FOU’s blog

日本の大学 今 未来

ヨーロッパの大学3 東欧で医学を学ぶ3 将来は期待半分の気持ちが大切

筆者個人的には日本人の学生が海外を目指すことには賛成。

東欧の多くでやってます

話が冗長になるので個別具体的な事例は省略します。だいたい東欧+医学部でググれば日本語サイトでの基本情報を得ることができます。サイトの特色は一部の医学部受験サイト、海外大学の受験情報サイト、あとは個人サイト。紹介する事項は、①東欧の医学部には英語を用いた国際コースを設けている大学がある。②授業料が日本の私大と比べると安い(だいたい6年で1000万円を超えるくらい)。また衣食住(寮とか含む)も安い。③医師免許の国際性(日本でもうまくいけば読み替えが効く)④(当たり前ですが)英語が学べる⑤入学試験が日本よりカンタン などをあげています。多くの場合授業料がバカ高くてお面白みのない(と思える)私大医学部じゃないところで医学を学べる選択肢として紹介をしています。

東欧と言ってもたくさん国がありますが、(今のところ)日本人が集まりやすい国はハンガリー。また周辺のブルガリアチェコスロバキアポーランドあたりの大学がターゲットになっているようです。特にハンガリーへ行く学生が多い理由は先方の大学と日本側のエージェントとなる斡旋組織がうまくマッチングしているのではと感じます。

まず入学するまで

日本語サイトの案内では(営業上?)安易であまり書かれていませんが英語力。かなりの進学校(高校)でも(それまでに長期の海外滞在経験がない限り)大学入試レベルの英語能力では現地での講義や日常生活についていけません。入学時期の相違で高校卒業後それなりの猶予期間はありますので(入試英語と言うより現地で使える)英語の下準備がかなり必要と思います。また、現地の英語は英国由来のクラシックな英語であることと英語を話す人が(外見上アメリカンな)明るく陽気な人たちばかりではない文化圏だいうことへの理解が必要です。ただ、英語に関してそれなりに救いがあるとすれば、現地のクラスの多くの人たちが英語が多様な国のSecond Language同志でのコミュニケーションとなるので慣れてくると英語の習熟はは早くなるかもしれません。

入ってみたら・EUにあることを理解してみる

入学者は日本のイメージとは違い多め。国際クラスだけでも軽く百人を超えます。日本のように定員どおりきっちり取って育てるのではなくがんばらない・ついていけない学生はそのままの取り残されます。ですので、日本人だけの事ではありませんが、知らない地で英語に苦労して疎外感を感じてしまうタイプの人はトライしない方が良いかもしれません。反対にこんな生活と試練を楽しめるメンタリティのある人は充実した日々を送れると思います。

また、EU域内にあるこれらの大学はエラスムス・ムゥンドスに代表される教育研究の支援プログラムを留学生も参加できるものもあると思いますので現地でアンテナを立てておくことが良いと思います。

卒業してからのイメージを考えてみる

確実に言えて保証されていることは、学んだ国で医師国家試験を受験でき合格すれば医師免許を取得できること。さらにこの医師資格はEU域内でも有効だということ。この事実だけ考えればとてもおいしい気もしますが、(多分多く人が薄々気づくか心配してるかもしれませんが)東欧の医学部での学びと臨床経験が世界的にどのように評価されているか?EU域内において例えばドイツやフランスのような西欧地域において当該国の医者同様の扱いをしてもらえるのか、は重要なポイント。この問題の打開策を考えるなら(ちょっとロンダリング的ですが)さらに頑張って有名どころの大学院でがんばることも必要だと思います。

以上のようなことをしているとヨーロッパに来た時は二十歳だった若者も三十路なっています。当初は日本に帰って医者になると考えていたとしても他の選択肢(欧州で働いてみたくなる、アメリカその他の国で医者になってみたくなるetc)を思い描くようになってくるのではと思います。筆者個人的には(そのような人の流れは欧米では良くある話なので)OKですが、なかなか日本に住んでいる日本人(家族etc)には納得しがたい人も多いでしょうからその対応も必要かもしれません。

まとめ

筆者も文字におこして、このことを整理してもう一度考えてみると、医師免許が取りやすいからというレベルや方向性で安易にチャレンジ するのは危険な感じがします。どちらかというと海外で学びたいことが主たる動機としてまずあって、その学びの選択肢として医学があるという人は成功しそうなタイプ。また、特に医学受験産業のHPで公開している現地情報と予算見積もりは安易過ぎ。スポンサーとなる両親家族の人たちも広くセカンドオピニオンを収集した方が良いと思います。

日本国内では、こんなことがはやりだすと気に入らない勢力から厚労省に圧力がかかって抜け道封じ的なことが起こらないようにすることも大切。こんな勢力に限って(例えば)スタンフォード大でとった医師資格は即日本で通用みたいなダブルスタンダードな読み替えをしかねません。あくまで透明性・公平性のある試験で医学の国際化を進めるほうが良いと感じます。

 

fou.hatenadiary.jp

 

fou.hatenadiary.jp