FOU’s blog

日本の大学 今 未来

台湾の大学3 国立台湾大学 台北帝国大学と荒勝文策先生

これからが台湾シリーズのメインテーマ こちらも写真多めです

理学部物理学系今昔と資料館探訪

【写真】こちらが古くからのメインストリート、ヤシノキ並木が続きます。この道に沿って教育研究の施設が並んでいます。

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【写真】ヤシノキ並木にある建物

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【写真】その中にある建物の一つが物理学系の入る建物。建物はかなり古い感じ

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 【写真】訪問した施設がこちら 2000年代に入って帝大時代からの資料・収蔵品を集めて展示をしています。研究室一部屋程度、それほど大きなスペースではありません。英語表記だとNTU Heritage Hall of Physics(Nucler Physics) となっています。大学の過去の歴史と物品を将来に残す意図を感じます。

国立台湾大学様 訪問の際、施設内での展示品の写真撮影時は管理者的な女子大生様から許可を得ましたがブログ掲載等の利用方法についてははっきりとした承認を得ておりません。何か差し支え等がある場合、お申し付けいただければ写真等の情報を削除等いたします。

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【写真】研究室の系譜 左から荒勝文策教授(初代講座教授・京大)、(先任)太田頼常助教授(初代講座助教授・京大)木村毅一助手(京大)、植村吉明技術員(台北高等工業学校)、もうお一人の戴さんも京大理卒の方。多分人事と予算の制約上教授一名+太田助教授+助教他で講座を開始したことが分かります。大学が開校したとき、荒勝先生で38歳、他の皆さんは20代で研究を開始したことになります。

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【写真】昭和3年大学が作った所謂大学案内。大学令帝国大学令から始まり、大学の講座数、教職員の定員、各種学内規程、学生の制服デザインまで記されています。設立当初は大学全体で専任教授22名・専任助教授16名・専任助教22名で教育研究活動が始まっています。以下写真は理農学部の教授の紹介欄。理農学部の教授は11名(荒勝先生は一番最後)、筆者個人的な見立てでは農学の教育研究が優勢、農学研究の一環で理学系部門がサポートをしているように見えます。このような資料を見るだけでも原子核物理が専門の荒勝先生にとっては帝国大学の看板はあってもかなりのミスマッチで恵まれた研究環境ではなかったようです。

資料:台北帝国大学一覧. 昭和3年(台北帝国大学 編)インターネット公開(保護期間満了)国立国会図書館デジタルコレクションより

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【写真】右側は荒勝先生の任用状、台湾総督名で台湾高等農林学校教授を任じられています。台北帝大が本格稼働する前に台湾でのポジションを得ていたようです。ただ実際にはこの期間は台湾では教鞭に立たずイギリスへ研究留学し当時の最先端研究の現場を知ることが出来たようです。以下その流れ、

1926年(大正15年)任台湾省高等農林学校教授(ヨーロッパ滞在中は主に英・ケンブリッジ大学キャヴェンディッシュ研究所で研究)
1928年(昭和3年)  任臺北帝國大學理農学部首任物理學講座教授

1936年(昭和11年)任京都帝国大学理学部教授

左側は、「アトムのひとりごと (1982年)」 木村毅一先生の著書

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【写真】『広島原爆後日譚』木村先生が、広島に未知の新型爆弾が投下されたとの報を受け荒勝先生たちが現地調査を行った際の直筆レポート。現地においては理研の仁科先生のグループとともに使用された兵器が原子爆弾であると断定しています。

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【写真】昭和19年に許さんが職工見習いで理学部勤務を命じられた発令書(日本の東大京大でもこんな資料を常設展示している部門は(筆者の知る限り)ありません)

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 【写真】物理学講座の鍵の管理簿 こちらは年号が民国表記になっていますので管理責任者は終戦後もしばらく勤務を続けた太田先生の名前になっています。

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 台北帝大における荒勝先生の一番の業績は、コッククロフト・ウォルトン回路型加速器を稼働させ原子核人口変換を成功させた(1933年)ということで評価されています。筆者の当初の認識は帝大という恵まれた環境と潤沢な研究費があったからこそ出来た業と感じていましたが、昔も今もそれほど世の中は甘くはないよう。いかに帝大でのポジションとはいえ『40前の若手教授のやっている訳の分からん研究』に多額の資金提供は行えません。また、物理学講座の構成員もまだ20代の若者数名のみ、草創期のバタバタした大学の中で会議や授業、諸々の雑用に追われながら5年ほどで研究施設を整え結果を出したことについて荒勝先生の別の意味での非凡さを感じます。技術支援を行った精糖会社をパトロンとして資金援助を受けるなど素朴で温厚な写真の姿とは裏腹に泥くさい地道な取組みもされていたことが印象的。

