FOU’s blog

日本の大学 今 未来

中国の大学3 国際交流としてのつき合い方を考えてみる  天津大学etc

編3では中国の大学関連情報。以下のとおり、行きたくもないのに行った中国出張ですが、愚痴っていても詮無いので少しでも大学関係者の参考になれば。

その前に大学事務職員の海外出張事情

日本にはたくさん大学がありますが、(多分)事務職員の出張が一番多いのは(今でも)国立大学だと思います。国立大学だったころ、年度末は課長と会計と総務あたりで残った旅費をみながら、このグループは○△大の人事課、こっちは◇×大の国際交流課etcとか割り振りして他の国立大学を訪問します。訪問といっても数時間(世間)話をして名刺交換(エビデンス作り)をして終わりというかたち。(良く言えば)お互い負担のかからないように配慮した結果と言えます。(若いころは旅費の無駄遣いと思っていましたが)こんなんでもずっとやっていると事務同志のつながりが出来ることになってたまに役立ったりするもんです。公立大学の場合は、どこの大学ともつながりが希薄なこと、そして事務職員の旅費の予算自体多くとっていないところが多いので(非常にシリアスに)文科省から呼出し食らったような時をのぞけば学外に出ることは少ないと思います。そして私大は(あっさり)大学によって判断は異なると思います。

それが海外になるとさらにハードルが上がります。しかし、それでも国立大学が多そう。例えば、科研費(間接経費)であったり、旅費を一生懸命やりくりしたら部局でも何人か行ける枠がでてきたので、若い子たちに(上の人たちの親心で)『行きませんか?』と声をかけても『今忙しいですぅ~』とか言われ、結局のいつもの(古参)メンバーになりがち。若い世代に海外へ出張にいくことへ関心やステイタス的なものが消えてしまったことからも大学で国際交流の職員が育たない理由を感じ取れます。公立大学では(どこでも)こんなことに予算枠とらないし、外部資金(科研費)を事務職員への旅費に振り分ける発想自体が無いのでかなり絶望的。私大は大手で国際交流に熱心なところはそれなりに予算があるでしょうが、一般の職員までの海外に行ける予算措置はなされていないと思います。

なお、この出張中、一番印象的だった出来事は、中国側の通訳さん。セレモニーをする際、通訳の人が花瓶の後ろに隠れた形で流ちょうに双方の国の言葉に訳してくれるタイプの意見交換を初めて見みました(なので英語は不要)。このあと事務同士で意見交換をする場がありましたが、この(若い)通訳の人に筆者が普通に『何回くらい日本にお越しになりましたか?』と聞くと『行ったことありません』と。日本語と中国語双方の専門的な言葉を交えての会話をサポートできるレベルで日本でいうN1レベルをはるかに超えているのに、どこでここまでのお話ができるようになったのか?。中国の外国語学院のレベルは聞いていましたが、それを実感。その割にこれだけ喋れて日本に行ったことが無いというのがまた中国らしさ。そんな人たちなので、ミーティングの席上では、中国の事務職員は、会話の中にいろいろ防御線を貼っていてお話が堅苦しくなりがち。個人的な信頼感を醸成することは困難そうに感じました。中国とは表向きの人的交流は盛んですが事務的には構えて対応せざるを得ないところが多く、課題というか、そんなお付き合いが必要なお国柄です。

【写真1】天津大学の所謂本部棟。この中でセレモニーや打ちわせをしました。

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【写真2】天津大学の所謂本部棟の中 普通に綺麗です。

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【写真3】ミュージアム1 この建物の中にいわゆる大学の歴史を中心とした文物を展示をする博物館的な施設があります。最近では日本の大学でも良くやっています。天津大学の歴史は古く、中華民国時代は、北洋大学と呼ばれていました。その当時の卒業証書のようです。

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【写真4】ミュージアム2 党関係者のご訪問1

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【写真5】ミュージアム3 党関係者のご訪問2

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【写真6】Q さてクイズ  どこの大学を熱烈歓迎しているのでしょうか?

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A 答えはエディンバラ大学(愛丁堡大學 The University of Edinburgh)でした。最初は中国の西か北あたりにある大学か思っていましたが、イギリスからご一行様がお出でのご様子。中国の特色は歓迎にそれなりの敬意とそれに伴う予算を取っていることがうかがえます。

www.ed.ac.uk

【写真7】ご承知のとおり天津大学は国家重点大学の一つ。大学院の研究も充実しているようです。

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【写真8】留学生宿舎1 筆者の結論としては、まあまあで一年くらいならやっていけそうな施設でした。

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【写真9】留学生宿舎2

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【写真10】留学生宿舎3

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【写真11】留学生宿舎4

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【写真12】ここから北京にある中国科学院所管の研究機関  掲載しやすい写真が少なかったので2枚だけ。日本的にいえば理研やつくばにある研究機関のイメージ。建物自体は新しくて綺麗な感じでした。

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【写真13】施設内には、いろいろがんばりましょう!的なスローガンが

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以上で中国シリーズは終わりにします。

 

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