FOU’s blog

日本の大学 今 未来

日本の社会人大学院って実際どうなのかを考えてみる

日本の大学院のお話、他にもいくつか気になることがあるので順次書いていくようにします。まずは社会人大学院について。独立大学院は規模の小さい組織なので大学で働いている事務職員の中でもよく知る人は少ないかもしれません。この内容は読んでいただける需要自体も少ないかもしれませんが、筆者の近くには『事情通』もいますので知っている知識と経験等々いろいろ書いてみます。結論として、トライしても良い存在だと思っていますので、関心のある社会人の人の(最終的には自己責任ですが)参考となれば思います。

はじめに

社会人大学院ってどんなもの?から始めると多種多様すぎて大変です。まず、交通整理を兼ねて注釈を。ここで取り上げるのは、夜や土日の授業を主体とした社会人が(テキトーに)学べる大学院について、広く浅くざっくりと筆者個人的な意見強めで書いていきます。ですので、方向性の決まっている法科大学院(法曹研究科)や専門性の高いその他の(専門職)大学院については、あまり踏み込みません。

ここでは、いろんな状況の説明のため、東は中央大学さん、西は兵庫県立大学さんを使わさせていただきます。それぞれとても良い大学(院)です。念のため。

日本の大学院 ーAt a Glanceー

日本の大学院はカオスになってきました。今現在、学部にぶら下がっている大学院(特に人文社会科学系)は定員割れが続出。筆者目線で言うと、二十代半ばになる人が大学院に入り学ぶメリットがあまりにないから。博士前期(修士)課程なら、2年間という時間、授業料・生活のためのお金、卒業(修了)してからのキャリア形成など、学ぼうとする人には不安になることが一杯生じてしまいます。

そんな大学としてメリットの少ない大学院をどうして続けるのか?ですが、理由は大学業で商売をやっているから、に尽きます。特に私大総合大学で設置申請しておいて大学院がいつも定員割れだと認証評価の際には必ず指摘を受け、場合によっては助成金の減額にもなりかねません。ですので、HPなど充実させる努力はしますが、あまり効果はなし。それならと、ターゲットを変えてそれなりに集客が期待できる社会人大学院に力をいれるところも出だしてきた感じ。

本気度が問われる日本の社会人大学院

社会人大学院って、あたり前ですが、(基本的な対象者として)今現在、企業を経営していたり、企業の要職で働いていたり、行政機関の要職で働いていたり、NGONPOで働いていたり、地方議会の議員さんであったり、医療・福祉機関の要職で働いている人たちへのリカレント教育、学びなおしをしたい人へ専門性の高い学びを提供することを目的に開設されています。ですので、学びを求める側は、学んでみたい内容が、経営に関することだとか、行政に関することだとか、MBAの肩書が(イメージで)欲しい人たちとかで、それこそみんなそれぞれが自由な発想を思い描いて学びができないものかと考え期待します。そのようなニーズに従来の昼間やっている大学院では対応しきれない部分を、社会人大学院のスタイルで補完できないか、それぞれの大学院で考えているといえます。そんな取り組みをする社会人大学院の中でも特別にMBAの国際認証に依存してPRしているところもあれば、反対にMBAという表現にこだわらず広いカテゴリーで経営学の学びを提供しようしているところもあったりで、方向性は千差万別。いっちゃあアレですが、学部受験と違ってそれほど倍率が高い受験でもありませんので、ご自身でどこにするかしっかり見極めて下準備をし、そして何を学びたいかの研究テーマを考えたうえで受験・入学してみればよいと思います。

そんな状況ですので、(特に社会人大学院では)経済学とか経営学だとか行政学だとか会計学だとかいうようなしっかりした学問的領域の基盤があって授業を行うというよりも、今現在の社会的ニーズを掘り起こしたような学際的複合的境界的な分野で学びを提供することが多くなります。例えば、都市や地域でのまちおこし・まちづくりであったり、幅広のビジネス分野であったり、企業法学であったり、地方行財政のあり方であったり、医療・福祉関係のビジネスであったり等々でそれぞれの大学院のフィールドは異なりますが、そんな学びを深堀りしてみたい人を対象とした社会人大学院がそれなりにできてきています。

