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日本の大学 今 未来

最近のJR西日本の車内広告で大学の世相を考えてみる5 関西外国語大学さん藍野大学さん神戸学院大学さんetc

シリーズ化してきましたが、最近のJR西日本さんでの大学の車内広告。学生さんに来てもらうためには、暑い時期でもがんばらないといけません。

【写真1】関西外国語大学さん 筆者的には名前はよく知っていますが全く関わり合いのない大学。イメージとしては芸人さんを多く輩出してる大学かな。この大学の最寄り駅は、JR京都線高槻駅東海道線沿線(兵庫~大阪~京都)の方は広く通いやすいと思います。また、JRで新快速にのって大阪から京都へ行こうとすると停車駅は新大阪(新幹線接続)とこの高槻駅のみ。その面でも立地的に良い場所です。外国語大学と言っても言語的には英語中心、それはそれで良いんだと思います。

【写真2】藍野大学びわリハビリテーション専門職大学さん 医療系の学校法人がやっている大学。キャンパスは茨木(大阪)、東近江(滋賀)あたりにあります。医療系でさらローカル色が強い大学と感じますが、それでも沿線の人に知名度をあげるには良いのかも。

【写真3】神戸学院大学さん JR神戸線東海道線)の常連。今回のは夏のオープンキャンパスのご案内。見えているのはポートアイランド神戸市中央区)内にあるキャンパス。※筆者的には、ポーアイというと理研の富岳や神戸どうぶつ王国の方が気になります。それはともかく外見はとてもきれいです。言葉がそれ以上続きませんが、とりあえず良い教育を学生の方に提供していただきたいものです。

 

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【追記の3・番外編】大学職員として働くなら結局どこが一番マシか考えてみる4 一薬剤師の人生研究ー

またケーニヒスクローネくまポチ邸の集まりがありました。半数くらいは(女性)薬剤師なので彼らの定年前後の状況を中心にお話してみます。

はじめに

そもそもの繰り返しですが、なんで筆者は薬学教育にうるさいかというと、(4年制時代の)薬系私立大学での勤務経験(教務・入試)があり、知人も6年制薬学部(国公立)の教務係長をやっていていろいろ情報を得る機会があり、世の中の普通の人よりは薬学部・薬剤師事情に精通しているはずです。

で、目の前でいっしょにランチをもぐもぐ食べている薬剤師さんたちは、私大4年制薬学部卒で卒業と同じタイミングで薬剤師試験に合格しています。卒業後の進路は、設置規模はまちまちですが病院の勤務薬剤師が中心、そして結婚・出産育児のタイミングで一度は仕事を離れている人がほとんど。中には40代半ばで薬剤師関係の仕事から卒業した人もいます。

病院薬剤師はブランクがキツイ

彼女たちをみていると、まず、最初の勤務先は病院薬剤師を選んでいます。最初から小規模の調剤薬局などは選びませんでした。多分、20代のうちは、薬剤師としてのキャリア形成上?、多くのことが学び経験できる大部屋の薬剤部で働く必要性を感じていたんだと思います。

サンプリングが少なすぎ不正確ですが、国立大出身の人(複数)は、しっかりした病院で生涯薬剤師で勤務し続ける傾向。実名をあげると阪大・金沢大あたりですが、研究も含め薬学全般を学んできたのか、薬剤師試験対策だけで6年過ごしたのかの差異は大きいものと思えます。さらにいえば、私大薬学部を目指す家庭の多くは金銭的に余裕があるのも一因で仕事集中型ではない人生を歩むのかもしれません。

あたり前の話、病院では、薬剤師の資格をもって組織の中で医者に、看護師に、事務に、そして患者さんにいろいろ接する必要があります。そのためには新しい知識を常にアプデしていかないといけません。ですので、少しでも何かの事情で、病院薬剤師の仕事から離れると、薬は新しいのが出ているだろうし、様々なプロトコルも変わっているし、歳を取ってしまったし、で、いろいろのキャッチアップは大変。それに耐えられるのは多分30代くらいまで。それからあとは薬剤師としてならアルバイト的な立場でやっていくけばそれなりにお高めのお給料はもらえます。