筆者は詳しい成り行きは知りませんが、(多分)荒勝先生の研究の進展に驚いた政府はその研究の場を講座ごと京大へ移します。それ以降さらなる研究の進展がありますが、時を経ず第二次世界大戦に突入。海軍は荒勝先生の研究に興味を示しますが、あくまで机上理論での検討程度。もともと当時の日本では軍産学で系統だった研究開発をする体制が整っていなかったことと軍側にも東洋一と謳われた大阪砲兵工廠のような自前の研究開発生産拠点が各地にあったので、それほど京大の教授先生にアタマを下げる必要もなかったのかもしれません。いくつかご参考:

台北帝国大学京都大学における初期の加速器開発と原子核物理学研究(前編)竹腰 秀邦(会誌内に当該レポートがあります。) 日本加速器学会 

荒勝文策と原子核物理学の黎明

荒勝文策と原子核物理学の黎明

  • 作者:政池 明
  • 発売日: 2018/04/11
  • メディア: 単行本
 

 

大学の誕生〈上〉帝国大学の時代 (中公新書)

大学の誕生〈上〉帝国大学の時代 (中公新書)

  • 作者:天野 郁夫
  • 発売日: 2009/05/01
  • メディア: 新書
 

 

 

 

台湾の大学2 国立台湾大学 ぶらり歩き

 ここから公館メインキャンパスのご紹介、写真は多めになります。

国立台湾大学

最寄り駅はMRT(台北捷運)新店線(R07)公館駅下車すぐ。なお公館駅にはカッコ書きで(台灣大學・National Taiwan University)の記載があります。行くとき、帰るときは、各路線が集まる中正紀念堂駅乗り換えでの利用になる感じ、先にご案内した医学部関連のキャンパスもご近所ですので当時の日本政府は、このあたりにまとめて大規模な文教施設を作ったようです。そしてこの大学は現在も台湾を代表する研究型大学院大学として国内外から高い評価を得ています。それは卒業生に李遠哲さん(ノーベル化学賞・PhD from UC Berkeley)がいて、政界でも李登輝総統から現在の蔡英文総統に至るまで政党は違ってもこの大学の出身者が占めていることでもよく分かります。

キャンパスは、古い戦前の建物を残した感じのエリアがある一方、現代的な施設もあったりします。入口は車が行き来できるメインゲートもありますが、脇道から関係者以外でも普通にキャンパスへ入れる小道もありました。(数回行ってるので写真は夏冬あります。)構内の雰囲気は台湾らしく治安良好、大学関係者以外の人たちも散策しています。キャンパスの構成も日本の大学と一緒なので日本の大学関係の人はすぐに馴染めると思います。

【写真】日本的に言えば学生福利厚生棟 

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【写真】キャンパス内のスナックコーナー1

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【写真】キャンパス内のスナックコーナー2 メニュー豊富

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【写真】農業総合館 農業で自然科学系と社会科学系をまとめているのが特色のよう

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【写真】修士(Master)の学生さんにもちゃんと研究室を割り当てています 。なお台湾での漢字表記は碩士というみたいです

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【写真】同じ敷地内に農業試験場
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【写真】農業試験場2

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キャンパスグッズですが、お手頃T-シャツなど各所の売店で購入可能。特色あるものとして台湾各地にある農学部の農場で採れた農産物・加工品の販売も。その中に農学部農場産の台湾高山茶も。台湾高山茶は冷涼多雨な標高の高い山の上で手間暇かけて生産された高級な烏龍茶(日本で人気が出ないのが個人的にすごく謎)。産地の名称としては大禹嶺、梨山阿里山あたりの名前がついたものが有名。なお、生産数が少ないこともあり市中ではまがいものも多いのも事実。反対に大学ブランドで販売しているので偽物の可能性は低いと思います。肝心の味ですが筆者的には普通の烏龍茶とは異次元の香りと味わいがあり好きな味です。ただ日本的なお茶の入れ方ではないので茶器も準備したりといろいろ大変。前回筆者は以下のお店で高山茶以外にも各種購入しました。店内ではいろいろなお茶を試飲させていただいてゆっくり選ぶことができます。このお店はご参考程度にしていただき、他にも歩き方さんや台北ナビさんにもいろいろ解説・紹介がありますのでご関心のある人はチェックしてみてください。

wangtea.com.tw



 