社会人大学院を紹介する雑誌であったりHPを見ていると、企業で良いポジションを得たカッコ良い人が対談形式でお話をされ、こちらで学んで新しい知見を得ることが出来ました!的な模範解答をしているのをよく見かけます。大学院の基本的な目的、デザインはそれでよいと思います、が、実際の需給バランスの関係でそうでもないと筆者個人は感じています。実際入学してくる学生は、今現在一生懸命働いている人たちの、学びなおし、リカレント、キャリア形成、スキルアップのようなものを求めてやってくる人も確かに多いのですが、さらに、時間があるから・時間ができたから的なリタイア組の方も結構います。人生100年の時代ですので、同じ授業を若い人は20代後半から、上限70代くらいの人までもが一緒に受けることになるのが、大きな特色になると思います。※そのためか、中央大学CBSさんの場合、入学している学生のキャリア・年齢層を明示して、エリートが学んでいるMBAコースであることを積極的にPRしている場合もあります。このあたりもご自身で気になる大学院を見比べてみるのが良いと思います。

場所選びを優先 ー行けるところへ行くでよいと思うー

この意味は、本当に場所・ロケーションのお話。基本的にお仕事しながら土曜日・平日の夜に大学へ行って授業に参加しなければなりません。例えば、関西でいえば兵庫県立大学さんの経営専門職大学院MBA)なんてとても興味深い学びができそうですが、授業に出るためには神戸三宮から緑色の神戸市営地下鉄に乗り22分かけて学園都市駅まで行き、さらに10分歩いてキャンパスまで歩く必要があります。(筆者なら余裕で通学可能な場所ですが)そのため、大学側もそれをハンデ?と意識して、多くの授業を土曜日にまとめて受けれるような工夫をしていますが、(若いころと違って無理の利かない社会人ですから)大阪からは学園都市駅まで通うのはちょっとしんどい感じ。特に社会人の場合は、仕事を抱えている場合が多いので、学びと両立できる場所にあるということは選択肢の中でも比重が増していきます。

東京で例えるなら、勤務地に加え、自宅が八王子にあるか世田谷にあるか横浜からきているか千葉だったらどうしようのような感じで、(平日の授業なら確実に21時半を過ぎる可能性が高いので)微妙な乗り換え時間の違いなんかで肉体的な負担が大きく変わってきます。具体に例えば、中央大学CBSさんの場合だと、最寄り駅が中央線水道橋駅か丸の内線後楽園駅になりますので、新宿・千葉方面だけでなく東京駅乗り換えも可能なので結構いろいろ行けて通学しやすいかもしれません。実際、首都圏や関西圏には多くの(似たような大して変わらない)社会人向大学院がたくさんあるので自分にあった場所選びも案外大切だと思います。

修士課程はあっというま・博士後期課程はイバラの道

実際の学びのお話にすすめていきます。学部だけ卒業して長く社会人やっている人には、修士課程(2年)と博士後期課程(3年)の違いってピンとこないかもしれません。修士課程の場合、入学して2年の間に30単位程度の講義や演習を受け最後に修了のための論文(修士論文etc)を書いて出したら終わり。短期集中型で授業にでて一生懸命がんばり気がつけば普通に修士の学位はもらえます。

博士後期課程を選んだ人は単位取得だけなら20単位前後。それも講義スタイルではなく多くが演習と論文指導が中心、たくさんの学生といっしょにわいわいがやがや授業を受けること自体多くはありません。何をやっているかといえば1年次生から博士論文作成のお話。これも素人さん的な発想では『長めの論文3年かけて書きゃいいんだろっ!』と考えるかもしれませんが、そこまでのプロセスとして、研究者としての実績、例えば信頼できる学会誌などに査読(プロによる論文チェック)をされた論文を3本以上は出さないといけなくて、さらに学会での発表やフィールドワークや統計調査をする場合もあります。これらを仕事しながらやるのはかなりの負担。テクニカルに留年したり休学をしたりで時間稼ぎ行うのも一つですが、気がつけば4年になり5年になってしまうこともあることを覚えておく必要があります。

授業の特色①

授業の雰囲気は、大学院ですから、普通に出席者は10人以下、多くても20~30人くらいで自分たちのコース(学科・領域)の授業を受けることになります。だいたい1学期に15週授業をしますから前期は4月から始めて7月末には授業は終了、後期は10月から1月末くらいまでが標準。修士課程は、2年が標準修業年限ですので、ホントにあっという間。まず初年度は、このリズムで講義と演習の科目が中心となり、その中で、どんな論文を書くかを考えていきます。そして2年目の前期には修了要件になる単位はだいたい取り終えていて、最後の学期で、修了論文を完成させる流れ。また、講義の一部には、週替わりで外部から有名どころ(会社の社長、キャリア官僚etc)の人が講師となって来てくれて、授業をしてくれるのがどこの大学院でもお約束。そんな人に質問できたり記念写真撮ったり名刺交換とかができるので学生のみなさんはとても Happy な気分になってモチベーションも上がります。