量販ドラッグストアでのレゾンデートル

病院・調剤薬局以外での働き先としてドラッグストアも考えられます。値引き販売中心でなんでも売っているドラッグストアであっても、それなりに薬剤師の説明(情報提供)がないと買えない第一類医薬品(鎮痛解熱剤、胃薬、塗り薬etc)があります。それ以外のお薬は、登録販売者資格を持っていれば薬剤師がいなくても販売可能。ですので例えばアタマが痛いとき、ある薬は薬剤師の説明が必要で、違う薬は登録販売者資格の人が普通に売ってくれます。するとどうしても買い手側からすると、薬を買う際、薬剤師さんに説明を受けるとひと手間が増えてしまい、一部の人は『そんなん知ってるわ、早よう買わせてくれや』的な気持ちになってしまいます。(筆者はそんな事情をよく知っていますのでロキソンを買うときは薬剤師さんのご説明を頭を垂れてお聞きするようにしています。)そんなこともあり、特定の薬を売るためにのみ存在する薬剤師さんは居心地が良いわけでもなく長続きしない職場環境とも言えます。やはり歳を取ってからはしんどそうな職場。

人生あっという間

で、薬学部卒・薬剤師のみなさん、いろいろあったんでしょうが、それなりに歳をかさねてこられました。結論としては、みなさんまあまあの人生を歩まれたんだと(勝手に)想像しています。若い人が大学受験でどこがどーたらの大騒ぎしたお話も何十年かしたらそれほど意味をなさなくことをお知りになったうえで受験されるのが良いように感じる筆者です。

ランチの完成形@ケーニヒスクローネくまポチ邸

これで2300円。サラダ・メインの大きいグラタン・パン類はいくつでも追加可、デザートがついて、コーヒー・カフェオレなど飲み放題。

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【第四回ふりかえり】千葉科学大学ってこれからどうなるのか考えてみる6

第四ラウンドでほぼ答申の内容を固めたようです。この話についてはメディアもだいぶ飽きてきたようで、熱心にとりあげているところもまばら。※今回の内容は銚子市HPとメディア情報を参考に筆者本人の考えを加え記載しています。東京新聞さん、NHKさん、千葉日報さんあたりは、短いなりによく会議内容をまとめていました。なお、書いているいるうちにどんどん気付きましたが、公立大までのプロセスは非常に複雑。特に大学職員の人たちはどうずればソフトランディングできるかを学ぶ良い機会になりそうです。

三つの方針

会議では、当日資料に基づき、三つの(法人化要望への)方針を段階的に設定し、その一番最後の(自称:ホントはやりたくない)手段として③の法人化を行うこととしています。ただ、①②は限りなく実現可能性が低いので事実上は③の法人化を検討することになります。

加計学園に事業継続を求める

②他の学校法人に事業譲渡してもらう

③条件付きで市が公立大学法人化を受け入れる

①は、加計学園に現行の大学(千葉科学大学)の継続を求めるもの。ただそもそも加計学園側が法人化を求めてきているので、再考してもらうことは絶望的。考えられるのは市が何かしら追加のインセンティブを与えるとかの方策はなくはありませんが、答申の筋立てのため用意した事例(案)に過ぎないように見えます。

②の大学の譲渡は、千葉科学大学に関心を寄せる他の学校法人があるのなら、進めてもらうのは悪くはない思います。ただ、加計学園で経営できない大学を引き受けてくれる(奇特な)学校法人があるのかどうか。筆者個人的には、看護学部のみなら関心をよせる学校法人はあるかもしれませんが…。こちらも①と同様③の法人化を説明する際の筋立てを作る際の(非常に低い)可能性を示したものと感じます。

で、③は、①と②がダメだったので、(仕方ないので渋々)市として条件付きで法人化を受け入れる際の考え方。ここでは、③を市が選んだとして話を進めます。

大学のスリム化

答申案では、法人化する場合の条件として大学のスリム化をあげています。現行の3学部6学科の体制を2学部2学科(程度)に整理し、看護学部看護学科と危機管理学部危機管理学科だけを継承することを必須の条件に。ということは、それぞれ一学部一学科となりますので非常にシンプルな大学になりそう。その際、(どこにも言葉として出しませんが)薬学部の話は全くなし皆無、やはり誰の目から見ても薬学部は継続が厳しく不要に感じたんだと思います。でも、逆に筆者は思ってしまうのですが、そこまで、大学の規模を小さくすることにこだわりすぎて、スリム化するんならそもそも公立化自体やめた方が良いように思えてきます。実際、当日資料にある市内高校生へのアンケート(高校生の進路希望に関するアンケート集計結果)でも地元の大学(千葉科学大学)への関心の低さを表しているので(ある委員発言では市民から大学を存続を求める声は大きいらしいですが…)。そもそもの銚子市における大学設置の必要性についても踏み込んで検討しても良いかもしれません。※この話、軽い高校生へのアンケート結果ではなく、文科省へ設置申請を出すとき地元からの強い要望があるから公立大学化を求めるという強いレトリックになりますからとても重要。その面からも筆者は公立化大丈夫かなあ…と思ってしまいます。

