加計学園さんの『ちょっと待って!』から一ケ月経過…そして市長さんの塩(しお)発言
いまだ加計さんから連絡がないみたい
越川銚子市長の10月29日の定例記者会見での様子がメディア経由で伝えられました。その内容は、大学の公立化の話は、地元のニーズなしには厳しいのではとのこと。その根拠として今回取り上げたのは、朝日新聞社さんの記事のような(そもそももともと公開されているものですが)留学生比率などの状況をもとに、ホントに地域からの要請があるの?という書きぶり。この時期に留学生問題についての取り上げは『会議終了後のあとだし』という気もしますが銚子市側のホンネにみえます。
現在の千葉科学大学各学部の状況、ざっくり言えば、①どこもずっと定員割れ、②どこも入学者の半数が留学生、③(薬学部は)6年在学中に学生の半数が退学の状況等々、が続いています。
そんな状況、教育機関として良くないのは当然ですが、何が特に良くないかといえば、薬剤師(薬学部)、看護師(看護学部)のような日本の国家試験合格を目指す学部で、留学生たちは何をやっているのか?。その大部分の理由は、大学側の事情で、定員充足のために(国はどこやら言いませんが)集めて数合わせのために依存しているとしか思えません。なぜなら、大学として薬学部で6年間過ごした留学生への卒業後のキャリア支援の提供ができるのか?国公立大では絶対やらない禁じ手を使っているような大学の終活を地方公共団体がサポートするのもなんだかなぁです。
いずれにしてもこんな状況の大学を今さら公立化する話は銚子市にとって何のメリットもありません。加計学園さんもこんな行き詰った大学をマジメな顔して公立化してくださいと言えるところが、ある意味オトナで立派だと言えます。
絶体絶命 ー大学の存続はどうみても無理ー
で、加計学園さんが公立化の話をもってきたが去年(2023年)の今頃、ですが、そのタイミングでも遅すぎ。せめて仲の良かった元総理がご健在のうちに策を練るべきでした。5年前に公立化を提案すれば、今より断然大学側にも銚子市側にとって魅力ある交渉が出来た可能性がありました。でも、今の状況では、閉校以外に道なし。
だから大学選びも自己責任
いわゆる終活のお話。今後どうするかですが、大学側は大学としてのサービスとして、最後の最後まで残った学生1名までケアする必要があります。ただ、良いことか悪いことか、千葉科学大学の場合、退学率が高い傾向にあるので、授業継続だけでなく、進路変更の一環として(他大学等での)学びなおし等々を提案するような柔軟な取り組みも必要に感じます。設置側の加計学園さんの立場からすれば、採算ベースにのらない大学は(損切りしてでも)早く終わらせるのが一番の良作。
会議もあまかった
今回の市長の発言で見え隠れしていたのは、銚子市側は、当初より公立化は受け入れ難いというホンネがあったのかもしれません、銚子市が毎月5回にわたって行った千葉科学大学公立大学法人化検討委員会開催の趣旨は、あくまで加計学園さんからの要望に対しての世間体的なセレモニーだったのかもしれません。これでとりあえず、この大学との建学以来のいろいろなしがらみとおさらばできます。ただ、行政機関としてしっかり吟味して結論を出したことにしたのでしょうが、半年以上この大学の今後を考える時間が無駄にフリーズしてしまった感があります。
まとめ
今回の千葉科学大学の公立化要望の件は、加計学園が設置母体であることも影響し全国的にも(ある程度)注目を浴びましたが、ただ、大学の閉校や公立化要望については今後地方を中心にかなりの件数生じる可能性があります。学生さんが学んでいても、ある日突然『来年度から募集停止します』なんてことが日常的に起こることが、今の日本の大学の現実であることを肝に銘じ、大学選びは自己責任で慎重に選ぶことをおススメします。今のところ大学には、預金保険機構的なリスクへのサービスは行われていません。
で、加計学園さんも回答を引き伸ばしていても良いことはにもありません。ここまで来たら(結論はなんでもOKですから)腹をくくった対応を早急に期待したいです。