授業の特色② ドメスティックで独特な授業風景

MBAコースの事例が一番わかりやすいですが、学ぶ側は、海外の一流大学(ハーバード大とか)が行っているようなトレンディで最先端なリカレント教育を受けて今後のキャリアパスとしたい、というニーズがあると(筆者は)思います。

でも、やはり、ここは日本。絶対多数の日本生まれ日本育ちの先生たちが欧米のビジネススクールなどのまねっこをしている状態。ただ、それでも、私大のマスプロ講義のような、一方的に先生が ppt 使って独演会的なお話をして授業が終わるのではなく、授業中の質疑は活発。講義名目の授業でも学生に何かの課題についてプレゼンしてもらうような手作り感のある講義はどこでもやっていると思います。特にこのような授業形態を課題・問題解決型授業などと呼んでPRの材料としている大学院も結構あります。筆者個人的には、これが最低レベルの大学の授業形態であって、何百人も講義室に押し込んで講義をやってる私大の方が異常と思います。大学院の話ではなくなりますが、金もらって大学やっているんだから私大の学部授業はもっとしっかりしてもらいたいところです。

そのような中、筆者(だけ?)が危惧すのは英語能力。入試の際も英語能力を求めることはなく、実際の授業の際も、英語(外国語)で行われる機会はまずありません。まれにワークショップなどで海外の研究者などを非常勤講師としておこなう講義があれば(多分)誰か日本人の先生が翻訳しながら行うことになります。そうなっている理由は比較的単純で、入学してくる社会人学生の多くは、大学などの学びから長く離れていて、今では英語を用いないお仕事をしている人が圧倒的に多数。そんな人たちに突然英語を課したところで、話せる人話せないの個人差が大きくて授業運営に支障をきたします。なので、それは仕方ないといえば仕方ない状況。その筆者の危惧について、例えば、都市再生やまちづくりを Key Word として学ぼうとするとき、関連する文献の検索をしたとして、日本語だけで調べるのか、英語でも調べるのか、とでは、検索できるボリュームがはるかに異なります。英語のジャーナルなどで『(例えば)ロンドンやシカゴやバンクーバーではこんなまちづくりの取り組みが行われている』というふうな情報を得ることができるか否かは大きく学びの深さが違ってきます。また、普通に修士号を取得した人物が『わて英語ようわかりませんねん』なんて言うこと自体とても恥ずかしい話です。筆者の危惧は言いましたので、あとは各自で頑張ってください。

授業の特色②

ここまででご説明したとおり、どこの大学院でもピュアな学問体系を持って授業する大学院ではないことが反対に特徴になります。法学、経済学、経営学のように学問体系が固まっていて専門領域がしっかりしている中での学びではなく、それほど専門的なバックグラウンドを持ち合わせていない人でもそれぞれの大学院は受け入れてくれる仕組み作りをしていることが特色。本音を言えば、大学院も商売ですので、あまり堅苦しいことをしていると門戸を閉じ学生が来なくなることになりますので、仕方のないところ。ですので、反対に言えば、それぞれの社会人の持つ問題意識を大学院で考え議論し論文にできる可能性が結構あるところが今の社会人大学院の魅力ではないかと思います。

授業の特色③ 学歴ロンダリング?ー入試も授業も社会人だからゆるくなりますー

社会人向けと標ぼうしている大学院ですから、それに合わせて?入学資格を緩和(緩める)しています。これは、良いことか悪いことか筆者もよくわかりません。出願時の学歴要件も大学卒の資格がなくてもOKというところも多数。これは、高校を出たあとがんばって企業のトップなったり、どこかのNPOで重要な役割を果たしている、どこかの市議会議員を何期もやって要職に就いているなど、十分な大学院で学べる資質?を持っていれば出願・入学資格を認めるというもの。入学試験も(大学院にもよりますが)出願時に出す書類(研究計画書とか)に基づいたインタヴューのみというスタイルが結構ポピュラー。社会人大学院ですので?大学をしばらく離れていた人に特定の専門的な分野の試験や英語を課しても無理筋な話なので、このようなふんわりした試験で入学を認めます。さらに輪をかけて、多くの社会人向大学院の入試って受験倍率が(非常に)低いので、本当にダメな人以外はまず合格の傾向があります。そんなところも日本の社会人大学院の今をあらわしているのかもしれません。