公立大学になったとしての姿

加計学園側は『公立化しなければ2025年度から学生募集を停止』と言っています。ホントすぐのお話。つまり2025年4月入学者のための試験は、現行大学(加計学園)では行わないことを示唆しています。会議の結果に基づき、2025年度の学生募集は公立大として行う必要もありそうなのですが、それはちょっと。仮に公立大学化を銚子市をしても、そんなすぐに文科省(設置審査)で認めてもらえません。それが以下の流れと気になる部分。

この会議での答申が出る(9月頃)と市長は市議会へ上程し承認(10月頃)されると行政的なプロセスは終了。同時に学校法人(加計学園千葉科学大学銚子市との間でなんらかの法人移管について協定書を交わすことになります(多分)。そのあたりで文科省へ設置申請を行う(はず)なのですが、一般的に普通に考えて設置審査には1年以上時間を要します。筆者の知識不足であれば良いのですが、2025年度入学者からの公立大学化はムリ、間に合いません。早くても2026年度からとなります。もう話がオモテに出ていますので、受験生も不安がっている中、2025年度入試をどのような形で実施するかも重い課題となります。

このことについては、文科省高等教育局高等教育企画課大学設置室さんあたりから、受験生・在学生・卒業生・関係者への丁寧な説明と対応を行うように(多分)必ず強い指導が入ります。以下簡単に学部ごとに課題点検をしてみます。

看護学部は(ほぼ)そのままっぽいのでそのままいけそう。

危機管理学部は、一学科への学科改組を行います。公立大入学者はそれまでの入学者と大きくカリキュラムも異なりそうで、設置審でどんな学科の形で届け出をして承認してもらうのか時間との勝負でもあります。また、公立大以前の引き継がない学科・学生へ授業を行う先生の身分も気になります。

③薬学部は、公立大学化から外しますので、最後の卒業生の送り出しまでは加計学園が責任をもって行わないといけません。薬学部には2024年度入学生がいますので、そこから最低標準修業年限6年間は学部が存続し学生のケアが必要。

まとめ

もうなにがどうなってもカオスの世界。どのような形で上申を出すにしてもそれ以降も問題山積。次は8月末の最終会議での最終答申をもとに考えてみたいと思います。

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【あと二回】千葉科学大学ってこれからどうなるのか考えてみる5 

第三ラウンドでもまだまったりした内容。だいぶ眠たくなってきましたがあっというまに7月28日の第四回会議で答申(案)が、そして8月末の第五回で最終答申がでますのでがんばってフォローしていきましょう!

なんとなく『議論が出尽くした感』を感じてしまう理由

もともとこの会議は、昨年秋、加計学園さん側から、『私大でやるにはしんどいので、公立大に移行してください、あとはお任せします』から始まったもの。これに対し銚子市さん側は、市が関与して大学を誘致した手前もあり、公立大学への移行できるかどうか検討しています。一方加計学園さんは、会議が始まってからも『公立化がダメなら撤退します、切り売りもしてほしくありません』等の追加表明もありました。ですので、加計学園さんとしては、この大学とは縁を切りたいとはっきりとした表明済み。これに対して委員からは、(公立大学化するには)『学部学科の再編議論は避けられない』『(大学のスリム化は必須。現状のままで市に押し付けようとしても進まない』等考え方の基本部分での隔たりは大きなものになっています。

筆者の見た感じ、第一回~三回の会議を眺めている限り、公立大学化の話はどうみても詰んでいるので、会議の方向性を千葉科学大の終活作業に改めるくらいしか思いつきません。それでも、お互い知恵を出し合って会議の結末(答申)を出すのであれば、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた 高等教育の在り方という、最近、MEXTでよく使われている考え方(後述)を踏まえることが大切になります。

