大阪の病院関係の記事を書きながら気づきで、これから海外留学・研究する人へも参考になればと思いカナダ、アメリカ、タイを中心に書いてみます。前後しますがこれから、余裕があれば、大学病院を中心とした日本の医療についても書くようにします。
海外で病気になったら
救急車
どこの国でも#911すると救急車の要請はできますが、アメリカは極端で、救急車を呼ぶだけで(だいたい)最低1000ドル(15万円)は必要。これが最安値で、週末・深夜加算と移送する距離でどんどん金額アップ。ですので、普通、自宅でお腹が痛い、熱が出たレベルで#911することはまずありません。また、#911して行ける病院(保険が使えるか)も確認しておく必要があります。とはいえ、お腹が痛くなった患者側が救急車を呼べるオプションのついている生命保険に入っていれば気楽に要請できるかもしれません(ですのでお金・保険は大事)。注意しないといけないこととして、飲酒酩酊者に対して『念のため』病院搬送を養成するのも?真に生死にかかわる医学的ケアが必要な場合を除き、行先は警察の施設での留置が相当。一緒飲んでいた人たちも、その場所が公共エリアなら、酩酊を助長させた疑いで警察の取り調べをうける可能性があります。
病院でのお薬の処方も限定的。専門的な治療目的なら処方箋を出してもらえますが、『最近アタマが痛くて…』程度なら『近所の薬局でタイレノール買ってみたら?ダメならまたきてね』で終わってしまいます。ですので、日本的な『アタマが痛いのにCTもとらず薬すら出してくれなかった』という主張は海外では無駄な抵抗です。
Walk in ~ も役にたつかどうか…
どうしても急に体調を崩したなら診てくれる Walk in Clinic (英語圏ならWalk in ~だけで通じるみたいです)をがんばって探します。ただ、行ってみたところで、長時間待って問診され、ひどいようなら他の専門病院を紹介してくれる程度。お薬がでるにしても調剤薬局への処方箋を作ってくれるだけ。特に深夜にこんなことしたら疲れがますばかり。ですので、総じて日本的なケア?までやってくれることは厳しそうです。
海外ではたくさんの”慣れ"が必要
海外では専門医の受診にはアポと時間を要します。 The Matrix Resurrections の中でネオに青いカプセルを飲ませようとする精神科医アナリスト(人名)のような人物が専門医(Specialist)と呼ばれる医師。持病を持っていて長期滞在する日本人であればお世話になるかもしれません。
結果的に日本人が海外で暮らすとこのような医療制度のもとで生活することになります。ですので、日本的な、いちいち待ち時間が長い、医師や看護師、事務員、ガードマンとのコミュニケーションとかが高圧的な態度で見下された、絶対忘れない、二度と行かない等々の気持ちになって、いちいち腹を立てたら肝心の治療を受けることができません。このようなメンタルの人は、海外にいくと『アジア人だから差別されたぁ~』の方向に気持ちがいってしまいがちになります。そんなことよりやるべきことは、どこの国に行くにしても、自前で手厚い医療保険に加入することがとても大切。
日本で海外の医療事情を知る方法
アメリカ以外のG7諸国では国民皆保険ですので、医療費は無償もしくは低めに抑えられてはいますが、日本のような自由できままな医療の国は少ないと思います。筆者はカナダに一年住んでいましたのでそのお話。
カナダの医療制度は、国民皆保険制度(Medicare)、すべてのカナダ市民と永住者に対して医療サービスを提供してくれます。その面では日本人にとってとっつきやすいシステム。カナダの医療制度の基本は、連邦政府と州政府の共同出資による運営。医療サービスへの出資は主に税金で賄われています。で、留学生のような一時滞在者の場合は、確か大学の健康センターのようなところの手続きにより医療カードをもらえました。実際に筆者は使うことはありませんでしたが、(多分)病気になった場合、大学の医療センターへコンタクトすれば指示がでると思います。また、学内にも Walk in 的な内科・外科のファストエイドができるオフィスを独自に持っていました。さらに専門的な治療が必要な場合は以下の考え方で進めます。
カナダでは、プライマリケア(初期医療)が重視されており、いつも隣にいるイメージの家庭医(GP)が患者の健康管理の中心的役割を果たします。ですので家庭医はしっかりしていることが前提。特に持病があって長期にカナダに滞在する人はその理解が重要。専門医への紹介も家庭医を通じて行われます。こんな進め方なのでスピード感はありません。そのため緊急性の低い手術は待機時間が長くなる場合も多々。そんな理由で、タイのような医療に信頼ができ、コストも低い外国へ行き手術をうける Medical Tourism のような需要があるのだと思います。
旅行とかの短期の滞在でも注意
筆者の友人(当時カナダ在住)からのお話。その知人が日本からカナダ行きの飛行機でカルガリーに到着したら体調異変。すぐにERに入って調べるとエコノミークラス症候群発症。かなりの期間の入院加療が必要になったとのこと。その人はそれなりに旅行傷害保険に加入していたので、日本からの救援者の費用も含めてなんとか付帯条件の中で納まったそうですが、その金額としては数百万円にもなったとのこと。カナダだったからこんなもんでアメリカに着陸していたらもっと高額になったかもしれません。筆者はANAカードともう一枚クレジットカードの付帯保険に入っているのでなんとか大丈夫だと信じています。基本中の基本ですが、ホテルのバスタブもなぜかとても滑りやすい時があります。短期で大丈夫と思っていても予期しない事故に巻き込まれる可能性がありますのでそれなりの心がまえは必要です。
※余談ですが、この友人、ローマとワシントンDCで歩行中(軽い)交通事故に二度遭遇しています。何か起こる人には起こるようです。
タイでは
タイのお話も。旅行中ダメになったらどうするか。バンコクのような都市部で、日本人が泊るような大きいホテルならロビーで事情を話せば日本語や英語で対応してくれる病院を教えてくれます。さらに奥の手?があって、現地にある日本の旅行会社の支店(HISさんやJTBさん)やクレジットカードのオフィス(JCBさんやダイナースクラブさん)に相談すれば病院の紹介を(多分)してくれます。なお深刻な状況なら、大使館・領事館に報告することも必要。
タイの場合、バンコクや観光地なら日本語対応の病院はすぐ見つかります。そんな病院なら加入している損保会社のHPからたどればスムーズに保険金支払いまで進めそうです。なお、タイ人の知人によると、普通にタイ語でやっている病院でも英語が通じるので安くついていいとのことでした。まあ、確かにタイの医者なら(日本と違って)英語は大丈夫だと思います。
まとめ
まとめるにも、国によって医療制度や国々の社会制度、文化は異なります。筆者に言わせれば、多くの日本人は、海外経験も乏しく日本の甘くて緩い医療制度の中で生きてきていますから、行く前の問題意識とリサーチはとても大切だと思います。