10/1現在、加計学園さん側は、銚子市さんとの交渉をちょっと待って!と返答猶予をお願いしているようです。筆者個人的にもこんなねじれたネゴ、どのように進めて良いのかとても難解に感じます。それでも、大学というものは、一年サイクルで節目がやってきますので急いでがんばらないといけません。
答申の中身がどんなもんか考える
やはり第五回はセレモニー的なもので、答申を委員長の矢尾板さんが越川市長さんへ手交するところの集合写真を撮って会議は終了。答申自体は第四回の答申(案)の内容を踏襲したもの。
※いつもの筆者のボヤキ:この会議だけの話じゃないんですが…、委員会の構成員10名中、女性は伊藤晴美さん(銚子市教育委員会教育委員 )のみ。千葉科学大学には、看護学部、薬学部と女性比率の高い学部があり女性目線はあっても良いはず。こんなこと委員の委嘱をする際、何人かの候補者の中から女性をピックアップすれば良いだけのことなのにそれができていません。同様に、最近エロい事件が多発していていろんなところの教育委員会の方三人くらいが並んで『極めて遺憾。再発防止に努めます…』的なコメントを毎日発していますが、その際のお三人は非常に高い確率で男性のオヤジさん三名であることが状態化。教育長が女性で謝罪コメントしてるなんてまずみません。どうもどこでも教育委員会で働く職員は男性が独占し女性は事実上お断りしているようです。多分筆者の認識では(もう古臭い言葉となりましたが)20年以上前から女性人材の活用なんて言われ続けているはずですが、そんな中、特に地方公共団体は、努力不足という以前に居直りが生じてしまったようで非常に残念です。
答申手交後、市長さんのコメントは
「私立大として継続運営されることを強く求める」とする回答書を加計側へ送る。
「(加計学園との協議の中で)7条件が受け入れられなければ公立化を断念」
「(交渉においては)安易な妥協はせずに協議したい」(安易でなければ妥協可?)
ですので、これから市長はと強い気持ちで加計学園さんと協議を再開し向き合います。きっと。
転学ってできるの?ー素朴な疑問ー
転学自体はできなくはありませんがみんな安易すぎ。いつものことですが、メディアの適当なコメントにはがっかり。閉校が決まったという理由でどこの大学が引き受けてくれるんでしょうか?筆者個人的には、まず、今の大学が卒業まで面倒をを見るのが第一義であって、どうしても厳しい状況が生じたのであれば、大学間で協議をし(学生優先の立場で)ボランティアに近い形で引き受ける可能性はなくはありませんが…。また、銚子市側も公立化するとしても引き受ける学部・学科と引き受けない学部・学科が生じることは明言しちゃいましたので、法的にではなくても道義的になくなる学部・学科へのケアをせざるを得なくなったと言えます。
筆者も長く大学職員やっていますが、そんな光景をみたのは、大学院レベルで研究指導をうけていた学生の教員が他大学(院)へ移った際、先方の大学と協議の上、その学生の転研究科を承認したという事例が一件のみ。こんなこと安易にすると大学入試の意味自体なくなります。
薬学部が厳しい
特に薬学部は、銚子市は公立化の対象外としているので大学撤退の際には最も影響を受けやすい学部と言えます。仮に加計学園内でなんとかするのであれば、宮崎県にある加計学園の傘下の学校法人順正学園九州医療科学大学さんとなんらかの協定を結んで学生を引き受けるなんて可能性はありますが、現実的には絶望的。近隣の薬学部に頼むとしても個別に就学状況の異なる学生に対して転学部してもらうのは現実的に不可能です。
ですので、やはり、方向性は、加計学園・千葉科学大学として、閉学するなら全員の在学生をちゃんと卒業してもらう努力をするのがスジです。
今のところ大学に預金保険機構的な仕組みはなし
今回の件でわかったのは、経営困難な大学が生じた際、違った大学が救済してくれる可能性というのは極めて低いということ。受験生・家族側としては、(例えば)受験する前にその大学の認証評価を行っているところが、どのように健全性を評価しているかくらいは知っておくべき時代になりました。日本では、今のところ、銀行が破綻しても預金者の預金が守られるような救済システムは、大学にはありません。特に私大で学ぶ人は今以上に注意が必要です。また、同時に、今現在の認証評価機関の大学評価は形式的でかなり甘すぎ。受験生が大学を選ぶ際のリスク提示ができるよう厳しいチェックが必要といえます。
※千葉科学大ならば公益財団法人日本高等教育評価機構さんが認証評価をしています。
今回はちょっと公開裁判的
どうも世間の目は、加計学園さんについて、ネガティブでヒール役。でも、今回の責任の一部には、公私協力のスタイルで大学を誘致した銚子市側にもあるようにも感じます。特に薬学部の設置は当初から無理筋。最初の段階で薬学部の設置を見送っていれば傷口は拡がらなかったような気もします。また、一番考えないといけないことは、今現在もこの先の行方の分からない大学で学んでいる学生さんのケア。大学撤退や公立化から外れた学部・学科の在学生たちは引き続きこの銚子市で加計学園さんが卒業等で身分がなくなるまでしっかり面倒を見なければなりません。そのためには大学と銚子市(禍根を捨て)仲良くする必要があります。
銚子市さんも、答申の中に、千葉科学大の私立大として存続を強く求めるのなら(今のままじゃダメなんで)何ならかのインセンティブを与える必要も生じます。どうも紙のうえの決定ばかりのテキトーさで現実的な中身はなし。みんなオトナなんだからしっかりやってもらいたいもんです。
【写真】岡山理科大学さん 最近、知人の友人が岡山の大学へ出張する際、写真を撮ってきてくれました。筆者的に何か追加する言葉は(考えてはみましたが)ありません…
