FOU’s blog

日本の大学 今 未来

日大の出来事を感じながら私立大学の有り様を考えてみる2

田中前理事長さんは、脱税をやってましたまで罪をお認めになったよう。学長さんはしおらしく文科省へお詫びにいきました。これから日大はどうなるのでしょうか?

日本大学のこれから1ー強制捜査後初の記者会見ー

とりあえず田中前理事長さんは、脱税については認めたので東京地検も最低限の目的は達成できたのでこれから日大さんがどこまで大学の立て直しができるかだと感じます。

文科省にアタマを下げにいった加藤学長さんについては、いろいろのメディアを眺めていると総じて評価は低いですが、筆者的にはそれでも前理事長と決別します、と言えたところは偉かったとおもいます(最初から期待値が低かったもので)。また、学内で行なわれた記者会見のスタイルは、オトコのおじさん4名がいろいろ神妙な顔して謝るスタイルでしたが、記者からちゃんこ屋に何回行ったか?とかの真面目なのか?お笑いネタなのかの良くわからない質問もありました。彼らは総じて(多分目に見えないところで)文科省からの圧力があったから最低限のことを言ったまで。今後は田中体制と決別した日大が本当に前理事長的なものを払拭しなければいけません。そんな外圧がありましたので『今後も田中前理事長のご支援をいただきながら大学の名誉回復に努めて~』なんてことは(思っていても)口が裂けそうになってもなんとか縫合して言わなかった、それだけでも大きな成長だと感じます。ご本人は『個人的に脱税しました』の方向性で罪を認め『大学に損害を与えました』というのは避けたいお気持ちがあるようです。それで、それを含めて筆者が日本大学さんについて気になるところは。

日本大学のこれから2ー男尊女卑と純血主義の払拭が必要ー

ここまでくると言い訳困難な数字。日大幹部の方々男女比、学長(理事長)✖1・常務理事✖4・副学長✖4・理事✖33(くらい)・監事✖4→ここまでで約50人ですがこの中に女性なし。次いで評議員が約100人いますが、ここにようやく女性が数名。この状況をいろいろ考えてみると、よっぽど優れた女性人材が枯渇しているのか、それとも相撲文化が生きていて女性が土俵(幹部)に立つことが許されないのかもしれません。最近というかかなり前から、この大学でも男女共同参画だのダイバーシティだのSDGSだのの名前で女性が活躍が活躍できる職場作りを目指しています。なので、日大さんも女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定を一応してはいるんですが、その中での(日大HP)目標が 管理職に占める女性比率を10%以上にする ではトホホ状態で恥ずかしすぎるので書かない方が良いレベルです。  

また、そのオトコの先生たちも常務理事・副学長あたりまで全員日本大学卒で固めているところも印象的。関西で言えば阪大の西尾総長や鷲田元総長は京大修。私立の甲南大でも中井学長は京大修、その前の長坂さんは阪大修、そんな中(学力・研究力のそれほど高くはない)意地でも自分の大学卒のオトコにこだわる閉鎖的な文化の払拭は大学の健全化に必要です。

日本大学のこれから3 ーコロナ渦で大変な時にこの大学に授業料を払っている・払った人が考えるべきことー

もう50年前、歴史の話になりましたが、1968年から翌年まで続いた日大内でのモメ事も結局は日大の放漫経営でテキトーな教育とテキトーなお金の使い方をしたのが原因。これのおかげで他の大学まで拡大してみんな大迷惑したものです。結局この大学のやり方は、マスプロ教育の推進、大学の考えに近い応援団系や体育会系組織を育成して(スポーツ日大)学生を二分化するやり方をする、などの伝統も令和の現在まで脈々と生き続けています。アメフトも相撲も水泳も強いのは良いことなのですが、どれほど学生からの授業料・施設充実費等の収入から割いて使われているのかを考えて見る方が良いと思います。文科省は今後この日大の助成金各種の減額を表明していますが、学長さんは『授業料上がるかも』的なお話をしていますが、まずは自分たちの身を切りムダなお金の使い方の見直し、その中にはコストの高い体育会系団体のあり方についても考えた方が良いと思います。でないと普通に学んでいる学生が不平等で可哀想です。ということで、半世紀前から同じことを繰り返しているのになんでそのまま大学が存続出来ているのかが大いに謎。やはり、選ぶ側も大学HPを見れば日大は何も隠すことなく自分たちの今行なっている価値を表明しています。受験する人たちとその家族も、高校の先生も、予備校のような受験産業の人たちもそれぞれの立場で大学の本質を知ったうえで入るかどうか考える必要があります。

日本大学これから4ー関西目線ー

関西に縁なし。関西の大学受験者って結構な数いると思いますが、その中で『わたしは日大をめざす!』という人の話を聞いたことがありません。多分泳ぐのがうまい、走ると早い、アメフトがうまい、格闘技がつよい等々の人は別枠で入学できる入試制度がありますからお呼びがかかるのかもしれませんが、通常の学びを求めるのであれば関西圏の大学で十分事足ります。また、関西には直接の系列ではありませんが似たような立ち位置の近大さんがありますので特に東京まで行く必要性を感じないのところもあります。もし日本に大学が日大さんと近大さんしかないのであれば、筆者なら(かなり究極ですが)近大を勧めます。その理由として、近大の場合、世耕さんの一族が大学を仕切っていますが、自民党の要職を務めていることもあり(多分)大学で起こる不祥事を嫌います。そういう意味で近大の健全性・質的保証はなされている(はず)と思います。あとは好き嫌いになりますので行きたい人は行けば良いと思います。

まとめ ーまだある日本大学的なものー

日本の私立学校は、設置の趣旨を大切にして、宗教的価値観や創設者の考えを教育に取り入れることに特色があります。そこまでは悪い話ではないのですが、一部の私大では教育の母体(大学)と経営の母体(理事会)の接続がうまくいかず、教育研究を行なう資質に欠ける人たちが大学経営することがままあります。今回の日大さんの事例は、社会的影響が大きいのでメディアにとりあげられましたが、もっと地域性や社会的な影響力の乏しい大学ならそのままやりたい放題のところもあったりします。国立大学なら日本のどこにいっても同じ感じですが、私大は大きく異なることもあるので偏差値だけでなく大学の実態を知っておく必要があると思います。

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