もう一つ、こちらも大きな声では言えませんが、授業の欠席も(経験上)結構許容してくれます。もともと多忙な社会人のために開設している大学院ですから、学生が仕事で忙しいのは当たり前という認識?、なので、『会社の決算で』『急な出張で』など言えば結構寛容に認めてもらえます(多分)。成績評価についても、教室の机に座ってやる試験ものより、レポート提出や場合によっては授業態度(よく言えば授業ヘ積極的な参加態度やプレゼンの内容)のみで行われるものも多い印象。ですので、受験を考えている社会人の人はそんな仕事との板挟みはあんまり気にしなくて良いかもしれません。詳しくはそれぞれの入試説明会あたりで確認してみてください。

解説するに、なぜ欠席が問題かというと、大学職員のみなさんならご存じのとおり、シラバスに絶対書いてあってやってはいけないことの一つに出席点があります。大学は、カルチャーセンターではないのだから、毎回出席したからといって自動的なご褒美に『よく頑張った!』と単位を与える考え方はご法度。出席はあたりまえのことで、授業で何を学んだかで成績を与えるように厳しく指摘されます。ですので、授業の欠席率の高さと成績のつけ方がまずいと文科省の人にとても怒られるところですが、今のところ、知らんぷりをする現実的なオトナの対応をしてくれています。

最後に修了論文をだします ー筆者がすすめる論文タイトルの工夫ー

2年間がんばって修士課程を終わる際、通常『修了論文』を提出します。いわゆる修士論文や文書の書き方が自由で緩めのリサーチペーパーと呼ばれるもので、これを研究科委員会(教授会)で諮って承認されれば卒業(修了)に。その際、大学側へは図書館への蔵書用に完成品を1冊程度納品します。その時の論文はきれいに製本されて、その姿は(中身はどの程度か知りませんがとりあえず)アカデミックさを感じます。そんな冊子体になる修了論文のタイトルは、論文作成時にその内容を見ながら指導する先生(主査)と相談して決めるのが普通。その頃は、論文執筆の最終段階なので、締め切りに追われる中、『ここ書き直せ』等々いわれてバタバタしながらがんばる時期。心も折れ加減で論文タイトルなんかどうでもよくなります。

ただ、学部卒業時と違い、大学院の学位論文のタイトルは、履歴書等にも学位取得の事実とともに記載することも使用可能。ですので、がんばって見栄えの良いもの考えておくことは良いことだと思います。特に履歴書を見る側の大半は、大学院のことなんて知りませんので、(嘘でない程度に)風呂敷を広げた書きぶりでも良いと思います。また、完成した製本論文も多めに作っておいて、何かあったときどこかの人事課なんかに渡せるようにストックしておくこともおススメできます。

【修了論文の作成例】

特に30代~40代の入学者で、修士課程での学びの成果を将来に結び付けたい人は、カッコ良い英語副題付きの論文を作れば、見た感じ好印象に。多分、修士修了以降博士後期課程へ進むような人は別の書きぶりの方が良いかもしれませんが、大学外(会社や官公庁)の人相手ならわかりやすい書きぶりの方が良いかもしれません。せっかく一生懸命自分の書いた論文ですから最後まで思いを込める方が良いと思います。以下は筆者が作った参考例です。(筆者はニコタマへ行ったことはありません。)

タイトル名:例えば『首都圏の都市再開発の研究』のように書くより『二子玉川地区の都市再開発による将来的経済効果と周辺地域への波及効果に関する一考察』のようにすれば、大学関係者以外の人にもわかりやすいと思います。また、英文タイトルとして、

"A Consideration on Future Economic Effects of Urban Redevelopment in the NIko-Tama District and Its Impact on Surrounding Areas"

あたりはいかがでしょうか。参考例は、図書館あたりにある先輩の論文の書きぶりをいくつか参考にすればイメージがわいてくると思います。

大学院の場合、このような論文題目は、学位記(卒業証明書)へ書き入れることができますので、それをコピーでもとってどこだかの提出先にでも送れば(先方もよくわかっていないので)この人はすごい人なんだ思ってくれる可能性は高いと感じます。