 

 

 

台湾の大学1 国立台湾大学 台北帝国大学の思い出

注:大学で働いている人はこの地を『台湾』と表記してはいけません。『中国(台湾)』としないとどっかからつっこまれます。このブログではまず台北にある国立台湾大学のお話を中心に書きます。

台北と日本統治時代 

國立臺灣大學(台湾へ行くとこの書きぶりになります。)は、日本統治時代は台北帝国大学。今でもその姿は名を変えて台北にあります。戦時中の台湾が幸運だったことはアメリカの戦略変更で、日本本土侵攻の際の戦略的要衝から外れたため(爆撃は少々あったものの)大きな物理的被害がないまま終戦を迎えることが出来たこと。戦後は不幸な時期もありましたが平和を取り戻しています。そのためもあり、台北市内には戦前からの建物が今でも使われています。

【写真】総統府(旧台湾総督府)戦時中爆撃で火災に遭いましたが修復され今はとても綺麗です。 

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【写真】台湾銀行(旧台湾銀行本店)

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台大病院 

台北のMRT(台北捷運)は海外からの訪問者にとっても便利です。台大病院(国立台湾大学医学院附設医院)はその名前のとおり国立台湾大学の医学部附属病院。主要施設は淡水信義線(R線)の台大医院駅(R09)を下車すぐです。施設的には日本の医学部附属病院と同じですが、見所は台大病院の旧館。当初は独立した官立病院でしたが台北帝大医学部の傘下に入りました。HPでは一部英語・日本語で説明している部分もあります。特に大学関係者で台北へ来ることがあったら見学をオススメします。 

【写真】台大病院の旧館(現在も使われていますが施設見学もできます) 

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 【写真】医学部

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【写真】病院ER

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 【写真】病院案内(雰囲気は日本と同じ)

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アメリカの大学 大学のいろいろをEpisodeで綴る 東海岸編1

東海岸では留学と言うより大学の行う教育研究の状況を中心にお話します。

Episode3

Gordon Research Conferences 日本では「ゴードン会議」と通常呼ばれています。また略してGRCでも通じます。(ただ日本でこれで通じるというか知っている人自体大学内でもごく少数)この組織は、100年くらい前にJohns Hopkins Universityの有志の先生たちが始めた研究者のための会合(勉強会)。現在のGRC非営利団体で、自然科学系の分野の先生が合宿形式で集まり最先端分野の会議を年間300件程度行っています。また自由な議論を喚起するためオフレコ的な会議運営が行われます。タイミング的には大学の授業のない夏休みシーズンに(わざと)大学の学寮などを使って質素な雰囲気を作りお互いの親睦を深めることができるようにデザインしています。また若手の研究者や場合によっては院生レベルの参加も奨励しているものもあります。ただし、会議の目的の第一はアメリカの該当する分野の発展(多少私見あり)。で、日本との関わりあいですが、会議のステータスが高く世界的に超有名な研究者ときさくに話が出来ることから、日本人研究者には憧れの的、まれに招待講演やポスターセッションの機会があったりするとその研究者はもとより大学もハッピーな気持ちになり大学HPなどに「XOX先生がゴードン会議に出席しました」的なニュースが流れます。反対に言えばあなたが日本の理工系の教授に「ゴードン会議知ってます?」と聞いてみて「何それ?」という返事があったらかなりドメスティックな先生だと推察できます。

【写真】とあるゴードン会議1

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【写真】とあるゴードン会議2

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次はアメリカの医学部関係。仕事でワシントンDCからメリーランド大学医学部の研究者にお会いする機会がありました。道すがらジョンズ・ホプキンズ大学の病院が見えたりとこの地域は世界最高水準の医療・研究施設が立ち並びます。なおジョンズ・ホプキンズ大学は日本のエリート医学系研究者がポジションをとりキャリアパスとしたい垂涎の機関と言えます。

そのジョンズ・ホプキンズ大学のおかげでメリーランド大学は少しかすんでしまいますがこちらも様々な世界ランキング10台に入るは有数の州立大学、またワシントンDCにほど近いという地の利から連邦政府から委託される研究費の流入も多い大規模な研究型大学院大学として知られています。