財務状況の把握と先行事例の分析

四月から設置されたこの検討会議(委員会)は、10人構成、その半分が銚子市に関係する人たち、もう半分はいわゆる外部有識者の人たち。特に筆者がみたところ、外部有識者さんに関しては、誰がみても文句の言えない良い人選をしています。その中には教育機関の公会計を専門としている公認会計士さんや地方行政やまちづくりを得意とされる先生もいて、大学経営や銚子市側の財務状況を検討するには的確な評価が可能な好メンバー。

①お金(財務状況)

第三回の会議資料の中で議論の中核となりそうなのは、公立大学法人化財務シミュレーション(銚子市作成)(パワポで9枚)で、入学定員の充足状況を仮定(シミュレーション)して、どのくらい学生が入学したらやっていけるか検討したもの。そのため充足状況を3パターン作って試算しています。ぱっと眺めると複雑な数値設定をしているようにみえますが、東京オリンピック大阪万博とかの予算・必要経費シュミレーションと同じような机上の論理で思ったよりも…的な言い訳で大きな誤差が生じる可能性を十分感じます。ですので、この資料も含め、今回の資料のみで法人化の有無を判断するのはかなりのチャレンジャーです。

②先行事例をみて ー他の地域もいろいろ大変そうー

他の公立大学などの運営状況について(資料1)についてでは、公立大学化をした(しなかった)大学の検証をしています。その内容のいくつかを取り上げてみます。

公立大学法人化を見送られた(難色を示された)私立大学 の事例(3つ)の中に姫路独協大学さんがありました。筆者の地元県なのでこちらを中心に考えます。人口50万人余りの兵庫県姫路市にある私立大学で、1980年代、時代に先駆け姫路市のサポートによる公設民営タイプの大学として発足しています。そうすると、なんとなく千葉科学大学誘致時、施設等に80億円以上投資した銚子市さんと同じような雰囲気も。

で、ここから近くに住んでいる筆者としての印象。昔の区割りでいう播磨地域は、明石市より西側の兵庫県。(なお、筆者の地元神戸市は、ギリギリ摂津地域の西の端)。その播磨にある私立大学ってあまり元気がありません。姫路独協大学さんもそうですし、姫路大学さん、兵庫大学さん等々皆苦しい状況。どうも姫路を中心とした播磨地域の高校生たちの目線は、JRに乗れば1時間で行ける神戸・大阪エリアの大学に目が向いています。反対に、神戸・大阪の高校生たちにとっては、わざわざ播磨地域の大学まで学びに行く必要性を感じていない状況。これを眺めていると首都圏⇔銚子市の関係にも当てはまりそう。また、公立大学法人化することによる周辺大学(同業他社)への影響も議論(看護学部の重複)されたようですが、それが姫路大学さんと兵庫大学さんあたり。千葉科学大学スタンドアローン的な存在ですが、それでも同じような状況を想定ししっかりした説明を行わないと周辺の大学から批判を受けかねません。

 その顛末ですが、公立化を断られた姫路独協大学薬学部さんは、2024年4年から募集停止となりました。何のめぐりあわせかわかりませんが、姫路獨協大学薬学部さんは設立当初から低迷し、そのままフェードアウトに。近年、学生が集まらないことを理由とした私大薬学部の募集停止はこちらが初めてだと思います。繰り返しいろいろと書いているとおり、6年制が基本の薬学部ですから、学部をクローズしてからも6年間は普通に在学生が残る勘定。学内での教育だけでなく外部の施設での実習のケアも必要となりますので、その道のりはとても長くなります。

その他、新潟産業大学さん、長浜バイオ大学さんの見送り事例についてをあげていますが、それぞれの地域において、それぞれの事情で公立大学化しなかったことを紹介。どちらとも将来に不安があれば地方公共団体としても協力はできないことを理由としています。

また、公立大学化ではなく、千葉科学大学さんの開設時のように、地方公共団体が私大を誘致する施策も考えられます。こちらも近年、京都看護大学四万十看護学部構想(現地看護学校の事業継承により大学誘致を計画し、設置構想時は2023年4月開学予定でしたが最終的に誘致断念)のようにムリなことへの気づき?的なものもあります。このケースをみていても、地方公共団体が、少子化と過疎地域の活性化という理由で大学を使うのはやめた方が無難。