ついでに名刺の運用ですが、大学教員の名刺で肩書を入れるは博士(Ph.D)からが普通な印象。修士だけで書き入れるというものはあまりありません。ただ民間企業の人ならMBAの取得者なら日本語・英語とも書き入れても良いと思います。いずれにしても、名刺は個人的な判断が必要な部分もありますので、最終的にはご自身の責任で作りましょう。

その他いくつか

長期履修生制度は使えるかも:

大学外の方にはわかりにくいかもしれませんが、こちらの趣旨は、通常2年で終わる(はずの)修士課程を申し出により3年etcで学べるようにする制度。学ぶ期間を3年に延ばしても授業料は2年分で済むように設計されています。考えられる対象者は、仕事が忙しくてなかなか授業に出れない学生などが、当初から履修する単位を少なめにして学修のプランをたてらるようにする仕組み。3年間在籍するだけなら留年もよいでしょうし休学を挟むことも可能。では、長期履修生のメリットはというと3年で学ぶということを大学としてオーソライズしてくれるということ。ですので、例えば、履歴書に期間を記載する際も、『通常2年の大学院課程を長期履修制度により3年で修了した』ことを書いても差支えがありません。履歴書を読む側の人にこの人は留年している、休学しているという事情ではないことを明確に説明できます。特に何かの企業研修制度etcによって大学院に入学している場合、人事課などへ研修期間の届け出が必要であったり授業料のサポートをもらっている人は、あらかじめこの制度を用いるメリットがあるかもしれません。

教育訓練給付制度・奨学金制度:

教育訓練給付金は厚労省がやっている社会人のための能力開発やキャリア形成のため給付金制度。給付があるのは厚労省から指定を受けた大学院のみ。ですので必要があれば大学院とともに自分自身が対象者に成りうるか調べておくほう良いかもしれません。

社会人も入学すれば学生ですので、要件を満たせばJASSO(日本学生支援機構奨学金の受給対象(要件を満たせば返済免除もあり)になります。筆者個人的な考えですが、基本的に収入のある社会人が、この奨学金(枠)を使うより学部学生で真に経済支援が必要な若者に譲る方が良いようにも感じます。あとは実際の経済状況になりますのでご自身でご検討願います。

授業より人間関係

お酒を飲む、そうゆう年齢の人が集まっているので、授業が終わったら先生も仲間にいれて近くの居酒屋に行くことも頻繁。学びの面でも、論文、レポート、プレゼン等々どうしよう…ということで学生の絆は深まります。また、上下の学年の人とのコミュニケーションも濃いものがあり、修了後、どの大学院でも同窓会alumuni活動も熱心、ですので、(少し遅めに)共に学んだ人たちで形成される人脈は結構長く大切なものになるかもしれません。(事情通の知人も特に金曜の夜は授業を早めに切り上げて姿をくらます学生たちの姿はよく見かけています。)

まとめ

大学院についてのお話でしたが、あんまり高尚なものにはなりませんでした、が、筆者はそれでよいとも思っています。一見ハイレベルに見えますが、書いてるとおり、社会人大学院ってそれほど敷居は高くありません。お仕事しながら歳を重ねていくなか、数年立ち止まっていろいろ振り返ったり、次のことを考えたりするための、良いきっかけに大学院での学びは役立つかもしれません。また、大学入試の時と違い、それほど偏差値の圧も高くなく、自分の責任で大学院を選べることも魅力かもしれません。などと書いている筆者は単なる学部卒ですが、学ぶ人たちの姿を見ているとそう感じます。

うまくまとめるのが下手で9千字を超えてしまいました。お読みの方お疲れ様でした。

※大学院での修士論文の作成文字数の目安は(大学院にもよりますが)2万~4万文字程度。リサーチペーパーだと2万文字程度ですが、実際はかなりのお目こぼしがあります。表や写真でごまかしてうすうすの論文で許してもらった話はよく聞きました。

以下ご参考

文部科学省 大学院部会(第95回)議事録】令和元年の会議での社会人大学のあり方等が書かれています。貼っておいて言うのもアレですが、とても読みにくいので関心の人は頑張ってご高覧ください

www.mext.go.jp

中央大学CBSさん

www.chuo-u.ac.jp

兵庫県立大学MBAコース それ以外にも小さいですが経営系の大学院があります。

www.u-hyogo.ac.jp

fou.hatenadiary.jp