訪問した研究者が在籍しているメリーランド大学医学部の『メディカルシステム』は、日本的に言えば医学部の附属病院や傘下となる系列病院群。大学の医学部との協力関係で地域の医療に貢献しています。

ジョンズ・ホプキンズ大学 Johns Hopkins University https://www.jhu.edu/

メリーランド大学University of Maryland https://www.umd.edu/

メリーランド大学メディカルシステム University of Maryland Medical System(in partnership with the University of Marlyland School of Medicine) https://www.umms.org/

 【写真】訪問したメリーランド大学メディカルシステムの病院

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【写真】院内の研究施設

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 『アメリカの大学』編の締めの総括を 今更ながらアメリカは質の高い大学がゴロゴロしています。カナダの大学関係者が「アメリカほど予算がない」と嘆くのがよく分かります。カナダの大学は州立大学なのでと言い訳をしますが、UC BerkeleyMaryland も国は違えど州立大学。どのような手法で大学にお金を集めることができるかも大切ですし、国際的に優れた人材(教員、学生とも)を集めることも同時に重要な課題になります。状況の違う日本が同じ事が出来るものでもありませんが、出来ることなら多くの大学関係者がその状況は見に行く方が良いと思います。(月並みな締めとなりました)

アメリカの大学 大学のいろいろをEpisodeで綴る 西海岸編 2

ナパワインとUC Davis

Episode2

アメリカ西海岸、カリフォルニア北部からオレゴンワシントン州あたりはワインの産地として知られています。 特にサンフランシスコから少し北、ナパNapa County とソノマSonoma Countyは、良質で、現在では非常に高価なワインを生産する地区として知られています。その理由はワインに適した気候、Napa RiverRussian River がもたらす肥沃な土壌、そして(当初は)イタリア系移民の頑張りが あったといえます。さらに土地柄、1990年代からサンフランシスコの南部地域はシリコンバレーと呼ばれIT産業の一大拠点となり若くて進歩的な富裕層が集まります。この人たちは新しいもの好きでチャリティードネーションや投資に積極的。こんな人たちが地元ワインのサポーターになります。この地のワインは熱狂的な信者が多くて毎年シーズンになるとブラインドテストしたらボルドーブルゴーニュの最高級を超えたと盛り上がります。以下高級な部類のワインを幾つか。もちろんお手頃価格なものもたくさんあります。(なお筆者はお酒は飲みません。)

スクリーミングイーグル Screaming eagle https://www.screamingeagle.com/  

カベルネソーヴィニヨンを主体としたボルドースタイルで重厚なワイン。ラベルの名前もアメリカらしくて良い感じです。作付け面積が小さいこともあり所謂入手困難なカルトワインとして知られています。

オーパスワン Opus One https://en.opusonewinery.com/

こちらもボルドースタイルの赤ワイン。共同オーナーにボルドー四大シャトーの一つムートンロートシルトのオーナーがジョイントベンチャーで参画していてこのワインの知名度をあげています。(10年くらい前までは1万円あればなんとかなったんですが今では数倍の価格になりました。Opus Oneは日本でも高価ですが比較的容易に入手できます。)

ハイドド ヴィレーヌ HdV Hyde de Villaine https://www.hdvwines.com/ 

DRC(ドメーヌ ド ラ ロマネ コンティ)はブルゴーニュのコートドールにあるフランスワインの至宝ロマネコンティ畑の共同所有経営者とナパの有名醸造家が作り出したワイン。赤ワインはピノノワール種に白ワインはシャルドネ種が主体となりブルゴーニュスタイルのワインを作り出しています。

ロキオリ Rochioli https://www.rochioliwinery.com/ 

ロキオリは、ソノマ地区で早くからピノノワール種を用いてきた生産者。Russian Riverの両岸には彼の美しい畑が拡がります。特にブレンドなしの単一畑から産するピノノワールは高い評価を得ています。

【写真】オーパスワンのワイナリー ツアーで見学・試飲ができます

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【写真】オーパスワンのワイン畑

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と、長めにカリフォルニアワインの お話をしましたが、その成功に一役買っていたのがUniversity of California, Davisの農業・生命・環境系の部門の存在。Davisは、もともとUniversity of California, Berkeleyの農業学校の部門が独立した大学。そのため自然科学系分野、特に農学分野(種苗、醸造学など)については全米でもトップクラスの評価を得ています。このあたりが今様々なところが提供する大学評価の中で見落としがちになるところだと感じます。(その前にDavis自体評価の高い大学ですが)Davisは、ナパ・ソノマの地区から至近にありますので研究・実験・分析・検証も容易、そんなところにフランスを中心とした良くも悪くも従来のトラディショナルなワイン造りに飽きたらないワイン関係者が研究留学に加わり飛躍的にこの地でのワイン造りが進歩しました。ここではワインのお話ですが筆者的にはアメリカ流の産学連携で分かりやすい良い事例だと思います。

