が恋に落ちることもあるわけで(筆者の想像では)性交渉する際の認識の違いとそこから生じるリスクは非常に大きく、それを事前に摘み取る必要があるのだと思います。この考え方は、近年のSDGSLGBTqSOGIのポリシーも加わった社会環境が、少なくとも日本を除くG7諸国とEU諸国では浸透してきています。

昨今の日本の大学では、誰でも使えるユニバーサルトイレを設置みたいなお金のかかるハコモノには熱心ですが、コンドームは売店の中に小さな販売スペースを作れば終わる話。そんなコンドームを大学で売る売らないのレベルで議論が進まない日本は異常すぎ。軽い話のようで深刻な問題だと受け止めるべきです。

結び 海外では『大学生はSEXするもんだ』が前提

海外ではこんな価値観で社会が動いているので、どこでも大学の保健衛生のポータルもしっかりしていて、その中には、必ず性交渉に関する豊富な情報が提供されています。筆者が感じるのはその書きぶりが、安全(Safer SEX)・楽しむ(SEX Positive)そして危機管理 (Sexual Violence) key Word となっていて、個別具体的にどうすれば良いかを細やか解説する形になっています。要は、SEXを行なう時は、両者(性別を問わない)の合意があり、安全に行なうことが出来るよう大学はサポートすると理解して良いと思います。

ですので、特に日本からこのような国へ留学や語学研修に行くときは、渡航先の国では保健衛生のスタンダードが日本とは異なることを十分に注意することが必要です。

最後に、エヴィデンスとして(これでもかっ!ってくらいテンコモリに)リンクを貼り付けています。カナダはもとより UCBerkeley California-Tech のような世界最上位の大学でも当然に、ヨーロッパではカーリング大会での Easy Toys さんが普通にスポンサーになれるくらい普通の世界、アジア圏でも国立台湾大学でも普通に性交渉のカウンセリングを行ってますし、タイの場合、アプローチは少し異なりますが、HIVのような性感染症の防止のためにも性行為時のコンドームの使用は強く推奨され、そのための教育もされています。このような世界の状況を見るにつけ(筆者にしては珍しく自信を持って)文化の違いだけでは済まされない日本の立ち後れだと断言できます。この十年で世界のPhaseは大きく変わっています。ノーベル賞をバンバン出している世界のトップクラスの大学で基本的な Student Service として行なわれていることがすっぽり抜け落ちているんだから非常に深刻な欠落です。

McGill Univ. さんの学生向けの保健衛生ポータル ここは筆者が一年いた大学。通常の医者の診療以外にもSexologists、Psychiatrists、Local Wellness Advisor のような専門職をおいています。これだけでも学ぶところ大です

www.mcgill.ca

McGill Univ. の Shag Shopさん 大学のweb上の案内では ”The Shag Shop is a sex-positive, safer sex and health boutique located in the Healthy Living Annex” となっています。日本の大学がここまでたどり着くのは前途多難。

www.mcgill.ca

McGill Univ. Shag Shop さん で売っているグッズ 性玩具の中にはペニスバンド、低温ローソク(ロウが溶けてもが熱くないローソク)、鞭(痛くないゲーム用)などの(なんだかなぁ~的な)嗜好性の高いものから避妊具、自慰用品(もちろん男女)、妊娠判定薬までをワンストップで大学施設内で購入できます。カナダですからAmazonで十分買えそうですが、学内で販売していることに意味を持たせているんだと感じます。

www.mcgill.ca

Sexual Health Resource Centre, Queen's Univ. さんの取組み

実はこのセンター、筆者がカナダ滞在時の1999年に訪問してインタヴューしたことがあります。※以下にその時の記事を入れています。その意味では筆者がこの問題への関心が高まった『始まりの地』と言えます。場所はToronto(ON)の近くのKingston(全然話は違いますがここはThousand Island dressing 発祥の地)。また、高円宮憲仁親王が学ばれた大学としても知られています。筆者はMontreal(QC)にいましたが、現地で知り合った友人(当時クイーンズ大M在学中)から『クイーンズのセクシャルヘルスはよくやっている』と教えてもらったのが発端。そして今やこのセンターは、単体でwikiにのるまでの存在になっています。筆者がここにのせた各大学のHPはみんな分かりやすいですが、個人的には、日本の大学で同様の取組みを行なうなら、特にQueen's Univ. さんを参考にするのが良いと感じます。

※『カナダの大学で非常に印象的だったのは人権問題の対応と学生サービスの充実です。これらのことは、多くの文化・人権的背景・価値観が交錯するこの国においては、全ての国民が関わる人権問題について注意が払われている印象を持ちます。同様にその中では男女の性に関する差別についても多くの取組みが行なわれています。大学での人権問題の対策ではセクシャルハラスメントや人種差別等への対策のため、幾つものオフィスが積極的、有機的に連携して活動しています。また、ケベック州に隣接するオンタリオ州にあるクイーンズ大学の学生に対する性に関する問題を扱うオフィス(Sexual Health Resource Centre)では、多くのボランティア(学生、教職員、地域住民等)が登録され運営を行なっています。日本の場合、日陰者になりがちな性の問題を非常に積極的に取り上げ、男女お互いのためになるような性であるように問題提起をしています。同時にオフィスではコンドーム等の避妊具を市価よりも安く販売していますが、男性以上に女性の利用者が多いことが印象的でした。』2000年学報2月号(抜粋・一部記載変更・権利関係は問題ないと思いますが、念のため大学名はいれません)読み返してみて日本はこの時から時計が止まったままです。

shrckingston.org

こちらも Queen's Univ. さん。性暴力への対応に特化したサイト。

www.queensu.ca

University of Toronto さん Torontoさんはどちらかと言うと性暴力中心。

www.utm.utoronto.ca

University of British Columbia さん Consent is key という言葉を用い性交渉までの道程の重要性についてしっかり書かれています。ただし、筆者目線では多少?な部分も、詳しくは、Sexual consent is about clearly and freely agreeing to sexual activity. Consent must be the following. ~で確認を。

students.ubc.ca

University Health Services (UHS), University of California, Berkeley さん 毎年ノーベル賞受賞者がでるような大学ですが、こちらでも取組みはしっかりやっています。What is “safer sex?" に記載されている個別具体的な説明なども参考になります。

uhs.berkeley.edu

Student Wellness Services, California Institute of Technology (Calーtech) さん

wellness.caltech.edu

国立台湾大学健康教育中心さん 

アジア圏の大学でも同様に大学として学生向けの啓蒙が行われています。訳さなくても漢字だけで意味がわかると思います。これをみても『欧米だから~価値観が違う』的な言い訳はできません。

這是為青少年講的的影片.這部影片有兩個主題:
1.認識性騷擾.
2.安全性行為的重要性(預防性病傳染, 避孕, 以及預防愛滋病)

https://ntuhealth.mc.ntu.edu.tw/