※会議資料のマチガイ発見:3 公立化を要望しているその他の私立大学九州看護福祉大学さんは、熊本県や、玉名市をはじめとする旧2市10町の財政支援と、官民の長い誘致運動が実を結ん(だようで)「公設民営」の公立大学としてすでに機能しています。(多分、会議前後に誰かが気づいて修正しているとは思います。公開資料ですから、誰にでも見られるので誰かさんから細かい記載をチェックされたりするもんです。)

私案:大学を存続する場合の将来

ウダウダ言ってるだけでは建設的ではありませんので、筆者の考えるる最善の将来構想も考えてみます。学部の再編については、薬学部は銚子市に設置する需要・必要性に乏しいので廃止。文系学部はリベラルアーツっぽい 従前のスタイルにはこだわらない、地域での公務員の候補者になれるような人物が育つ学部に再編。看護学部看護学とともに理学療法やリハビリ等の分野を追加・充実し地域に貢献できるような人材育成を目指す方向が妥当と思えます。(書くだけならカンタンなんだなぁ…)

 別の気づき ー思ったより加計学園さんって…ー

筆者なりに誤解していたかもしれないこと。加計学園って魑魅魍魎の世界を跋扈(ばっこ)するやり手の学校法人かと思っていたのかもしれません。その誤った?イメージとして、メディアでの理事長さんが政治家さんとゴルフしたり美味しいそうなお酒を飲んだりのシーンが目に焼きついてしまったことによりますが、その実体は、岡山県にある理科系大学を中心とした中規模学校法人。岡山県内の評判は知りませんが、お隣の兵庫県に住んでいる筆者には、この大学に関する情報は届きませんし、この大学を目指す高校生の話も聞きません。そう考えてみると、学園幹部の方の政治家さんや霞が関関係者へのアプローチもそれなりに大学の存亡をかけた切実な営業活動だったのかもしれません。そうであれば、将来的に経営リスクを抱える大学があるのなら早めに見切りをつけたいお気持ちがあるのかもしれません。

(今さらですが)会議の名前を変えてみては?

加計学園側からの申し出があったからとはいえ、検討事項が、法人化の可否を中心に論じられていています。そうするとどうしても認める・認めないのゼロサム的な二元論による解決方法になりがちに。答申のあとも、どちらの結果になるとしてもぎくしゃくしたものになるかもしれません。

千葉科学大学の建て直しを考える会議』 とか…

公立大学法人化を検討するための視点とは別に、(例えば)公立大学にはしないまでも市側の関与を増やし、大学規模を適正に縮小し、PPP/PFI的に公共経営的なアプローチで市が大学を支える方式をとり、その財政的な余力で学生の授業料負担を軽減するような仕組みづくりの検討が良いように感じます(言うのは適当で簡単で実際は難しい…)

第四回開催でいよいよ答申(素案)が出ます ー急転直下はあるのかー

第4回千葉科学大学公立大学法人化検討委員会は、7月28日(日曜日)午後3時30分から開催予定。議題を見てみると、答申(素案)が出される予定。筆者の経験上、このような地方公共団体の委員の委嘱の相場って高くても一回2万円未満(別途旅費あり)程度。楽な座ってるだけの会議もあるのかもしれませんが、この会議は責任重大、皆さん一生懸命考えているんだと思います。がんばってください。今回の答申(案)は、同じような状況を抱える地方私大・地方公共団体等を中心に全国的にも注目されている(はず)です。 

PPP/PFIの取り組みは今のトレンド(うまくいくかは不明)

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そもそも公立大学とは

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【短編】これから大学職員として働く気があるとして、X/Twitterは活用できないか考えてみる

はてなさんのおすすめ?もありXをはじめました。大学で働こうかと考えている大学生、転職組にはフォローをお勧めします。

Xをはじめての気づき

もちろんこれまでも、外部からXをながめることはよくありましたが、自分のアカウントから自分でいろいろを発信するのは初めての体験。で、筆者の場合は、はてなでのブログの情報提供を目的にしていてるのでX上何かするつもりは(いまのところ)ありません。そんななかでの雑感。

結構大学関係のツィートが多い

こんなことを書いていると、これまでずっとXしている人からは、なにあほなこと書いとんねんと失笑されそうですが、そう言われても仕方ありません、が、書きます。

最近はどこの大学でも普通に複数のX発信は行っています。その情報は、大学入試等の目的だけでなく、これから大学で働くことを考える人たちへも有効活用できそう。Xのメリットとして、その母体の規模が大きいので、情報量も豊富。また、コメント文字数に制限があることが、よく言えば、早く読める、理解しやすいとも言えます。