カリフォルニア大学デービス校 University of California,Davis https://www.ucdavis.edu/

スタンフォード大学 Stanford University https://www.stanford.edu/ シリコンバレーの立役者

おまけ情報 Campus Safety

アメリカやカナダでは広大なキャンパスを有する大学が多く構内における学生・教職員の安全確保が重要となります。警備車両での定期巡回、各所に警備担当につながる非常電話、夜間の推奨帰宅ルートの提示、ボランティアによる同行帰宅など。以下の写真はUCBerkeleyEmergency Pole。学内の緊急連絡用に各所に設置されています。

カリフォルニア大学バークレー University of California, Berkeley https://www.berkeley.edu/

【写真】地下鉄Downtown Berkeley Sta. を降りてBerkeleyを目指すとまず大きな公園が見えてきます。昼間はきれいな公園ですが夜は一人では危ない雰囲気

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【写真】通報装置1 このような通報装置が各所にあります

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【写真】通報装置その2

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【写真】公園を抜けるとあらためて大学の入口があります

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アメリカの大学 大学のいろいろをEpisodeで綴る 西海岸編1

アメリカについては行ったことのある大学などが少ないこと、多くの人が多彩なコメントをしていますのでこちらでは出来るだけ異なる視点から情報提供をしてみます。 

Episode1

レッドランド大学 University of Redlands https://www.redlands.edu/

Wikipediaにチェックを入れてみましたが、この大学を案内する日本語版はありません。この大学は、カリフォルニア州ロサンゼルスを西へ100キロほどのところにあるミドルタウン・レッドランドにある大学。筆者が訪れた時(前世紀)は、街の周辺は延々と続くグレープフルーツ畑。基本的には特に夏は気温がとても高く山火事被害が多く乾いた地帯なのですが、反対に言えば一年の多くがカリフォルニアブルーの青空が広がります。そんな中に位置するレッドランド大学University of Redlandsは、ミッション系のリベラルアーツ的な教育を行うカレッジに近い小規模大学。人種比率をみてみると現在はアジア系より中南米系を多く受け入れているよう。このあたりはカリフォルニアでも南部地域なことが影響しているのかもしれません。またカリフォルニア南部地域というと若干治安の悪さを感じる人もいるかもしれませんが典型的な昔のアメリカらしい治安の良いミドルタウンです。周辺にはすぐ近くにスキーが出来るような山があったり湖があったりと環境は抜群と言えます。参考までにいうとレッドランド大学と学術交流協定を締結している日本の大学もあったりしますので気になる人は調べてみても良いと思います。留学すれば日本のナンチャッテLiberalartsと違う真のLiberalartsを学べます。

この地を紹介した理由。ここが筆者の始まりの地。実際にはレッドランド大学University of Redlandsは遠くに眺めるだけで、実際は民間の語学研修で4週間過ごしました。(嘘ですごいことを書いても良いんですが事実に基づくことにします。)このこと全てが動機とは言えませんが、筆者はこの年になるまで大学の中でも国際交流を中心とした仕事をしてきました。この時に利用したのは今はもう無くなったリクルートヤングツアーという20代あたりをターゲットとしたツアープログラム。(今となったらよく分かるのですが)4週間で留学でない在留資格アメリカに入国しているので真面目な英語研修ではなく結構お遊びの時間が多く、その間はスポーツや近郊の町に行けたりと結構充実。どちらかというとリクルートという会社の頑張りというよりローカルスタッフ、ホストファミリーのホスピタリティーの精神が実を結んだのではと感じます。なおツアー代金は飛行機代その他コミコミで約30万円のかなり格安。近郊で同じような大手旅行会社がやっているプログラムで来ているグループとニアミスして話をしてみると、ツアー料金は倍の60万円で授業やホストファミリーとのトラブル続出とのこと。特に海外のプログラムは当たり外れはあるようです。

このEpisodeで若い人に話してみたかったことは、ざっくり『行ってみたら結構違う』ということ。今の筆者ならレッドランドなんて語学研修の場所で選ぶ可能性は低いのですが、その時々の様々の要因が重なって(運命的に)行ってみるのも(特に若いうちは)良いと思います。日本国内で言われる大学ランキングや地域的な評判は重要かもしれませんがあまりそれにはとらわれないことも大切だと思います。

