FOU’s blog

日本の大学 今 未来

アメリカの大学 大学のいろいろをEpisodeで綴る 東海岸編1

東海岸では留学と言うより大学の行う教育研究の状況を中心にお話します。

Episode3

Gordon Research Conferences 日本では「ゴードン会議」と通常呼ばれています。また略してGRCでも通じます。(ただ日本でこれで通じるというか知っている人自体大学内でもごく少数)この組織は、100年くらい前にJohns Hopkins Universityの有志の先生たちが始めた研究者のための会合(勉強会)。現在のGRC非営利団体で、自然科学系の分野の先生が合宿形式で集まり最先端分野の会議を年間300件程度行っています。また自由な議論を喚起するためオフレコ的な会議運営が行われます。タイミング的には大学の授業のない夏休みシーズンに(わざと)大学の学寮などを使って質素な雰囲気を作りお互いの親睦を深めることができるようにデザインしています。また若手の研究者や場合によっては院生レベルの参加も奨励しているものもあります。ただし、会議の目的の第一はアメリカの該当する分野の発展(多少私見あり)。で、日本との関わりあいですが、会議のステータスが高く世界的に超有名な研究者ときさくに話が出来ることから、日本人研究者には憧れの的、まれに招待講演やポスターセッションの機会があったりするとその研究者はもとより大学もハッピーな気持ちになり大学HPなどに「XOX先生がゴードン会議に出席しました」的なニュースが流れます。反対に言えばあなたが日本の理工系の教授に「ゴードン会議知ってます?」と聞いてみて「何それ?」という返事があったらかなりドメスティックな先生だと推察できます。

【写真】とあるゴードン会議1

f:id:FOU:20201025180826j:plain

【写真】とあるゴードン会議2

f:id:FOU:20201025180908j:plain

次はアメリカの医学部関係。仕事でワシントンDCからメリーランド大学医学部の研究者にお会いする機会がありました。道すがらジョンズ・ホプキンズ大学の病院が見えたりとこの地域は世界最高水準の医療・研究施設が立ち並びます。なおジョンズ・ホプキンズ大学は日本のエリート医学系研究者がポジションをとりキャリアパスとしたい垂涎の機関と言えます。

そのジョンズ・ホプキンズ大学のおかげでメリーランド大学は少しかすんでしまいますがこちらも様々な世界ランキング10台に入るは有数の州立大学、またワシントンDCにほど近いという地の利から連邦政府から委託される研究費の流入も多い大規模な研究型大学院大学として知られています。

訪問した研究者が在籍しているメリーランド大学医学部の『メディカルシステム』は、日本的に言えば医学部の附属病院や傘下となる系列病院群。大学の医学部との協力関係で地域の医療に貢献しています。

ジョンズ・ホプキンズ大学 Johns Hopkins University https://www.jhu.edu/

メリーランド大学University of Maryland https://www.umd.edu/

メリーランド大学メディカルシステム University of Maryland Medical System(in partnership with the University of Marlyland School of Medicine) https://www.umms.org/

 【写真】訪問したメリーランド大学メディカルシステムの病院

f:id:FOU:20201025213010j:plain

【写真】院内の研究施設

f:id:FOU:20201025213035j:plain

 『アメリカの大学』編の締めの総括を 今更ながらアメリカは質の高い大学がゴロゴロしています。カナダの大学関係者が「アメリカほど予算がない」と嘆くのがよく分かります。カナダの大学は州立大学なのでと言い訳をしますが、UC BerkeleyMaryland も国は違えど州立大学。どのような手法で大学にお金を集めることができるかも大切ですし、国際的に優れた人材(教員、学生とも)を集めることも同時に重要な課題になります。状況の違う日本が同じ事が出来るものでもありませんが、出来ることなら多くの大学関係者がその状況は見に行く方が良いと思います。(月並みな締めとなりました)