反対に、ブログでの実情。大学のことを書いているブログを見つけたいと思っても至難のわざ。筆者は Hatena Blog さんをお借りしてやっていますが、それ以外にもブログサービスを行っている業者さんはたくさんあって別々に情報を発信しています。

大学で働くことを指南するブログはあることはあるのですが、どちらかというと商業的に何かに誘導することを感じるものが中心。ブログ村のようなポータル的なものを用いても大学を知るプラットホームにはならないように筆者には見えます。こんなとき科研費の分科細目的な振り分けがあれば見つけやすいのですが…。ですので、結論としては、ブログをやってていうのもアレですがブログを活用しての(大学の)仕事探しはあまり向いてはいません。

プライベートな情報も豊富 今の大学を(多分)知ることが可能

大学が管理するXは、post(更新)が遅くて面白味がないと言えばそれまでですが、それなりに大学の状況をつかめ自分の働きたい大学選びには参考になります。また、気になる大学をフォローしていればその雰囲気はだいたい見えてきます。

また個人としても現職の大学職員のツイートも豊富。私立大や地方大の様々な方向からの熱心にpost している方もいますので参考になります、というか見ていて勉強になりました。

まとめとしては、どうも一部サイトからの情報発信として、いまだに大学職員は天国で仕事楽勝、30代で給与は1000万オーバー可とかの根拠不明、目的不明、意味不明な情報を見ることができます。そんなお話はよくあるお電話での『税金の還付がありますよ!』のレベルのもの。現実的には世の中にそんな甘いものものはなく、実際働いていても斜陽産業的なニオイもしなくはありませんが、それでもがんばって働きたい若い人の登場に期待したものです。

 

 

【開催間近】千葉科学大学ってこれからどうなるのか考えてみる3 第3回会議の論点予想

第二ラウンドまではジャブの応酬?両者何をやりたいのやら… 第三回開催までの論点整理。始まる前から熱くなっても仕方ありませんのでほどほどに。

6月30日(日)に三回目会議を行うようです

銚子市さんが、第三回の開催通知を公開しました。主な議題は以下の三つ。

・他の公立大学などの運営状況について
公立大学法人化財務シミュレーションについて
・地元ニーズ把握のための対応について

四月から始まって三回目になりますが、議題だけみていてたら全然進んでいません。

会議資料から読み解くと、

①類似性のある先行公立大学と(今さら)比較対象してみる

②法人化するとしてその財務状況を(今さら)考えてみる

公立大学化することによる銚子市の住民のニーズを(今さら)知ってみる

のようなテーマで(多分)公立大学化の是非を考えるようです。

結局銚子市さんはどうしたいのか?

論点整理してみると、加計学園さん側は、もうここでは私大としては経営できないので撤退するけど、そのあとは公立化すればなんとかなるのと思うのでよろしく!という立場。ですので、意見の表明は終えています。それに対し銚子市さんはどうするのか?撤退する加計学園がいう公立化すれば大丈夫という甘い言葉を信じるのかがポイント。議題の立て方を見ていると、全部は無理だが中身を吟味して一部を公立大化するという落としどころを模索しているようにも見えます。

ぽつんと薬学部問題

その条件闘争の中で、一番の議論となりそうなのが薬学部。筆者の目線では、看護学部もしくは危機管理学部ならまだ議論・交渉の余地はありそうですが、薬学部は一番存続の是非を議論すべき事がたくさんあるように感じます。で、今さらでそもそも筆者が気になるのはその場所。6年制薬学部では5年次生以降、薬学教育モデル・コア・カリキュラムに基づく長期実習を病院・調剤薬局等の施設で必ず行います。ただ、大学周辺を見渡しても協力してくれそうな施設はほんのわずか。そのようなところを含め、これまでずっとこの大学の薬学部が低迷している一因と筆者は感じます。

銚子市には銚子市民病院というものもありますが、その規模はとても小さく、病床数は100床に届かない(そのうち半分近くは療養型)規模。とても実習を実施できる病院ではありません。そのほかにも周辺に民間病院はありますが介護・療養型が多いことと実習への協力をしてくれるかはそもそも未知数。やはり、病院実習先は千葉市成田市方面となりそうですが、どちらもこの大学からだと電車で1時間を軽く超える時間揺られていく必要があります。

