FOU’s blog

日本の大学 今 未来

甲南大学 COVID-19ワクチン職域接種に取り組みます

海外連載中ですが、ちょっと国内で気になったことをいくつか。少し寄り道します。

甲南大学が中心となって

全国の大学で行なわれ始めた大学による職域接種、関西・兵庫県神戸市界隈では甲南大学のグループ(3大学)神戸大学のグループ(3大学)で始まろうとしています。甲南大学のグループは、阪急岡本駅が最寄り駅になる甲南大学甲南女子大学神戸薬科大学が連合してお互いに協力しあいながら接種を開始します。甲南大学は、接種を行なう施設提供、甲南女子大学看護学部を中心としたサポート、神戸薬科大学は薬剤師の立場からの支援。さらにラッキーだったのは心強い医療支援。近くにある甲南医療センターさんも医師・看護師の派遣協力をしてくれるようです。筆者は医学部を有しないこの3大学でここまでうまく進んだ理由は古くからの平生先生つながりがあったことだと感じます。

甲南大学創設者である平生釟三郎先生。平生さんは広田弘毅内閣の文部大臣。政界人でもあり経済人でもあり、自宅のあった甲南大学周辺でも大きな影響力を有していました。甲南女子大学も平生さんに近い人物による創設。そして甲南医療センター(旧甲南病院)もまた平生先生の創設。現在は、神戸東エリアでの神戸大学医学部附属病院との基幹・連携病院として地域医療に貢献しています。というような大正期からの地元つながりを有効に活かすことが出来たことが大きいと思います。

関西は同調圧力がいろいろ強め.。そして大学としての課題

この項で大学の職域接種の話を入れてみようとした頃は、阪神地区で職域接種への参加で話題になっていたのは、大阪大学、近大あたりだったのが、今や主だった大学が何らかの形で参画の意志を示しています。例えば京産大龍谷大も職域接種を行なう意志を示していますが、接種会場のようなハコモノは準備できても打ち手の医療関係者との調整は大変だと感じます。多分これは、ほんの数週間のうちに官邸→厚労省文科省へ『ワクチンは用意するからどんどんやれ』的な方向性と圧が示され、それがどんどん大学にまで降りてきた感じ。確かに大学生の中には市町村の接種会場へ(深い意図もなく)行きたがらないメンタリティを持つ者もいると思いますので、大学でまとめて接種する方が有効な手段だとも感じます。そんな面でもこの職域接種は、近隣の地方公共団体への業務負担の軽減につながればと感じます。

反対に気になるが所謂『同調圧力』。そもそもどこの大学でも職域接種をドタバタしながら急に始めていること自体『同調圧力』の最たるものですが、ここでは学内の雰囲気のお話。大学を外側から見ている人からすると、日頃からダイバーシティに取組み、大学とSDGsに積極的に参加してカラフルピンバッチを襟に付け、SOGIへの対応にももちろん注意を払っている、というのは間違った認識ではないのですが、そうでもない人たちも結構います。筆者のこれまでの大学(職員)生活の中でも、(理工系なら)『この研究室で安全に研究するなら接種するのは当たり前』とか(医療系なら)『医療人であるならば接種を拒むという選択肢はあり得ない』など平然といってのける(もしくは態度で示す)人たちが一定数いるのが今の日本の大学です。(筆者個人的には)理解力が低くて何も決められないぐーたら学生にはワクチン接種はしてもらいたい一方、ちゃんとしたワクチン接種に対する考えを持っている、人には言えない身体的事情がある等々の学生に学内で不利益が生じないようにしないといけません、が、(筆者的には)少し心配しています。

最後に、この項では甲南大学を中心に書きましたが、お隣の神戸大学さんも非常によくやっています。神戸市の大規模接種会場(ノエビアスタジアム)への応援も行なっている中、今回の大学での職域接種への対応も。全国的にはあまり目立たない、知られていないことかもしれませんが、偏差値云々だけの評価でなく、地域への社会的貢献を黙々と行なう大学へはもっと大きな評価してあげて欲しいものです。

 

話はガラッと変わって阪急岡本駅探検。 別の項でフロイン堂さんという老舗のパン屋さんを紹介しましたが、そのご近所にあるチョコレート菓子のお店。何年か前の紅白歌合戦の際、国民的人気アイドルグループがこのお菓子を出場者への楽屋見舞いとして提供したことで人気に火がつきました。以降、今でもお店は賑わいを見せています。

【写真】Louis Blanc (ルイスブラン)

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louisblanc-shop.com

 

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