ビッグベア湖・スキー場のご案内(行ける人は少ないと思いますが、、)

 https://www.bigbear.com/

最後にロサンゼルス近郊の大学(有名どころ)をご紹介

カリフォルニア大学ロサンゼルス校 UCLA https://www.ucla.edu/

言わずと知れた名門校。なぜか何十年も前からUCLAのTシャツを日本で売っていることの方がミステリーになります。

カリフォルニア工科大学California Institute of Technology https://www.caltech.edu/

少数精鋭の私立の理工系大学。アメリカではトップクラスでも日本での知名度は知っている人はしっている程度。

南カリフォルニア大学 University of Southern California https://www.usc.edu/

全米でも屈指の名門私立大学。お金持ちで頭が良い学生が集まる雰囲気があります。

 

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カナダの大学12 カナダでの学び方いろいろ

カナダに1年いて感じたことをこの章最後にいくつか 

大学からいく

自分のいる大学がやっている語学研修プログラム(夏季の募集が多い)、授業料不徴収覚書(大学間の学術交流協定に付随したもので自分の大学で授業料を払っていればだいたい一年未満相手先大学で学べる)、その他に分類されます。大学が関与していますので払うべきお金や現地での宿泊先、危機管理もやってくれるので安心感を持てます。質の高いプログラムになるかは大学の国際交流をやっている人たちの腕の見せ所になります。コスト面と行きやすさを考えると大学生の身分ならこの行き方を一番に検討するが良いと思います。

ESL1 西にいくとふえる

これはアメリカも同様だと思いますが、日本人(その他アジア系含む)の受講者数。ESLは学校にもよりますが多くても15人くらいで1クラスを作ります。特に個人でESLで学ぼうとすると結構日本人に出会います。異国の地での新たな出会い、新たな友人が見つかることは結構なことなのかもしれませんが、それがESLの期間中というのが少し問題。確実に日本語で考えお話をする時間が増加し最後にはホームワークもせず週末いっしょに街歩きして遊んでしまいます。数字を持っているわけではありませんがブリティッシュコロンビア州あたりは語学研修の(遊べて学べる)場所的としてうってつけなので日本人比率がアップします。反対に筆者が当時学んだMontrealは日本人自体がまばら。特に日本人男性比率はかなり低く感じました。また多くの人たちはQuebecは仏語圏というイメージがあるのでここで英語を学ぼうという需要自体が少ないのかもしれません。それでも同じクラスに1名の日本人(女性)がいました。

同様に授業を阻害するものが同じ国籍者の構成比。筆者が学んだSchool of Continuing Studies, McGill Universityでは、今でも覚えているだけでも、台湾、韓国、イラン、イラクUAEサウジアラビアチュニジア、メキシコ、コロンビア、ベネゼエラなど。このような国籍バランスはビザの取りやすさも関係しますので、カナダとアメリカで異なってくるかもしれません。どこの国籍がどうというより一つの国籍者がクラス内に多く占めるのは授業運営上良くないと思います。またイメージとしてESLで学ぶ人は『若者の学びの場』ばかりでもありません。学ぶ目的も多種多様、これも筆者の経験ですが、クラスには銀行の英語研修(メキシコ)、警察の英語研修(コロンビア)などの30代など意外な経歴を持つ人たちもいました。そういうのをひっくるめて海外のESLの状況を理解しておくほうが良いと思います。

ESL2 ESLもいろいろ

一例として、日本の海外留学サポートサイトを見ているとQuebecの中でも様々な英語研修先を紹介しています。例えばMontrealでも複数の小規模な学校をいくつかご案内。個人的にはよく知りませんが、中小の学校ならではの小回りが効いてコスト面や細やかなサービスなど期待できるところがあるのだと思います。大学が運営しているESLは基本的にシステマチック。例えばマギルの場合、レベルチェックも厳しく、最初の授業でかなりのクラスメンバーが上のクラス下のクラスへとガラガラされます。ホームワークのボリュームもかなり大変、先生も大学院修了クラス、上位のクラスはカナダの大学・大学院を目指すための専門的な英語教育を行えるティーチングメソッドも洗練していますので、その分授業料は他のESLよりも高くなります。このあたりは自分が何を得たいかを考えてESLを選ぶのが賢明です。