FOU’s blog

日本の大学 今 未来

日大の出来事を感じながら私立大学の有り様を考えてみる 7 さっそく最終章の追記

これでこのシリーズはもう終わりかと思っていたのですが……

こんな恥ずかしいお話はみんなの益になりません

いろんなメディアの情報によりますと、田中前理事長さんが所得税法違反罪で(執行猶予付き)有罪判決を受けたあと、千代田区の日大施設に同窓会事務の引継ぎのため?複数回いらっしゃって、(関係する?)日大理事や同窓会関係者と直接対面されたとのこと。報告を受けた文科省は、日大さんからの答申書には田中前理事長さんやそれに関係する人たちとは決別しますと書いてましたよ!ということで、再発防止を求めました。そこで日大さんも関連施設を含む日大構内への立ち入り禁止(場合によったら警察呼ぶぞ)を伝える内容証明を田中前理事長さんへ郵送でお送りしたとのこと。

なんだか、田中前理事長さんは、ストーカーや反社会的勢力への対応と同様の扱いにされてしまいましたが、こんなことになるであろうことは薄々わかっているだろうに、行く方も行く方だし、来たからって会ってしまう人たちも会ってしまう人たちで、どちらにもがっかり。それでもいろいろ考えてみると日大の同窓会組織は大学に大きな影響力を有しているであろうことがわかります。

このような面白ネタの類(たぐい)って、(このブログもそうですが)様々なところで取り上げられてしまい良い印象を与えません。仮に本気で密談をしたいのなら、ホテルであったり料亭であったりのガードの固いところでやればいいものを、と感じてしまいます。また、田中前理事長さんのとりまきの人たちも、もう日大へは行っちゃだめですよ!と言ってあげれば良かったのに、とも感じます。

今回の事で感じたのは、私立大学は、国公立の大学とは異なり、見えないところで、様々な利害のある人がうごめいているんだなということ。日大のこれからも思ったよりも大変なのかもしれません。

4/19追記了

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3月31日に二つの第三者委員会からそれぞれ大学へ答申・調査報告書の提出を受け4月7日に文科省の高等教育局へごめんなさいをしてきました。

仏を作って魂が入るか

このシリーズの最初にも書きましたが、この手の報告・答申は難しいことがたくさん書かれていて読むのも邪魔くさく(特にブログとかでは)コメントするのは大変です。また、ガバナンスであったり内部統制であたりって、部外者にはその内容がよくわからないことがたくさん。日本大学内に独自の組織の抱える問題点があったりするので、健全な管理運営体制の構築とか言われてももう一つつかみ所がありません。特になぜこんなことが起こったのかの検証についてページを割いていますが、(筆者個人的には)そんなそれぞれの家庭の事情を説明されても、もう一つピンときません。それでもがんばって(全文は長過ぎなので)要旨を見ながらいろいろ考えてみたいと思います。

これから巨大組織をどう動かすのか?

まず、今回のようなトップの不祥事が起こると、その反動は、権力の分散の方向に進みます。だいたい、alumni 組織の厚遇、大学外部からの人材を(極度に)求めない、組織内の特殊で不明朗な利害関係者の出現等々があったとすれば、そのようなものを縮小化して、いわゆる民主的プロセスに基づいた組織運営を行なう方向に進むことになるのだと思います。そこで筆者が(要らぬ)心配をするのは、この大学の大きさ。日本のたくさんの場所に、高等教育だけでなく、初等中等教育までもたくさんやっている中、全国津々浦々からの声を東京にある中央執行部で拾い上げることができるのか?そこが今後のポイントになるように感じます。これだけ大きな教育組織になってしまうと傘下のすべてのニーズを汲み取るのは大きな困難が。田中前理事長さんの時代なら、少々のゴチャゴチャは握りつぶして(良くも悪くも)大学は進んでくれました。これまでの日大さんはそんな前理事長さんのやり方だからこそ(表面的には)全てをコントロールができたんだと感じます。

今回の答申は、中央組織の制度変更が中心に書かれていますが、特に巨大組織の大学でもあるので、上部だけ雰囲気を変えても田中前理事長さん的なものの払拭のためには足りず、もう少し下位の組織制度改革にも取り組むことについても明記した方が良いように感じました。特に大学の場合、部局(学部のこと)自治の必要性も求められますので、たくさんの意見の聞いてみんなの声を拾うことは民主的で良いことだと思いますが、当然、新たな執行部の人たちの大学運営はたいへんになるように感じます。筆者は他人なので他人事になりますが、こんな時には本当は優れた啓蒙専制君主があらわれてくれて、なんでもトップダウンの采配でうまくコントロールできればホントに助かると感じます。

女性人材のゆくえ

人事制度改革の一環の中、ジェンダーバランスという表現で女性人材の登用が記されるようになりました。会議での改革内容の洗いだしの際は、もう少し盛り上がっていた気がしましたので、少しトーンダウンした印象。特に医学部、歯学部を中心に、女性が学びやすい、勤務しやすいだけでなく女性の教授クラスの登用が進むと大学の風とおしの良さを実感できるのになあと感じます。このようなチャレンジは数値化しないと前には進みません。例えば、そんな目標として、10年くらいをスパンとして、全職種において最低30%を女性に充てることを目標とする取組みがあると好印象だったので少し残念。(ちなみに筆者はオトコです。念のため)

競技部への思いが印象的

漠然とした印象ですが、筆者のいるような大学では、学生の部活動的なもののあり方を答申の文章の中へ入れることはまずありません。この大学では、教育研究と同様もしくはそれ以上に学生スポーツに力を入れていることが分かります。これ以上のコメントはしようもありませんがこの大学の特色として覚えておくほうが良いとおもいます。

まとめ まだまだありそうなこんなこと

今回のゴタゴタは、アメフトタックルの前振りがあり、日本最大規模の私立大学で起こる病院建て替えの様々な疑惑にお相撲さんやちゃんこ料理屋さん等々の面白ネタが加わり、メディアでの取り上げ易かったんだと感じます。日大さんのお話は、一応これでけりがつきましたが、今現在も、どこの大学でもその将来は前途多難であるはずなのに、怪しげな経営を行なっている大学は結構見受けられます。筆者個人的には、(HPをちょっとのぞけば)見てすぐ分かる行く価値のない大学なのですが、それでも、それなりに学生は入って存続している状況。やはり受験する側の学生や家族にとってはアホでダメな大学だとわかっていても学士をとれるのならそれでもかまわない的な考えの人に支えられているのかもしれません。

これから大学を受験してみたい人やその家族のみなさんは、日本の大学(特に私大)の中にはいろいろ怪しいことがあるのだということを大学入試的な視点以外からも知っておくことを筆者はオススメします。

このシリーズ一応これでおわります

 

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