議題上、類似性があり比較対象となりうる公立大薬学部は、多分というか必ず山陽小野田市立山口東京理科大学さんになります。山陽小野田市も人口6万人足らずの地方都市で、低迷が続いていた山口東京理科大学公立大学化して引き継ぎました。ですので、この事例を用いて薬学部を存続させる方向性を両者で考えるのかもしれませんが。筆者の感じる相違点が一つ。山陽小野田市内や隣接する宇部市にも実習可能な病院が豊富。そんなで、今まで薬学部が無かった山口県としても歓迎ムード。(多分状況が違いすぎて比較対象にはしませんが)最近開学した和歌山県立医科大学薬学部さんも地域の要請を踏まえ県が主導で設置されたもの。特に公立大で薬学部を作るには、救済目的だけでなく地域からの期待は欠かせません。

ところが、最近、千葉県内では順天堂大学さん国際医療福祉大学(成田薬学部)さんが新たに薬学部を開設してしまい、薬剤師不足などの言い訳も困難な状況に。定員割れで薬剤師試験の合格率も低い千葉科学大学薬学部の必要性は下がりつつあります、というか、どうでもよくなってきました。

なぜ閉校を躊躇する?

第三回会議が始まる前の段階で盛り上がっても仕方ありませんので、今回はこれくらいにしておきますが、多分以上のようなことで会議が進みそう。

18歳人口の減少は今後も続く中、公立化という手法で大学を存続させることも選別の必要な時代に入りました。とはいえ加え公立化したら黒字化するか否かを主要テーマで議論するのにもがっかり。その意味では、地域に必要な大学かの視点を議論に加えるかはとても大切。

このことについて、筆者が遠く神戸からこだわる理由は。今後の公立大学新設時のモデルケースとなりそうだから。会議が終わったらまた考えるようにします。

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⇩こちらは和歌山県医大薬学部の事例 公立大の中では一番うまくいっていると思います。

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最近のJR西日本の車内広告で大学の世相を考えてみる4 兵庫県立大学さん芸術文化観光専門職大学さん神戸学院大学さんetc

JR西日本さんに乗っているとたくさん大学の広告が、車内・駅回りに。季節によって書いてる内容は異なります。春から夏はオープンキャンパス情報が多かったですが、秋・冬は新設学部の紹介や受験案内が中心に。そんな風情を、車内での撮影はヘンなおじさんと思われつつ…

2024年の傾向

車内広告の出し方はだいたい決まっていて、入試が終わった頃をタイミングとして新年度入試に向けてのもの、5月くらいからオープンキャンパスの案内を中心としたもの、他には新設学部の設置申請をして広報活動の制限が認められたもの等々が考えられます。今年三ノ宮~大阪あたりの路線で目に留まったものは、いつもの関学さん、神戸学院大さんあたり。また、男女共学化を表明した神戸松蔭女子大学(→神戸松蔭大学)さんもPR活動をしています。あと異質に感じるところでは、奈良先端科学技術大学院大学さんのものも。当然広告は学部学生ではなく、大学院生(特に社会人)を対象としたものですが、それだけ優れた学生を求めているという理解で良いと思います。周辺のライバルは、京大、阪大、神大ですからリクルートは大変です。

【写真1】兵庫県立大学さん 芸術文化観光専門職大学さん

兵庫県さんはどうもPR下手。大阪公大と比べても人社系・自然科学系学部のレベルならそん色ないのに話題はもっていかれがちで地味。府知事と県知事の情報発信力?の差。兵庫県はお隣の大阪公大以上にハイスピードで授業料無償化を進めているのに目立ちません。常日頃から筆者は書いていますが、所管する地方公共団体はしっかり大学をサポートしなきゃダメです。

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【写真2】神戸学院大学さん

JR神戸線京都線の車内では年間通じてどこかのスペースでこの大学の広告をみることができます。あまり関わり合いはありませんが、その将来には関心があります。

【写真3】こちらは4月頃撮影したもの。2025年度の新設学部のPRのようです。追手門学院大学さんも最近目新しいことを進めています。神戸学院大学さん同様今がラスチャンという思いがあるのでしょう