財務省さんが好きなわけではありませんが、文科省さんはムダな抵抗はやめましょう。大学職員さんも財務省さんや世間一般の人たちの大学への目線を知る良い資料だと思います。
未来はすぐにやってくる
財務省さんは、財政制度等審議会等を中心に、財政を中心とした将来予測とその対応・提案を行っています。で、この出典は、その中で行われている【活力ある経済社会の実現 安心で豊かな地域社会の確立 (財政各論Ⅰ)2025年4月15日】(普通にポンチ絵で58枚)というもので、人口減少社会が加速する将来の財政の困ったことをいろいろ書いたもの。いろいろのメディアでも大学の将来像をこの資料をもとに書かれていますが、実際量的にはそんなに多くページを割いているわけではありません。以下が筆者が感じた気づき。
①人口減少社会の中で、人材育成を強化するためには、高等教育における安定的的な質の確保が必要限られた予算の中で、私学助成についてメリハリが必要、大学規模の適正化(スリム化・コンパクト化する)することが必要。
ご説ごもっとも。この資料中、全体的にリ・スキリングという言葉が良く用いられていることも印象的。財務省さん的には、様々な手法による全ての年齢層での学びなおしが必要と考えているようです。
②一定の教育の質が確保されている大学に対して国費が投入されるよう、その在り方を見直すことで~、 教育の質の向上につなげる制度とすべき。(記事中全般の雰囲気)
良い大学には手厚く、ダメな大学にはそれなり程度にして公費支出を有効で意味あるものにすること。これは、当然、ターゲットは、学力レベルの低い私立大学のことを指します。文科省のやっている支援は手ぬるいからメリハリをつけろというのが財務省さんの考え方。筆者も同意見、急激な人口減少社会がきている中、今のやり方ではダメ、どのみち近い将来目に見えてもっとひどい状況がやってきます。様々な改革は喫緊の課題。
③ 私立大学の公立化が定員割れ大学を安易に公費で救済する結果~
公立大学の可否については、千葉科学大学のところでたくさん書きました。千葉科学大の場合は、結果として救済先?が、あらわれて、他の民間学校法人に経営をゆだねました。それまでの銚子市VS加計学園の話し合いでは多くの条件面で折り合わず公立化を断念しましたが、筆者は銚子市さんは正しい選択をしたと感じます。蛇足で言わせてもらうと、引受先が、野球とゴルフの部活と還元水の利用を得意とした?特色ある高校運営をしている小規模学校法人が、どのように大学を建て直すか非常に関心があります。
④高等教育の学生数は増加((平成元年)193万人→(今現在)263万人)し大学進学率が向上(同25%→59%)しているにも関わらず、私立大学全体の入学定員充足率は足もとでは100%を下回っており、約6割の私立大学が学生から選ばれず定員割れを起こしている(平成28年以降新設の44大学についても約7割が定員割れしており、設置認可審査も不十分な可能性)が、令和5年度における学生一人当たり補助額は定員割れの私大等(私立大・短大)の方が大きくなっている状況。(P17 労働・人的投資等⑥:人口減少と私立大学の定員)
ややこしい話ですが、高等教育機関の見かけ上のキャパは、学生数も増えて拡大しているのに、なぜか私大の6割が定員割れしていることへの疑問。現行制度は、どこかで矛盾や改善を要するのでは、という問いかけ。助成や学部新設のモノサシを定員充足50%にするか70%まで引き上げるというレベルだけで考えて良いものか?将来的にもっと厳しい時代がくるというにのんきなお話です。
⑤労働・人的投資等⑦ :教育の質の実態(P18)やはり以下の事例(初等中等教育的な)のような授業を大学で行うことは、職域分担的によろしくありません。また、他のところ(財務省etc)から突っ込み(指摘)の対象となります。今の日本の高等教育の実態として、以下のような学生が受験した場合、不合格にすべきなのか、大学経営・採算ベースを考慮してそれでも入学してもらうかは社会全体で考える必要があります。
・数学:四則演算等、数の初歩的な取り扱いを学ぶ
・英語:文系の基本、Be動詞、現在、過去の区別を学ぶ
・国語・日本語:句読点、日本語の基本的な表記方法を学ぶ
このお話はメディアでも面白おかしく記事を書けるネタ。深堀りするほどのお話でもありませんが、大学でこんなことしちゃダメ、恥ずかしい、入学させるな、で解決を進めるか、大学に入る前の初等中等教育の段階で何をやってるんだ、の視点も必要かもしれません。また、突き放して考えてみると、昔から日本(人)の学力・学習水準ってこんなもんだったのかもしれません。
まとめ
文科省さんも財務省さんにダメ出しされても現実は現実、何かを変えていかないといけません。地方を中心とした見込みのない私立大学たちは、(誰かの)英断でどんどん統廃合すべき、というのが筆者の考え方。反対に首都圏で美味しい思いをしている一部私大たちも痛みを分かち合う必要があります。で、読んで考えてもなんの良いアイデアが生まれない筆者はとても悲しくなりますが、多くの人たちに情報共有と理解が進むことを期待です。